クレアチンの飲み方・飲むタイミングを徹底解説【筋トレ前?後?寝る前?】

クレアチンの飲み方・飲むタイミングを徹底解説【筋トレ前?後?寝る前?】

「クレアチンは筋トレの前に飲むべき?後に飲むべき?」「寝る前はダメ?」「水にどれくらい溶かすの?」クレアチンを手に入れた瞬間から、飲み方の疑問が止まらなくなった経験はありませんか。

私自身がまさにそうでした。筋トレ歴12年・パーソナルトレーナー歴8年の今でこそ笑い話ですが、飲み始めた当初は筋トレの30分前にスマホのタイマーをセットして飲んでいました。飲み忘れた日は「今日のトレーニングは意味がなかったかも」と本気で落ち込んでいたくらいです。

結論からお伝えします。タイミングによる効果の差は、複数の研究で「ほぼない」と報告されています。ただし、ある飲み方をするだけでクレアチンの吸収率が約60%上がるというデータがあります。この記事では、タイミングの研究データと、10年間で辿り着いた「最も楽で効果的な飲み方」をすべてお伝えします。

※飲み方の前に、クレアチンの効果や基本情報をおさらいしたい方は、先に クレアチンとは? | エビデンス最強のサプリメント をご覧ください。

クレアチンの正しい飲み方

1回の摂取量と回数

クレアチンの基本的な摂取量は以下の通りです。

  • メンテナンス摂取(通常):1日3〜5gを毎日。体重が重い方(80kg以上)は5g、それ以下なら3gでも十分です
  • ローディング摂取:1日20gを5〜7日間(1回5g×4回に分割)。その後メンテナンス摂取に移行します

メンテナンス摂取であれば1回で飲みきれる量なので、1日1回でOKです。ローディングについては クレアチンのローディングとは?必要か不要かを最新研究で徹底解説 で詳しく解説しています。

水の量と溶かし方

クレアチンモノハイドレートは水に溶けにくい性質があります。5gを溶かすには、以下のポイントを押さえてください。

  • 水の量:最低でも250〜300ml。少量の水では溶け残りが出やすい
  • 温度:常温〜ぬるま湯(40〜50℃程度)が最も溶けやすい。冷水だと溶解度が大幅に下がる
  • 混ぜ方:スプーンでしっかりかき混ぜる。シェイカーを使うとさらに確実

クレアチンが溶けないときの対処法

「クレアチンが溶けない」という悩みは非常に多いです。クレアチンモノハイドレートの溶解度は常温(20℃)の水で約14g/Lと低く、冷たい水ではさらに溶けにくくなります。

溶け残りがあっても、胃の中で溶解・吸収されるため効果自体は変わりません。ただし、溶け残った粉が消化管を刺激して胃腸症状の原因になることがあります。以下の方法で対処できます。

  • ぬるま湯を使う:50℃程度のお湯なら溶解度が約2〜3倍に上がり、5gでもほぼ完全に溶ける
  • マイクロナイズドタイプを選ぶ:粒子が細かく加工されており、通常のモノハイドレートより溶けやすい
  • プロテインシェイクやジュースに混ぜる:他の成分と一緒にシェイカーで混ぜると溶けやすくなり、味も気にならない

クレアチンを飲み始めた頃、冷たい水に入れたら全然溶けなくて、底にザラザラした粉が残ったまま飲んでいました。正直まずいし飲みにくい。ある時ぬるま湯で試したらスッと溶けて驚きました。今はトレーニング後のプロテインシェイクに一緒に入れてシェイカーで振るのが定番です。味も変わらないし、飲み忘れも防げるので一番楽な方法だと思います。

フィット

クレアチンはいつ飲む?最適なタイミング

「クレアチンは筋トレの前に飲むべき?後に飲むべき?」——これはクレアチンに関する最も多い質問の一つです。

結論:タイミングより「毎日続けること」が最重要

先に結論をお伝えします。クレアチンの効果はタイミングではなく、毎日の継続摂取によって得られます。

クレアチンは体内に蓄積されて効果を発揮するサプリメントです。プレワークアウトのカフェインのように「飲んだ直後に効く」タイプではありません。筋肉内のクレアチン濃度が飽和レベルに達して初めてパフォーマンスが向上するため、重要なのは毎日の蓄積です。

2021年のForbesらによるメタアナリシスでは、高齢者を対象にクレアチンの摂取戦略(用量・タイミング・ローディングの有無)を統合分析した結果、トレーニング日のみの摂取でも除脂肪体重と筋力に有意な効果が確認されており、摂取タイミングの違いによる差は認められなかったと報告されています(Forbes et al., 2021a)。ただし同論文では、ローディング期を含む研究を除外するとチェストプレス・レッグプレスの筋力向上がプラセボと有意差を失ったとも報告されており、「タイミングは重要ではないが、高齢者の筋力アウトカムではローディングが効果を引き出す要因になりうる」という2つの知見が同時に示されている点には注意が必要です。2022年のCandowらのレビュー「Creatine O'Clock」でも、トレーニング前後のタイミングによる効果の差は現時点のエビデンスでは明確ではないと結論づけられています(Candow et al., 2022)。

筋トレ前と筋トレ後、どちらがいい?

タイミングに関する代表的な研究を見てみましょう。

Antonioらの2013年のRCTでは、レクリエーションレベルの男性ボディビルダー19名を対象に、クレアチン5gを筋トレ直前に摂取する群と直後に摂取する群を4週間比較しました。除脂肪体重の増加は前群が0.9kg、後群が2.0kg、ベンチプレス1RMの増加は前群が6.6kg、後群が7.6kgで、後群がやや大きい傾向はあったものの統計的に有意な差ではありませんでした(Antonio & Ciccone, 2013)。サンプルサイズが19名と非常に小規模なRCTのため、この結果から「筋トレ後のほうが優れている」と結論づけることはできない点には注意が必要です。

2021年のForbesらによるRCTでは、片腕ずつトレーニング前後にクレアチンを摂取する被験者内デザインで検証し、筋肥大・筋力ともに前後で差がないと報告されています(Forbes et al., 2021b)。

現時点の研究をまとめると以下の通りです。

  • 筋トレ前でも後でも、効果に大きな差はない
  • 強いて言えば、筋トレ後にわずかな優位性を示す研究がある(ただし統計的に有意ではない)
  • 最も大切なのは「自分が続けやすいタイミング」を選ぶこと

※「筋トレの直前に飲まないと効果がない」は誤りです。クレアチンは蓄積型のサプリメントであり、飲んだ直後にパフォーマンスが上がるわけではありません。

休息日はいつ飲む?

トレーニングをしない日もクレアチンは摂取してください。筋肉内のクレアチン濃度を飽和レベルに維持するためには、毎日の補給が必要です。

休息日のタイミングに研究上の最適解はありません。朝食と一緒、昼食と一緒、寝る前——いつでも構いません。「毎日同じタイミングで飲む」と習慣にするのが、飲み忘れを防ぐ最善策です。

寝る前に飲んでも大丈夫?

クレアチンはカフェインのような覚醒作用がないため、寝る前に飲んでも睡眠を妨げることはありません。

2024年のCruzらによるRCTでは、クレアチンを摂取した女性群においてレジスタンストレーニング日の総睡眠時間が有意に改善したと報告されています(Cruz et al., 2024)。クレアチンがトレーニング日の睡眠を改善する可能性を示唆する興味深いデータですが、まだ研究が限られているため断定はできません。

少なくとも「寝る前のクレアチンが睡眠に悪影響を与える」という証拠は一切ないため、寝る前が飲みやすい方はそのタイミングで問題ありません。

私は色々なタイミングを試した結果、トレーニング日はトレ後のプロテインシェイクに混ぜる、休息日は朝食後にビタミン剤と一緒に飲む、というルーティンに落ち着きました。このルーティンにしてからもう何年も飲み忘れたことがありません。タイミングを最適化するより、飲み忘れない仕組みを作るほうがよほど重要です。

フィット

食事と一緒に飲むと吸収率が上がる

タイミングの「いつ」より重要なのが、「何と一緒に飲むか」です。実は、クレアチンの吸収効率は食事との組み合わせで大きく変わります。

インスリンがクレアチンの取り込みを促進する

1996年のGreenらの研究では、クレアチン5gを93gの炭水化物と一緒に摂取したところ、クレアチン単体での摂取と比べて筋肉へのクレアチン蓄積量が約60%増加したことが報告されています(Green et al., 1996)。

これはインスリンの作用によるものです。炭水化物の摂取で血糖値が上がるとインスリンが分泌され、インスリンが筋肉のクレアチントランスポーター(取り込み口)を活性化させます。結果、より多くのクレアチンが筋肉内に運び込まれます。

さらに2000年のSteengeらの研究では、プロテイン50g+糖質47gの組み合わせでも、糖質96g単独と同等のクレアチン取り込み促進効果があることが確認されました(Steenge et al., 2000)。

おすすめの飲み合わせ

研究データを踏まえると、以下の飲み方がクレアチンの吸収を最大化できます。

  • トレーニング後のプロテインシェイク+糖質に混ぜる:タンパク質と炭水化物の両方でインスリンが分泌され、吸収効率が最も高い飲み方(詳しくは クレアチンとプロテインは一緒に飲んでいい?混ぜる効果と正しい飲み方
  • 食事と一緒に飲む:通常の食事に含まれる炭水化物とタンパク質で十分なインスリン応答が得られる
  • ジュースに溶かして飲む:果糖・ブドウ糖を含むジュースなら炭水化物源としてクレアチン吸収を促進できる

逆に、空腹時に水だけでクレアチンを摂取しても効果がないわけではありません。毎日飲み続ければ筋肉は飽和します。ただし、空腹での摂取は胃腸への刺激が強くなりやすいため、食事と一緒のほうが胃腸にも優しいです(クレアチンの胃腸症状について詳しくは クレアチンの副作用【はげる・腎臓・下痢】は本当か?実体験とエビデンスで徹底解説 で解説しています)。

トレーニング後にプロテイン+バナナ+クレアチンという組み合わせが私の定番です。炭水化物とタンパク質でインスリンが出るから吸収効率がいいという研究を知ってからこのスタイルにしました。パーソナルのクライアントにも「プロテインに混ぜちゃってください」と伝えています。別々に飲む手間がなくなるだけで、継続率がぐんと上がります。

フィット

毎日飲む必要がある?

はい、クレアチンは毎日飲むことで効果を発揮するサプリメントです。

クレアチンは筋肉内に蓄積されて効果を発揮しますが、毎日少しずつ代謝・排泄されます。体内のクレアチン量を飽和レベルに維持するためには、排泄される分を毎日補給する必要があります。ISSNのポジションスタンドでも、1日3〜5gの継続摂取が推奨されています(Kreider et al., 2017)。

「トレーニングする日だけ飲めばいい」と考える方もいますが、それでは筋肉内の濃度が安定しません。休息日を含めて毎日摂取することで、常にクレアチンの恩恵を受けられる状態を維持できます。

  • トレーニング日:トレーニング前後の食事やシェイクに混ぜて摂取
  • 休息日:食事のタイミングで摂取。朝食後がもっとも忘れにくい

まとめ

クレアチンの飲み方とタイミングについて、研究データと実体験をもとにまとめます。

  • 摂取量:1日3〜5gを毎日。ローディングする場合は1日20g(5g×4回)を5〜7日間
  • 水の量:250〜300ml以上。ぬるま湯だと溶けやすい
  • タイミング:筋トレ前でも後でも効果に大差なし。「毎日続けやすい時間」を選ぶのが正解
  • 食事との関係:炭水化物やタンパク質と一緒に摂ると吸収効率が約60%向上。プロテインシェイクに混ぜるのがおすすめ
  • 寝る前:覚醒作用がないため問題なし。睡眠への悪影響を示す研究もない
  • 毎日飲む:トレーニングしない日も含めて毎日。筋肉内濃度を維持するため

クレアチンは「飲むタイミング」で悩むより「毎日飲み続ける習慣」を作ることが最も効果的です。自分のライフスタイルに無理なく組み込める方法を見つけてください。

【次に読むべきおすすめ記事】

飲み方・タイミングを押さえたら、次はローディングの要否やプロテインとの併用を確認しましょう。

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参考文献

  1. Forbes SC, Candow DG, Ostojic SM, Roberts MD, Chilibeck PD. Meta-Analysis Examining the Importance of Creatine Ingestion Strategies on Lean Tissue Mass and Strength in Older Adults. Nutrients. 2021;13(6):1912.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34199420/
  2. Candow DG, Forbes SC, Roberts MD, et al. Creatine O'Clock: Does Timing of Ingestion Really Influence Muscle Mass and Performance? Frontiers in Sports and Active Living. 2022;4:893714.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35669557/
  3. Antonio J, Ciccone V. The effects of pre versus post workout supplementation of creatine monohydrate on body composition and strength. Journal of the International Society of Sports Nutrition. 2013;10:36.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23919405/
  4. Forbes SC, Krentz JR, Candow DG. Timing of creatine supplementation does not influence gains in unilateral muscle hypertrophy or strength from resistance training in young adults: a within-subject design. Journal of Sports Medicine and Physical Fitness. 2021;61(9):1219-1225.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34610729/
  5. Green AL, Hultman E, Macdonald IA, Sewell DA, Greenhaff PL. Carbohydrate ingestion augments skeletal muscle creatine accumulation during creatine supplementation in humans. American Journal of Physiology. 1996;271(5):E821-E826.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8944667/
  6. Steenge GR, Simpson EJ, Greenhaff PL. Protein- and carbohydrate-induced augmentation of whole body creatine retention in humans. Journal of Applied Physiology. 2000;89(3):1165-1171.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10956365/
  7. Kreider RB, et al. International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine. Journal of the International Society of Sports Nutrition. 2017;14:18.
    https://jissn.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12970-017-0173-z
  8. Cruz AJAB, Brooks SJ, Kleinkopf K, et al. Creatine Improves Total Sleep Duration Following Resistance Training Days versus Non-Resistance Training Days among Naturally Menstruating Females. Nutrients. 2024;16(16):2772.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39203908/

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