クレアチンとプロテインは一緒に飲んでいい?混ぜる効果と正しい飲み方
クレアチンをプロテインと一緒に飲むだけで、筋肉への取り込みが約60%増加する——これは2000年代の研究で繰り返し確認されている事実です。にもかかわらず「別々に飲むべき」「混ぜたら壊れる」という誤解がいまだに広まっています。
筋トレ歴12年・トレーナー歴8年の私が、5件の研究論文をもとに正しい飲み方を解説します。
※クレアチンの基本情報をおさらいしたい方は、先に クレアチンとは? | エビデンス最強のサプリメント をご覧ください。
クレアチンとプロテインの違い【役割が根本的に違う】
まず大前提として、クレアチンとプロテインはまったく別の役割を持つサプリメントです。「どちらか一つでいい」という話ではありません。
プロテイン=筋肉の「材料」
プロテイン(タンパク質)は筋肉を構成するアミノ酸を供給します。筋トレで損傷した筋繊維の修復・成長に必要な「建材」です。
- 役割:筋タンパク質の合成(筋肉を作る・修復する)
- 効くタイミング:トレーニング後の回復期を中心に、1日を通じて
- 摂らないと:筋肉の成長が制限される
クレアチン=トレーニングの「燃料補助」
クレアチンは筋肉内でホスホクレアチンとして蓄えられ、高強度運動時のATP(エネルギー)再合成を助けます。「建材」ではなく「工事現場の電力供給」のようなものです。
- 役割:高強度・短時間の運動でエネルギー供給を改善
- 効くタイミング:セットの最後の1〜2レップ、スプリントの反復など
- 摂らないと:筋肉は作れるが、追い込みの強度がやや下がる
※クレアチンとプロテインは競合しません。材料(プロテイン)と燃料(クレアチン)の両方が揃うことで、トレーニングの質と回復の両方を最大化できます。
プロテインに混ぜて飲んでいい?【結論:問題なし】
「混ぜたらクレアチンが壊れる」「吸収が悪くなる」という噂がありますが、短時間であれば問題ありません。
クレアチンの安定性
クレアチンは水溶液中で時間の経過とともにクレアチニン(無効な代謝物)に分解されます。しかしこの分解は数日〜数週間かけて徐々に進むものであり、粉末の状態では非常に安定しています。作ってすぐ飲むプロテインシェイクに混ぜる程度(数分〜数十分)では、分解はほとんど起こりません。
- OK:シェイカーで混ぜてすぐ飲む(数分〜数十分)
- OK:ぬるま湯やプロテインシェイクに混ぜる
- 避けたほうがいい:前日に作り置きして翌日飲む(長時間の液体保存)
プロテインの成分がクレアチンを阻害しない
ホエイプロテインに含まれるアミノ酸や乳糖がクレアチンの吸収を妨げるという研究データはありません。むしろ、次のセクションで解説する通り、プロテインと一緒に摂ることで吸収が促進されることが研究で確認されています。
私は10年以上、トレーニング後のプロテインシェイクにクレアチン5gを毎回混ぜて飲んでいます。シェイカーに粉を入れて振るだけ。味も変わらないし、飲み忘れも防げる。別々に飲んでいた頃はクレアチンだけ忘れることが多かったので、この方法に変えてから継続率が格段に上がりました。
一緒に飲むと効果は上がるのか【研究データ】
クレアチンとプロテインを一緒に摂ることには、単なる「便利さ」以上のメリットがあります。
インスリンがクレアチンの取り込みを促進する
Greenら(1996)の研究では、クレアチン5gに93gの糖質を加えて摂取したところ、クレアチン単体と比べて筋肉へのクレアチン蓄積が約60%増加しました。糖質の摂取でインスリンが分泌され、インスリンが筋肉のクレアチントランスポーター(取り込み口)を活性化するためです。
ここで重要なのが、Steengeら(2000)の研究です。50gのプロテイン+47gの糖質でも、96gの糖質と同等のクレアチン保持率が得られることが確認されました。つまり、プロテインシェイク+バナナ程度の組み合わせで、大量の砂糖水と同じ効果が得られるということです。
- 96gの糖質のみ:クレアチン保持率 約25%向上
- 50gプロテイン+47g糖質:クレアチン保持率 約25%向上(同等)
- クレアチン単体:ベースライン
併用で筋力・除脂肪体重にも相乗効果
Burkeら(2001)は、6週間のレジスタンストレーニング中にホエイプロテイン+クレアチンを摂取したグループと、ホエイプロテインのみのグループを比較しました。結果、併用グループのほうが除脂肪体重とベンチプレスの筋力向上で上回ったと報告されています。
Cribbら(2007)の11週間のRCT(無作為化比較試験)では、レジスタンストレーニング経験者を対象に、ホエイプロテイン群とクレアチン+ホエイプロテイン群のいずれも、糖質コントロール群と比べて筋力と筋肥大で有意に優れた結果を示しました。ただしクレアチン+ホエイがホエイ単体を大きく上回るわけではなく、群内のばらつきも報告されており、併用の上乗せ効果は限定的だったと解釈するのが妥当です。
さらにCribb & Hayes(2006)の10週間のRCTでは、プロテイン+クレアチン+糖質をトレーニング直前・直後に摂ったグループが、同じサプリメントを朝・晩に摂ったグループと比べて、除脂肪体重・筋力・TypeII筋繊維の断面積で有意に優れた結果を示しました(いずれもp<0.05)。つまり、併用するだけでなくトレーニング前後に摂るタイミングも重要です。
これらの研究を総合すると、クレアチンとプロテインを併用することで、少なくともプロテイン単体やクレアチン単体に劣ることはなく、摂取タイミングを工夫すれば筋肥大・筋力の伸びをさらに引き出せる可能性があります。
実際の飲み方・組み合わせ方
研究データを踏まえた、最も実用的な飲み方を紹介します。
おすすめの飲み方
- トレーニング後:プロテインシェイク(ホエイ25〜30g)にクレアチン5gを混ぜる。バナナなど糖質も加えるとクレアチンの取り込みがさらに向上
- 休息日:食後にプロテインシェイク+クレアチン5g。食事に含まれる糖質とタンパク質がインスリンを分泌させるので、空腹時よりも効率的
混ぜ方のポイント
- 順番:シェイカーに水や牛乳を入れ、プロテインとクレアチンを一緒に入れてから振る
- 溶かし方:クレアチンは冷水では溶けにくいため、常温〜ぬるま湯がおすすめ。プロテインシェイクに混ぜれば溶け残りは気にならない
- 作り置きはNG:混ぜたら早めに飲む。前日の作り置きはクレアチンの分解が進むため避ける
避けたい飲み方
- 空腹時にクレアチンだけ水で飲む:インスリン分泌がないため吸収効率が下がる。また胃腸への刺激が強く、お腹を壊しやすい
- 1日分をまとめて飲む:クレアチンもプロテインも、分割して摂取したほうが効率的
私のルーティンはトレーニング後にホエイ25g+クレアチン5g+バナナ1本をシェイカーで混ぜて飲むこと。これを10年以上続けています。休息日は朝食後にプロテイン+クレアチンをまとめて摂ります。「いつ飲むか」より「飲み忘れない仕組み」を作るほうがずっと大事です。
どちらか一つなら、どちらを優先すべきか
予算やサプリメントの数を減らしたい場合、どちらを優先すべきかはトレーニングの目的と食事内容で決まります。
プロテインを優先すべきケース
- 食事だけで十分なタンパク質(体重×1.6〜2.2g)を摂れていない方:筋肉の材料が不足している状態では、クレアチンでトレーニング強度を上げても成長に限界がある
- 筋トレを始めたばかりの方:まずはタンパク質の確保が最優先。クレアチンは後から追加しても十分
クレアチンを優先すべきケース
- 食事で十分なタンパク質を確保できている方:鶏胸肉・卵・魚などでタンパク質が足りているなら、プロテインパウダーなしでもクレアチンの恩恵は得られる
- パフォーマンス(筋力・パワー)を重視する方:高強度トレーニングの質を直接改善するクレアチンの効果は、プロテインでは得られない
最も効果的なのは併用
Burkeら(2001)の研究が示す通り、クレアチン+プロテインの併用がどちらか単体より優れた結果を出しています。コスト面でも、クレアチンは月300〜600円程度と非常に安価なため、プロテインにクレアチンを追加するのが最もコスパの高い選択です。
よくある質問
Q. クレアチンとプロテインを同時に飲むと胃に負担がかかる?
一般的な量(プロテイン25〜30g+クレアチン5g)であれば問題ありません。ただし、ローディング期のクレアチン(1回5g×4回)をすべてプロテインと一緒に摂ると、1日のタンパク質量が過剰になる可能性があります。ローディング期は食事のタイミングに合わせて分散させましょう。ローディングの詳細は クレアチンのローディングとは?必要か不要かを最新研究で徹底解説 をご覧ください。
Q. プロテインバーにクレアチンを足す意味はある?
プロテインバーにはタンパク質と糖質が含まれているため、理論的にはインスリンを介したクレアチン吸収の促進が期待できます。ただし、クレアチンは粉末でバーに「足す」のは難しいため、別途水で飲むほうが現実的です。
Q. ソイプロテインでもクレアチンとの相乗効果はある?
上記の研究はホエイプロテインを使用したものですが、クレアチン吸収を促進するのはインスリン分泌です。ソイプロテインもインスリン分泌を刺激するため、同様の効果が期待できます。プロテインの種類よりも、糖質と一緒に摂ることのほうが重要です。
Q. クレアチン入りプロテインを買えば楽?
市販の「クレアチン配合プロテイン」は便利ですが、クレアチンの含有量が1回あたり1〜2gと少ない製品が多いです。推奨量の3〜5gに達しない場合があるため、別々に買って自分で混ぜるほうが確実で経済的です。自分に最適な量を計算したい方は クレアチン摂取量計算ツール【ローディング期・維持期を自動計算】 をご活用ください。
まとめ
- クレアチンとプロテインは役割が違う:プロテインは筋肉の材料、クレアチンはトレーニングの燃料補助。競合しないため併用が理想
- 混ぜて飲んでOK:作ってすぐ飲めば安定性に問題なし。吸収が阻害されることもない
- 一緒に飲むと吸収が向上する:プロテイン+糖質によるインスリン分泌で、クレアチンの筋肉への取り込みが約25%向上(Steenge et al., 2000)
- 併用で筋力・除脂肪体重にも相乗効果:6週間のRCTで、ホエイ+クレアチンがホエイ単体を上回る結果(Burke et al., 2001)
- 最も手軽な方法:トレーニング後のプロテインシェイクにクレアチン5gを混ぜる。飲み忘れ防止にもなる
クレアチンとプロテインは、筋トレする人にとって最もエビデンスが豊富な2つのサプリメントです。別々に飲む理由はなく、一緒に飲むことでむしろ効果が高まります。シェイカーに粉を2つ入れて振るだけ——それが最もシンプルで、最も科学的に合理的な方法です。
【次に読むべきおすすめ記事】
クレアチンとプロテインの組み合わせが決まったら、飲み方の詳細を確認しましょう。
- クレアチンの効果・基本情報を知りたい → クレアチンとは? | エビデンス最強のサプリメント
- 飲むタイミング・水の量・溶かし方を知りたい → クレアチンの飲み方・飲むタイミングを徹底解説【筋トレ前?後?寝る前?】
- ローディングが必要か判断したい → クレアチンのローディングとは?必要か不要かを最新研究で徹底解説
- 体重に合った摂取量を計算したい → クレアチン摂取量計算ツール【ローディング期・維持期を自動計算】
参考文献
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Green AL, Hultman E, Macdonald IA, Sewell DA, Greenhaff PL. Carbohydrate ingestion augments skeletal muscle
creatine accumulation during creatine supplementation in humans.
American Journal of Physiology. 1996;271(5 Pt 1):E821-826.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8944667/ -
Steenge GR, Simpson EJ, Greenhaff PL. Protein- and carbohydrate-induced augmentation of whole body creatine
retention in humans.
Journal of Applied Physiology. 2000;89(3):1165-1171.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10956365/ -
Burke DG, Chilibeck PD, Davidson KS, Candow DG, Farthing J, Smith-Palmer T. The effect of whey protein
supplementation with and without creatine monohydrate combined with resistance training on lean tissue mass
and muscle strength.
International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism. 2001;11(3):349-364.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11591884/ -
Cribb PJ, Williams AD, Stathis CG, Carey MF, Hayes A. Effects of whey isolate, creatine, and resistance
training on muscle hypertrophy.
Medicine and Science in Sports and Exercise. 2007;39(2):298-307.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17277594/ -
Cribb PJ, Hayes A. Effects of supplement timing and resistance exercise on skeletal muscle hypertrophy.
Medicine and Science in Sports and Exercise. 2006;38(11):1918-1925.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17095924/
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この記事を書いた人
フィット
- 2014年7月 筋トレスタート(歴10年)
- 2018年5月 パーソナルトレーナースタート(歴7年)
- 2019年6月 社内で最速級の速さで店長へ就任
- 2020年4月 フリーランスパーソナルトレーナーとして独立
- 2022年7月 株式会社FITONLINE設立
- 2026年3月 FitOnline Labを開発。2,000以上のフィットネス関連論文を査読。
- 2026年6月 FitOnlineで試飲したプロテイン24ブランド・235フレーバー
- パーソナルトレーナーとして最高月収150万円達成
- 実際に飲んで試してきたプロテインの種類50種類以上、サプリメント30種以上
- ANYTIME、JOYFIT、FASTGYM、ゴールドジム、FIT PLACE、東急スポーツオアシスなど計10以上の大手ジム利用経験あり
- 通算1,000名以上のお客様へカウンセリング・セッション
- お客様の最高減量幅34kg
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