JBBFとは
JBBFは正式名称 "公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟"として、日本で最も伝統と歴史のあるフィットネス団体です。
発足は1955年に遡り、おそらく日本最古のボディビル団体と言っても過言ではありません。
JBBFはJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)に加盟している日本で唯一のボディビル団体です。
公益社団法人であるということ、JADAに加盟している日本で唯一のボディビル団体であるということがJBBFを語る上で欠かせない予備知識となります。
FWJとは
FWJ(Fitness World Japan)は2014年に発足した比較的新しい団体です。
初年度のみUSBBという名称を名乗り、その後NPCJとして活動してきましたが、IFBB Professional Leagueの傘下となったタイミングでFWJと改名しました。
日本で唯一IFBB Professional Leagueに加盟している団体であります。
National Physique Committee(以下NPC)というIFBB PROリーグ傘下にあるアマチュア大会の運営組織にも日本で唯一所属しているのがFWJです。
なので、実質日本でIFBB PROカードを取得する場合はFWJに出場することが必要になります。
各団体の選手
団体へは1年ごとに選手登録をする必要があります。
団体の規定により、選手登録をするとそのシーズンは関連団体以外の他団体へは出場できなくなります。
なので、同じシーズンにJBBFとFWJの両団体へ出場するのは実質不可能となっています。
ただ、選手たちの意向や団体の在り方も近年急速に変化していることで、移籍(シーズン終了後)というのは頻繁に起こります。
JBBF所属
木澤大佑さん、相澤隼人さん、直野賀優さんなど
FWJ所属
廣川翔一さん、小池友仁(JIN)さん、KANEKINさんなど
JBBFからFWJへ移籍
寺島遼さん、エドワード加藤さん、佐藤正吾さんなど
法人としての比較
JBBFは先ほども述べたように、公益社団法人となります。
公益社団法人とは「公益事業を主な目的として活動している法人」で、さらに非営利団体となります。
非営利団体といっても、厳密には利益をあげてはいけないわけではありませんが、「公益事業の収入が適正費用であるか」は公益社団法人であるための必須事項ではあるため、下手に大きな利益の追求をすることができません。
一方、FWJは営利団体である「FYカンパニー株式会社」が実質上運営されていると推測できます。
営利団体とのことですので、FYカンパニー株式会社はFWJの運営以外にもアパレル事業やトレーニングジム(POWER HOUSE GYM)などフィットネスの多岐に渡る事業を行っているのが特徴です。
この運営体制の違いが、コンテストの色にも大きく出ているように思えます。
JADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)に加盟しているということ
JBBFはJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)に加盟している日本で唯一のボディビル団体です。
唯一の団体であるのは必然で、JADAでは1競技につき1団体しか加盟できないからです。
もちろん発足はJBBFの方が数十年も前なので、FWJは加盟したくてもできません。
ここに団体としての大きな違いが生まれます。
当たり前ですが、JBBFの出場選手はいつドーピングテストに呼ばれても良いようにアンチドーピングでいなければなりません。
たとえ本人にその意思がなくても使用サプリに違法薬物が混入(コンタミネーション)していればアウトなわけです。
一方、FWJをはじめとする他団体はアンチドーピングを謳ってはいるもののドーピングテストは皆無であるため、いわゆるユーザーの選手も多く出場しているのではないかと身体つきを見て推測できます。
ここにナチュラル派のJBBFとユーザー派のFWJという構図が出来上がってしまう訳です。
もちろんFWJ出場選手全員が違法薬物を利用しているわけではありませんし、中にはナチュラルで頑張っている選手も多くいます。
ただ、JADAに加盟しているか否かで、ここまで大きく団体の乖離ができてしまうのは致し方ないのです。
2団体の在り方
JBBFは運営が公益社団法人であること、JADAに加盟していることから、競技としての側面が強い印象です。
運営や出場選手なども、JBBFの競技性と権威性を大切にしてきた伝統があります。
一方FWJは多角的に運営が収益を上げて、派手な演出・SNSなどを中心としたメディア戦略、それからなんといってもIFBB Professional Leagueと繋がりを持ち、プロクオリファイヤやあのオリンピアまで繋がっているという圧倒的な華があります。
今まではIFBBプロカードやオリンピアに出場したくてもなかなかできなかった経緯がある訳で、このFWJの功績はある意味革命と言えます。
競技としてのJBBFかエンターテイメントとしてのFWJか。
伝統のJBBFか革命のFWJか。
今までの日本ボディビル・フィットネス界をを守ってきたJBBF。
IFBB Professional Leagueとの契約やSNSで有名選手が数多く出場し、近年のフィットネスブームを加速させたFWJ。
先入観を持たず客観感的な事実を知った上で、各コンテストを観たり、出場したりするとまた感じ方も変わってくるのではないでしょうか。