クレアチンを多く含む食べ物一覧|食事だけで必要量を摂れるか計算してみた
「クレアチンはサプリで摂るもの」というイメージが強いかもしれませんが、実はクレアチンは肉や魚に自然に含まれている成分です。普段の食事からもある程度は摂取しています。
では、食事だけで十分な量を摂れるのか?結論から言うと、一般的な食生活で摂取できるクレアチンは1日1〜2g程度。筋肉内の濃度を最大化するために推奨される3〜5gには、食事だけではまず届きません。この記事では、主な食品のクレアチン含有量を一覧表で示し、なぜサプリメントが合理的な選択肢になるのかを数字で明らかにします。
※食べ物の話の前に、クレアチンの効果や基本情報をおさらいしたい方は、先に クレアチンとは? | エビデンス最強のサプリメント をご覧ください。
クレアチンを多く含む食べ物一覧
クレアチンは動物性食品に多く含まれています。以下は主な食品のクレアチン含有量です(生の状態での値)。
食品別クレアチン含有量(生100gあたり)
| 食品 | クレアチン含有量(100gあたり) | 備考 |
|---|---|---|
| ニシン | 0.65〜1.0g | 食品中で最も多い |
| 豚肉 | 0.5g | 部位による差は小さい |
| 牛肉 | 0.45g | 赤身肉に多い |
| サーモン(鮭) | 0.45g | 刺身で摂るとロスが少ない |
| マグロ | 0.4g | 刺身・寿司でも摂取可能 |
| タラ | 0.3g | 白身魚の中では多め |
| 鶏肉 | 0.3〜0.4g | 牛・豚よりやや少ない |
| カレイ | 0.2g | — |
| 牛乳 | 0.01g | 乳製品は微量 |
| 野菜・果物 | 微量〜なし | 植物性食品にはほぼ含まれない |
(出典:Balsom et al., 1994; Wu, 2020; Kreider et al., 2017)
見ての通り、クレアチンを多く含む食品は肉と魚に集中しています。植物性食品にはほぼ含まれておらず、乳製品にもごく微量しかありません。
食品中のクレアチンの特徴
上の表を見る際に知っておくべきポイントがあります。
- 表の数値は「生」の状態:加熱調理するとクレアチンの一部が分解されるため、実際の摂取量は表の値より少なくなります(詳しくは次のセクションで解説)
- 含有量には個体差がある:同じ牛肉でも、飼育環境や部位によって含有量に差があります。表の数値はあくまで目安です
- クレアチンは筋肉に蓄積される成分:動物の筋肉(=肉)に多いのは当然で、内臓や脂肪部分には少ない傾向があります
加熱調理でクレアチンはどれだけ減るのか
食品中のクレアチンは加熱に弱いという性質があります。加熱するとクレアチンの一部がクレアチニン(生理活性を持たない代謝産物)に変換されます。
調理法による影響
Purchasらの研究(2006)では、肉を加熱調理すると内部のクレアチンがクレアチニンに変換されることが確認されています。特に高温・長時間の調理ほど変換率が高くなります。
- 表面部分:直接火が当たる表面では、クレアチンのクレアチニンへの変換が大きい
- 内部(芯温):中心部は比較的クレアチンが残りやすい
- 調理汁への流出:クレアチンは水溶性のため、煮汁やドリップにも溶け出す
調理法ごとの影響度の目安
| 調理法 | クレアチンへの影響 | ポイント |
|---|---|---|
| 生食(刺身・寿司) | ほぼ損失なし | 最もクレアチンを効率よく摂れる |
| レア〜ミディアムレアの焼き | 少ない | 中心部のクレアチンが残りやすい |
| ウェルダンの焼き | やや多い | 高温・長時間でクレアチニンへの変換が進む |
| 煮込み | 多い | クレアチニンへの変換+煮汁への溶出のダブル損失 |
| 揚げ物 | やや多い | 高温調理のためクレアチニン変換が進みやすい |
ただし、「クレアチンを残すために肉を生で食べるべき」という話ではありません。食品衛生の観点から、肉は適切に加熱調理してください。クレアチンの摂取量を最大化したいなら、調理法を工夫するよりサプリメントを使うほうがはるかに効率的です。
刺身好きの私としては「マグロの刺身はクレアチンを効率よく摂れる」という事実はちょっと嬉しいです。とはいえ、マグロの刺身100gで摂れるクレアチンは約0.4g。サプリ1スプーン(5g)と同じ量を刺身で摂ろうとすると、約1.25kg。さすがに毎日は無理ですね。
食事だけでクレアチンの必要量を摂れるか?
ここが最も重要なセクションです。「食事だけで必要量を摂れるなら、サプリはいらないのでは?」という疑問に、具体的な数字で答えます。
1日に必要なクレアチン量
体内のクレアチンは毎日約1〜2%が代謝されてクレアチニンとして排泄されます(Kreider et al., 2017)。体内のクレアチン総量が約120gの場合、1日あたり約1〜2gが失われる計算になります。
- 体内合成:肝臓・腎臓・膵臓で1日約1〜2gが合成される(Kreider et al., 2017; Wu, 2020)
- 食事から:通常の食生活で1日約1〜2gを摂取
- 合計:体内合成+食事で1日約2〜4g → 代謝で失われる分は補えるが、筋内濃度の飽和には遠い
つまり、通常の食事では筋肉内クレアチン濃度を「維持する」のがやっと。サプリメントで推奨される3〜5g/日は、筋肉内濃度を最大化(飽和レベル)するための量であり、食事だけでこの量に到達するのは現実的ではありません。
具体的にどれだけ食べれば5g摂れるか
メンテナンス摂取量(1日5g)をすべて食事から摂る場合、以下の量が必要です。
| 食品 | 5g摂取に必要な量(生) | 現実的か? |
|---|---|---|
| ニシン | 約500〜770g | 毎日は非現実的 |
| 牛肉(赤身) | 約1.1kg | 非現実的(コスト・カロリーも過大) |
| 豚肉 | 約1.0kg | 非現実的 |
| マグロ | 約1.25kg | 非現実的 |
| 鶏むね肉 | 約1.4〜1.7kg | 非現実的 |
しかも上記は生の状態での計算です。加熱調理でクレアチンの一部が失われることを考慮すると、さらに多くの量が必要になります。
コスト比較:食事 vs サプリメント
経済的な面でも比較してみましょう。
| 摂取方法 | 1日5gのコスト目安 | 月間コスト |
|---|---|---|
| 牛肉(赤身)で摂取 | 約2,200〜3,300円(1.1kg分) | 約66,000〜99,000円 |
| 鶏むね肉で摂取 | 約700〜1,000円(1.5kg分) | 約21,000〜30,000円 |
| クレアチンモノハイドレート | 約10〜20円(5g分) | 約300〜600円 |
サプリメントなら月300〜600円。食事から同量を摂ろうとすると、最も安い鶏むね肉でも月2万円以上。コストパフォーマンスの差は圧倒的です。
パーソナルトレーナーとしてお客様に栄養指導をする中で、「サプリに抵抗がある」「できれば食事から摂りたい」という声は本当に多いです。その気持ちはよくわかります。でもクレアチンに関しては、食事だけで必要量を満たすのは物理的に無理がある。牛肉1kgを毎日食べ続けるのはコスト的にもカロリー的にも現実的じゃありません。クレアチンモノハイドレートは合成品ですが、安全性は数千件の研究で裏付けられています。「食事で摂れないものはサプリで補う」というシンプルな考え方で大丈夫です。
ベジタリアン・ヴィーガンとクレアチン
植物性食品にはクレアチンがほぼ含まれていないため、ベジタリアンやヴィーガンの方は食事からのクレアチン摂取量がほぼゼロになります。この点は栄養戦略を考えるうえで非常に重要です。
ベジタリアン・ヴィーガンの体内クレアチン濃度
Kavianiら(2020)のシステマティックレビューによれば、ベジタリアンの筋肉内クレアチン濃度は雑食者(肉を食べる人)と比べて低い傾向があると報告されています。体内でもクレアチンは合成されますが、食事からの供給がゼロだと、体内合成だけでは最適な濃度を維持しにくいのです。
サプリメント補給による反応の可能性
興味深いことに、Kavianiら(2020)のシステマティックレビューでは、ベジタリアンへのクレアチン補給により以下のような効果が報告されています。なお、ベジタリアンと雑食者でサプリメント効果の差があるかについては研究結果が一致しておらず、「効果が大きい」と言い切れるわけではない点には注意が必要です。
- 除脂肪体重・筋力の増加:ベジタリアンでも雑食者と同様に、除脂肪量・Type II線維断面積・筋力・筋持久力・Wingateテスト平均パワーの向上が確認されている
- 認知機能:ベジタリアンでは記憶力・知能など脳機能の改善も報告されている
- 補給の意義:ベースラインの筋クレアチン濃度が低い分、補給によって不足を埋める意味合いが大きい
2025年に発表されたBonneらの二重盲検RCTでも、ヴィーガン・ベジタリアンに対する7日間のクレアチン補給(0.3g/kg/日)で筋肉内クレアチン濃度が有意に上昇することが確認されています。ただし、ホスホクレアチンやスプリントパフォーマンスには有意な変化が見られず、筋クレアチンの上昇が短期的なパフォーマンス向上に直結するとは限らない点も示されました(Bonne et al., 2025)。
ヴィーガンのサプリ選びの注意点
クレアチンモノハイドレート自体はサルコシンとシアナミドから化学合成されるため、原料に動物由来の成分は含まれていません。ヴィーガンの方でも安心して使用できます。ただし、カプセルタイプのサプリメントはゼラチン(動物由来)のカプセルを使用している場合があるため、パウダータイプを選ぶのが確実です。
※ベジタリアンやビーガンは食事由来のクレアチン摂取量が少ないため、筋内クレアチン濃度がやや低い傾向があり、サプリメント補給による反応が出やすい可能性が指摘されています。筋力・筋肉量への効果に加え、認知機能の改善が報告された研究もありますが、雑食者との差については結果が一致していない点に留意してください。
クレアチンの体内合成について
「食事から摂れなくても、体内で作れるなら問題ないのでは?」と思った方もいるかもしれません。クレアチンの体内合成についても確認しておきましょう。
体内合成の仕組み
クレアチンは体内で以下の3つのアミノ酸から合成されます(Kreider et al., 2017)。
- アルギニン
- グリシン
- メチオニン
合成は主に腎臓・肝臓・膵臓で行われ、1日あたり約1〜2gが生成されると報告されています(Kreider et al., 2017; Wu, 2020)。なお、クレアチン摂取が腎臓に負担をかけるのではという不安については クレアチンの副作用【はげる・腎臓・下痢】は本当か?実体験とエビデンスで徹底解説 で詳しく解説しています。
体内合成だけでは不十分な理由
- 合成量は約1〜2g/日(Kreider et al., 2017; Wu, 2020):定常状態では代謝で失われる量とほぼ釣り合うが、筋肉内濃度を「飽和」させるには不十分
- 筋肉内濃度を最大化できない:体内合成+通常の食事では、筋肉のクレアチン貯蔵量を飽和レベル(通常より20〜40%高い状態)に到達させることはできない
- 合成にはメチオニンが消費される:クレアチン合成は体内のメチル基供給量の約40%を消費するとされている。サプリメントでクレアチンを直接補給すれば、この合成負担を軽減できる可能性がある(Brosnan et al., 2011)
つまり、体内合成は「生きるために必要な最低限」を満たす仕組みであり、トレーニングの効果を最大化するための量には到底足りません。
よくある質問
Q. クレアチンが多い食べ物を毎日食べていればサプリはいらない?
いいえ。通常の食事から摂取できるクレアチンは1日0.5〜2g程度で、筋肉内濃度を最大化するために推奨される3〜5gには届きません。食事からの摂取は「ベースライン」として重要ですが、パフォーマンスを最大化したい場合はサプリメントの併用が合理的です。
Q. 鶏むね肉を大量に食べている場合、クレアチンの追加は不要?
鶏むね肉100gに含まれるクレアチンは約0.3〜0.4g。しかも加熱調理で一部が失われます。仮に毎日300g食べていても、そこから摂取できるクレアチンは加熱後で0.7〜0.9g程度。サプリメント5gとは比較になりません。鶏むね肉をたくさん食べているからといって、サプリメントの代わりにはなりません。
Q. プロテインにはクレアチンが含まれている?
ホエイプロテインの原料は牛乳ですが、製造過程でクレアチンはほとんど除去されます。プロテインパウダーに含まれるクレアチン量は無視できるレベルです。プロテインとクレアチンは別々に摂取する必要がありますが、混ぜて飲むことで吸収効率が向上します。詳しくは クレアチンとプロテインは一緒に飲んでいい?混ぜる効果と正しい飲み方 をご覧ください。
Q. 肉をたくさん食べる人はクレアチンサプリの効果が小さい?
可能性は指摘されています。Kreiderら(2017)のISSNポジションスタンドでも、ベースラインの筋クレアチン濃度が低い人ほどサプリメントによる上昇幅が大きい傾向が示唆されています。ただし、ベジタリアンと雑食者でパフォーマンス改善の差が出るかについては研究結果が一致しておらず、「肉を食べる人は効果が小さい」と言い切れるわけではありません。肉をよく食べる人でも、サプリメントで飽和レベルまで引き上げる効果は確認されています。
まとめ
- クレアチンは肉・魚に多く含まれる:ニシン(0.65〜1.0g/100g)、牛肉(0.45g/100g)、マグロ(0.4g/100g)が代表的。植物性食品にはほぼ含まれない
- 加熱調理で一部が失われる:クレアチンは熱でクレアチニンに変換される。生食(刺身)が最もロスが少ない
- 食事だけで推奨量(3〜5g/日)に到達するのは非現実的:牛肉なら1.1kg、マグロなら1.25kgが必要(生の状態で)
- サプリメントはコスト面でも圧倒的に合理的:月300〜600円で推奨量を確保できる
- ベジタリアン・ヴィーガンはサプリ補給の意義が大きい可能性:食事からの摂取がゼロに近く、筋内クレアチン濃度がやや低い傾向があるため、補給による反応が出やすい可能性が指摘されている
食事からクレアチンを「ゼロにしない」ことは大切ですが、パフォーマンスを最大化するなら、食事+サプリメントの組み合わせが最も現実的で効果的なアプローチです。
【次に読むべきおすすめ記事】
クレアチンを含む食べ物を把握したら、次はサプリメントでの効果的な摂り方を押さえましょう。
- クレアチンの効果・基本情報を知りたい → クレアチンとは? | エビデンス最強のサプリメント
- プロテインと一緒に飲む効果・混ぜ方を知りたい → クレアチンとプロテインは一緒に飲んでいい?混ぜる効果と正しい飲み方
- はげる・腎臓・下痢の副作用を確認したい → クレアチンの副作用【はげる・腎臓・下痢】は本当か?実体験とエビデンスで徹底解説
- 体重に合った摂取量を計算したい → クレアチン摂取量計算ツール【ローディング期・維持期を自動計算】
参考文献
-
Kreider RB, et al. International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine
supplementation in exercise, sport, and medicine.
Journal of the International Society of Sports Nutrition. 2017;14:18.
https://jissn.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12970-017-0173-z -
Balsom PD, Söderlund K, Ekblom B. Creatine in humans with special reference to creatine supplementation.
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https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7817065/ -
Purchas RW, Busboom JR, Wilkinson BHP. Changes in the forms of iron and in concentrations of taurine, carnosine,
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Meat Science. 2006;74(3):443-449.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22063048/ -
Kaviani M, Shaw K, Chilibeck PD. Benefits of creatine supplementation for vegetarians compared to omnivorous
athletes: a systematic review.
International Journal of Environmental Research and Public Health. 2020;17(9):3041.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7246861/ -
Brosnan JT, da Silva RP, Brosnan ME. The metabolic burden of creatine synthesis.
Amino Acids. 2011;40(5):1325-1331.
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https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7088015/ -
Bonne TC, Arthemalle V, Doherty CS, et al. Muscle creatine levels and sprint performance in young adult vegans and
vegetarians after 7 days of creatine monohydrate supplementation.
Physiological Reports. 2025.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40939139/
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この記事を書いた人
フィット
- 2014年7月 筋トレスタート(歴10年)
- 2018年5月 パーソナルトレーナースタート(歴7年)
- 2019年6月 社内で最速級の速さで店長へ就任
- 2020年4月 フリーランスパーソナルトレーナーとして独立
- 2022年7月 株式会社FITONLINE設立
- 2026年3月 FitOnline Labを開発。2,000以上のフィットネス関連論文を査読。
- 2026年6月 FitOnlineで試飲したプロテイン24ブランド・235フレーバー
- パーソナルトレーナーとして最高月収150万円達成
- 実際に飲んで試してきたプロテインの種類50種類以上、サプリメント30種以上
- ANYTIME、JOYFIT、FASTGYM、ゴールドジム、FIT PLACE、東急スポーツオアシスなど計10以上の大手ジム利用経験あり
- 通算1,000名以上のお客様へカウンセリング・セッション
- お客様の最高減量幅34kg
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