カフェインの副作用|動悸・血圧上昇・過剰摂取の安全ライン徹底解説
「筋トレ前にカフェイン錠を飲んだら心臓バクバク」「コーヒー2杯目から手が震えた」「夜眠れない」。動悸や不眠はカフェインのせいですが、原因は量だけではありません。同じ量でも副作用が出る人と出ない人がいます。1日400mgが安全と言える根拠から運動者の目安まで、最新研究で解説します。
筆者は筋トレ歴12年・トレーナー歴8年で、これまで1,000名以上の運動指導をしてきた中で、カフェイン感受性の個人差を数えきれないほど目撃してきました。
※本記事は学術研究の紹介を目的としたもので、医療行為や治療を推奨するものではありません。動悸・血圧上昇・強い不安・心拍異常などの症状がある方、心疾患・不整脈・高血圧・不安障害の既往がある方、妊娠中・授乳中の方は、自己判断でカフェイン摂取量を調整せず、必ず主治医にご相談ください。
※副作用の話に入る前に、カフェインの運動効果や安全な量・タイミングの基本を確認したい方は、先に カフェイン×筋トレ完全ガイド|効果・量・タイミング・副作用 をご覧ください。
カフェインで副作用が出る仕組み【まずは体内での働きを理解】
カフェインの副作用を正しく理解するには、まず体内で何が起きているかを知る必要があります。動悸も不眠も、すべて同じ仕組みから説明できます。
眠気物質をブロックする働き
カフェインの主な作用は、脳内の「アデノシン」という眠気物質をブロックすることです(Cappelletti 2015)。アデノシンが受容体にくっつくと眠気や疲労感が出るのですが、カフェインは形が似ているためアデノシンの居場所を奪い、結果として眠気が消え覚醒感が高まります。
同時に、ブレーキ役のアデノシンが外れることで、興奮を高める神経(交感神経)の働きが強まります。これが心拍数の増加・血圧上昇・手の震えといった「副作用」の正体です。つまり覚醒作用と副作用は表裏一体であり、効きが強い人ほど副作用も出やすいのです。
効果が出るまでと続く時間(半減期およそ5時間)
カフェインは飲んでからコーヒーで30〜60分、純カフェイン錠で45〜90分でピークに達し、健康成人での半減期はおよそ5時間(個人差で2〜10時間)です。半減期とは、血中のカフェイン濃度が半分になるまでの時間のことです。
- 15時に200mg飲んだ場合:18〜20時にまだ100mg分が体内に残っている
- 就寝6時間前を目安:寝る前に50mg以下まで減らすには6時間ほどの猶予が必要
- 個人差が大きい:遺伝子(CYP1A2)によって半減期が2倍以上違う人もいる
「夕方コーヒーを飲んだら眠れなくなった」というのは、半減期から見れば当然の反応です。
カフェインの主な副作用症状【動悸・不眠・震えの正体】
カフェインの副作用として一般的に報告される症状を、起きる仕組みと一緒に整理します。一つひとつは怖いものではありませんが、重なって出るときは摂取量を見直すサインです。
動悸・心拍数増加(心臓バクバク)
カフェインを飲んで30分〜1時間で胸がドキドキする感覚は、交感神経が興奮を高め、心臓の収縮力と心拍数が一時的に上がっているためです。健康成人なら通常は心配のない反応で、3〜5時間で自然に治まります。
ただし1回の摂取で200mgを超えると動悸が強く出やすくなり、空腹時はさらに吸収が早まります。後述するエナジードリンクのように糖質と一緒に大量摂取すると、心拍数増加が顕著になることが報告されています(Gualberto 2024)。
血圧上昇
カフェインは飲んだ直後から血圧を上げます。200〜300mgの急性投与で収縮期血圧が約8mmHg、拡張期血圧が約6mmHg上がり、その上昇は3時間以上続くことが、高血圧の人を含む大規模な研究のまとめ(Mesas 2011)で示されています。
純カフェインを習慣的に飲み続けた場合の研究のまとめ(Noordzij 2005、平均410mg/日)では、収縮期+4.16mmHg、拡張期+2.41mmHgの上昇が確認されています。健康成人での影響は限定的ですが、高血圧治療中の人は無視できない数字です。
不眠・睡眠の質低下
夜眠れなくなる、眠れても深く眠れないのもカフェインの定番の副作用です。複数の研究をまとめた分析(Clark 2017)では、カフェインによって寝付きが遅くなる・総睡眠時間が短くなる・深い睡眠(徐波睡眠)が減ることが繰り返し示されています。
「自分は寝る前にコーヒーを飲んでも眠れる」という人もいますが、寝付けても睡眠の質は下がっている可能性が高いです。回復・筋肥大の観点でもカフェインの夜間摂取は避けたいところです。
頭痛・めまい
カフェインは血管を収縮させる作用が報告されています。普段カフェインを飲んでいる人が突然摂取をやめると、血管が反動で広がり片頭痛のような頭痛が出ることがあります(離脱症状)。一方で、空腹時の高用量摂取で立ちくらみや軽いめまいを訴える人もいます。
不安・イライラ・手の震え
「カフェイン1杯で不安になる」「手が震える」のは、遺伝子による感受性差の可能性が高いです。健康な大学生を対象にした研究(Childs 2008)では、150mgのカフェインを飲ませたとき、ADORA2Aという遺伝子の特定の型を持つ人だけ不安症状が強く出たことが報告されています。同じ150mgでも、人によって全く違う反応が起きるのです。
吐き気・下痢などの消化器症状
カフェインは胃酸の分泌を促し、腸の動きを活発化させます。空腹時の摂取で胃のムカつき、コーヒーを飲むと便意を催すといった反応はこの作用のためです。コーヒーには酸味成分や他のポリフェノールも含まれるので、純カフェイン錠と比較して胃への刺激は人によって異なります。
20代の頃、海外サプリの200mgカフェイン錠を朝1錠飲んだ後、ジムでプレワークアウト(カフェイン300mg含有)を重ねたことがありました。合計500mg。トレーニング中に心臓バクバク、手は震え、その夜は明け方まで一睡もできず、翌日は頭痛と吐き気で1日寝込みました。健康成人の安全上限「1日400mg」を超えると、本当にこうなります。それ以来、サプリ表示のカフェイン量は必ずチェックする習慣がつきました。
動悸・めまい・胃のムカつきは、いずれも空腹時に出やすいのが共通点です。とくに減量期は朝の空腹で運動前にカフェインを入れる場面が多く、低血糖と動悸が重なりやすい時期です。減量期の体重別量設計(3mg/kgで十分)・朝のファスト有酸素で低血糖を避けるプロトコル・「カフェイン単体では痩せない」前提を含む安全運用は カフェインはダイエットに使える?脂肪燃焼の仕組みと減量期の活用法を13研究で整理 で詳しく扱っています。
過剰摂取の閾値【1日400mgが安全上限の根拠】
「1日400mgまで」という基準を一度は耳にしたことがあるはずです。これは公的機関が複数の研究を踏まえて設定した、健康成人の安全な上限の目安です。
FDA・EFSA・Nawrot 2003の400mg基準
カナダ保健省の専門家が膨大な研究をまとめたレビュー(Nawrot 2003)では、健康成人で1日400mgまでなら有害な健康影響は確認されないと結論されました。米国FDA、欧州食品安全機関(EFSA)、日本の農林水産省もこれを根拠に同じ400mg/日という基準を採用しています。
2017年に発表された後追いの大規模レビュー(Wikoff 2017)でも、健康成人400mg/日・妊婦300mg/日・子ども体重1kgあたり2.5mg/日という基準が再確認されています。
急性中毒は短時間1〜3gから
「上限は400mg」と聞くと、500mgで中毒になるのかと不安になりますが、急性中毒の閾値はもっと上です。一般的には短時間に1g(1,000mg)以上を一気に摂取すると、強い動悸・嘔吐・震え・不安発作などの中毒症状が出ると報告されています。
致死量5〜10gの目安
毒性学のレビュー(Cappelletti 2015)では、致死量は健康成人でおよそ5〜10gとされています。コーヒー換算で60〜100杯を一気に飲む量に相当し、通常の飲料からは事実上到達しません。問題になるのはカフェイン錠剤・パウダー・濃縮エナジーショットの誤用で、実際に死亡事例も報告されています。粉末カフェインは特に危険で、小さじ1杯(5g前後)が致死量に達する可能性があります。
飲料・サプリ別カフェイン量一覧
「自分が今日どれくらい摂っているか」を把握するのが副作用予防の第一歩です。代表的なカフェイン量を整理しました。
- ドリップコーヒー(150ml):60〜90mg
- インスタントコーヒー(150ml):約60mg
- エスプレッソ(30ml):約60〜80mg
- 紅茶(150ml):約30mg
- 緑茶(150ml):約20mg
- ほうじ茶・玄米茶(150ml):約20mg
- 玉露(150ml):約160mg(玉露は要注意)
- エナジードリンク(250ml缶):80mg前後
- 大容量エナジードリンク(500ml缶):140〜160mg
- コーラ(350ml):約35mg
- カフェイン錠剤(1錠):100〜200mg
- プレワークアウトサプリ(1回分):150〜400mg(製品差大)
意外に見落とされがちなのが玉露です。コーヒー以上のカフェイン量があるため、夕食後の玉露で眠れなくなるケースは少なくありません。
動悸・血圧上昇は本当に危険?【最新研究で見るリスク】
「カフェインは心臓に悪い」という古いイメージがありますが、最新研究では健康成人へのリスクは限定的、ただし条件によっては注意が必要、というのが共通見解です。
1〜3杯/日のコーヒーで高血圧リスクは微増
長期的な観察研究をまとめた大規模分析(Zhang 2011)では、コーヒー摂取と高血圧発症リスクの関係は逆J字型を示しました。つまり、まったく飲まない人と比較して、1〜3杯/日でリスクは微増(RR 1.09)、3〜5杯/日(RR 1.07)、5杯超/日(RR 1.08)と、摂取量を増やしてもリスクの上がり方は頭打ちになります。
摂取量別の影響をまとめた最新の分析(Abbas-Hashemi 2023)では、全体平均では血圧上昇は約2mmHgと小さい結果でした。一方で400mg/日を超える摂取や9週間を超える長期摂取では拡張期・収縮期の両方で有意な上昇が確認されています。健康成人で常識の範囲なら気にしすぎる必要はないものの、400mgを毎日超えるなら見直したほうがよい、というラインです。
心房細動リスクは増えない
「カフェインで不整脈が悪化する」という長年の通説は、最新の研究では覆されています。摂取量別のリスクをまとめた最新の研究(Cao 2022)では、コーヒー1杯/日の追加で心房細動の発症リスクはむしろ微減(RR 0.98)という結果でした。
ただし、すでに心房細動・不整脈の診断を受けている人、薬物治療中の人については、医師の指示が最優先です。
エナジードリンクは急性血圧上昇が大きい
同じカフェイン量でも、エナジードリンクは血圧への影響がコーヒー以上に大きく出ます。健康成人でのエナジードリンク急性摂取の研究をまとめた最新解析(Gualberto 2024)では、飲んでから60〜80分で収縮期血圧が約4.7mmHg、120分時点で拡張期血圧が約4.5mmHg上昇しました。
エナジードリンクにはタウリン・ガラナ・大量の糖質などが含まれ、カフェイン単独より体への負荷が大きい可能性があります。「コーヒーは平気だがエナジードリンクで動悸する」のは気のせいではありません。
高血圧の人と常飲者では反応が違う
同じ200mgでも反応が違う理由の一つが「慣れ」です。普段からカフェインを飲んでいる人は受容体が増えており、急性の血圧上昇はカフェインに慣れていない人の半分以下になることが知られています(耐性)。一方、高血圧治療中の方では血圧の振れ幅が問題になりやすく、自己判断ではなく主治医と相談しながら摂取量を決めるのが安全です。
もう一つ見落とされがちなのが飲酒との重ね飲みです。エナジードリンク+酒の同時摂取は飲酒量を増やす方向に働き、急性アルコール中毒のリスクと血圧変動が同時に立ち上がります。飲酒翌日に「迎え酒のコーヒー」で運動するパターンも、選択反応時間が戻らないまま最大筋力が34〜40%低下した状態で動くことになりケガのリスクが上がります。運動者向けの飲酒翌日プロトコルとAmED(エナドリ+酒)の判断フローは カフェインとアルコール|飲酒翌日のトレ・エナドリ+酒のリスクを整理 で時系列に整理しています。
副作用が強く出る体質を見極める【遺伝子と感受性】
「友人は3杯飲んでも平気なのに、自分は1杯で動悸がする」。この差は気合や慣れの問題ではなく、遺伝子による生まれつきの違いが大きく関係しています。動悸・不安・不眠が強く出やすい体質を、自分のなかで見極めておくのが副作用を避ける最大のコツです。
CYP1A2遺伝子と代謝スピード
カフェインを分解する主な酵素はCYP1A2と呼ばれ、この遺伝子の型によってカフェインの分解速度が2倍以上違うことが知られています。
- 速い代謝タイプ:CYP1A2活性が高く、カフェインが体から早く抜ける。副作用が出にくく、運動パフォーマンスへの効果も大きい傾向
- 遅い代謝タイプ:CYP1A2活性が低く、カフェインが長く残る。少量でも動悸・不眠が出やすく、運動パフォーマンスへの効果も弱い傾向
ADORA2A遺伝子と不安・覚醒感
もう一つ重要なのがADORA2Aです。カフェインがブロックする受容体そのものの遺伝子で、特定の型の人はカフェインで不安症状が強く出やすいことが研究で示されています(Childs 2008)。同じ150mgで、ある人はキリッと集中、別の人は強い不安と動悸、という極端な差はこの遺伝子で説明できます。
「自分は速い代謝?遅い代謝?」セルフチェック
正確には遺伝子検査が必要ですが、日常の体感である程度推測できます。
- 速い代謝の可能性:1日3杯以上飲んでも平気、夕方コーヒーでも眠れる、エナジードリンクで動悸しない
- 遅い代謝の可能性:1杯で動悸する、午後のコーヒーで夜眠れない、コーヒー1杯で4〜6時間覚醒感が続く
1,000名以上の指導現場で見てきた限り、コーヒー1杯で動悸が出る人と3杯飲んでも平気な人は確実に存在します。「自分はどちらか」を体感で把握しておくのが、副作用を避ける最大のコツです。CYP1A2のAA/AC/CC型やADORA2A T/T型ごとの効き方の違い、4タイプ早見表、自分のタイプの判定ステップは カフェインが効かない・効きすぎるのはなぜ?体質と遺伝子で決まる個人差を解説 で詳しく整理しています。
飲みすぎたときの対処法【時系列プロトコル】
うっかり飲みすぎて動悸・震え・不安が出たときの対処を、時系列で整理します。健康成人での目安であり、症状が強い場合や持病がある方は迷わず医療機関に連絡してください。
0〜1時間:水分補給と横臥
動悸や震えが出始めたら、まず静かな場所に横になること。立ったままだと血圧変動を感じやすく不安が増幅します。常温の水をゆっくり飲み、深い呼吸を意識します。コーヒーや追加のエナジードリンクは絶対に足さないこと。
1〜5時間:症状ピーク、激しい運動と追加カフェインを避ける
カフェインの血中濃度はおよそ1時間後にピークを迎え、その後およそ5時間かけて半分まで下がります。この時間帯は激しい運動・サウナ・追加のカフェインを避け、座位か横になって過ごすのが安全です。動悸が続いても、健康成人なら通常は数時間で自然に治まります。
救急受診を検討すべき症状
以下のいずれかに該当する場合は、自己判断せず救急医療機関に連絡してください。
- 心拍数が140回/分以上が続く
- 意識がぼんやりする・気が遠くなる
- 嘔吐が繰り返し起きる
- けいれんが起きた
- 強い胸痛がある
- パニック発作で呼吸が苦しい
※カフェイン錠剤・パウダーの誤飲・過量摂取は、特に危険です。1g以上を一度に摂った疑いがある場合は、症状が軽くても医療機関に相談してください。
運動者が副作用を避けて恩恵だけ受け取る4原則
運動前のカフェインはパフォーマンス向上効果が確立しています。副作用を最小化して恩恵だけ受けるなら、国際スポーツ栄養学会(ISSN)の公式見解(Guest 2021)に沿った4つの原則を守ってください。
- 体重1kgあたり3〜6mgを上限に:これが効果のスイートゾーン
- 1日合計400mgを超えない:健康成人の安全上限
- 9mg/kgを超えない:効果は頭打ちで動悸・不安・パフォーマンス低下が増えるだけ
- 夜は控える:半減期5時間で深い眠りが削られる
体重別の具体的な量設計は カフェインの1日摂取量は何mg?体重別の早見表で運動者の最適量を解説 、運動何分前に飲むか・就寝何時間前までセーフかは カフェインは何時間効く?運動前のベストタイミングと寝る前の最終ライン を参照してください。
カフェイン摂取を控えたほうがよい人
健康成人にとって400mg/日は安全圏ですが、以下に該当する方は摂取量を抑えるか、主治医の指示に従うべき集団です。
心疾患・不整脈の既往がある人
心房細動の発症リスク自体はカフェインで増えないことが最新研究(Cao 2022)で示されていますが、すでに不整脈の診断・治療を受けている人は別です。発作を誘発する可能性があり、必ず主治医と相談してください。
高血圧で薬物治療中の人
カフェインの急性血圧上昇(200〜300mgで収縮期約8mmHg)は、降圧薬を飲んでいる方にとって無視できない振れ幅です。Mesas 2011でも高血圧者を含む解析でこの上昇が確認されています。コーヒー・茶・エナジードリンク・サプリの合計を主治医に申告してください。
不安障害・パニック障害のある人
これは特に注意が必要です。パニック障害患者を対象にした研究のまとめ(Klevebrant 2022)では、平均480mgのカフェイン摂取でパニック障害患者の51.1%が発作を起こしたのに対し、健康な対照群では1.7%でした。30倍以上のリスク差です。不安障害・パニック障害の既往がある方は、カフェイン摂取を控えるか主治医に相談することを強くすすめます。
妊娠中・授乳中の人
EFSAおよびWikoff 2017のレビューでは、妊娠中・授乳中の安全上限は1日200〜300mgとされています。コーヒーで2杯程度が目安ですが、産婦人科の指示が最優先です。
12歳未満の子ども
子どもの安全上限は体重1kgあたり2.5mg/日と低く設定されています(Wikoff 2017)。体重30kgなら75mg、エナジードリンク1本(80mg)でも上限に達します。子ども・思春期はエナジードリンクを習慣にしないのが原則です。
低用量ピル使用中・PMS期の女性
本記事の対象外ではありませんが、運動女性は副作用の出やすさが男性と異なる場面があります。低用量ピルを使っている方は分解酵素CYP1A2の働きが抑えられてカフェイン半減期が約1.5〜2倍に延びるため、夕方のコーヒー1杯でも夜まで残ります。PMS期は心拍が上がりやすく動悸を感じやすい時期で、エナジードリンクの血圧上昇影響も普段以上です。月経周期・ピル・鉄欠乏を踏まえた女性運動者向けの量設計は カフェインと女性|生理・ピル・貧血のときの飲み方を運動視点で整理 で詳しく整理しています。
よくある質問
Q. 動悸は何時間続きますか?
健康成人なら通常3〜5時間で自然に治まります。血中濃度が半分(半減期およそ5時間)まで下がる過程で症状も和らぎます。それ以上強い動悸が続く、心拍が140回/分を超える、胸痛がある場合は医療機関に連絡してください。
Q. コーヒーを飲むと毎回動悸がするのはなぜ?
遺伝子(CYP1A2やADORA2A)による感受性が高いタイプの可能性が高いです。本記事の遅い代謝タイプの可能性に当てはまるなら、1日200mg以下に抑える、空腹時を避ける、デカフェコーヒーに切り替えるなどの対策が有効です。それでも続く場合は循環器内科に相談を。
Q. カフェイン錠剤は危ない?
用量を守れば危険ではありませんが、飲料と違って一気に高用量を摂れてしまうのがリスクです。1錠100〜200mgなので、複数錠+プレワークアウト+コーヒーで簡単に1gを超えます。錠剤を使う場合はその日の他のカフェイン源を全て計算に入れてください。プレワーク・コーヒー・錠剤の三重がけを避ける具体的な逆算ルールと、風邪薬・避妊薬との飲み合わせ注意点は カフェインの飲み合わせ|クレアチン・プロテイン・BCAAと一緒に飲んでいい? で詳しく扱っています。
Q. 低血圧の人にはむしろ良い?
カフェインは血圧を一時的に上げるため、低血圧の朝の不調をやわらげる目的で使う人はいます。ただし「低血圧の治療」ではありません。慢性的に低血圧で困っている方は、自己判断で対処せず内科医に相談してください。
Q. 離脱症状はいつまで続く?
普段カフェインを飲んでいる人が突然やめると、頭痛・倦怠感・集中力低下が出ることがあります。通常は2〜9日でおさまるのが一般的です。
Q. 妊娠中はどれくらいまで?
EFSAやWikoff 2017のレビューでは1日200〜300mgが目安とされていますが、最終的には産婦人科医の指示に従ってください。コーヒー1杯(60〜90mg)+紅茶1杯(30mg)程度がおおむね安全圏ですが、エナジードリンクや玉露は控えめに。
まとめ
- 副作用の正体は交感神経の興奮:眠気物質をブロックすることで覚醒と動悸・血圧上昇が同時に起きる、表裏一体の作用
- 1日400mgが健康成人の安全上限:FDA・EFSA・農水省・Nawrot 2003・Wikoff 2017が一致して採用する基準
- 急性中毒は1g以上、致死量は5〜10g:飲料からは到達しないが、錠剤・パウダーの誤用に要注意
- 200〜300mgで収縮期血圧約8mmHg上昇:3時間以上続く(Mesas 2011)。健康成人では限定的な影響だが400mg超で長期的にも有意上昇(Abbas-Hashemi 2023)
- 心房細動のリスクは増えない:最新の研究をまとめた分析(Cao 2022)で確認。ただし不整脈の既往者は主治医の指示優先
- 同じ量でも個人差が大きい:CYP1A2・ADORA2A遺伝子で代謝速度・不安感受性が2倍以上違う
- 運動者は体重1kgあたり3〜6mg、9mg超で頭打ち:ISSN見解(Guest 2021)。就寝6時間前までに摂取を終える
- 不安障害・パニック障害の人は要注意:480mgで発作リスクが健康人の30倍(Klevebrant 2022)
- 妊娠中は1日200〜300mgまで:産婦人科医の指示が最優先
- 全体像を俯瞰するには:効果・量・タイミング・副作用・体質差・併用ルールを横断的にまとめた カフェイン×筋トレ完全ガイド|効果・量・タイミング・副作用 で、本記事の位置づけも見えてくる
カフェインは正しく使えば運動と仕事の強い味方ですが、量を間違えれば動悸・不眠・不安を呼び込みます。「自分の感受性タイプを知り、1日の総量を把握し、夜は控える」。この3点さえ守れば、副作用に振り回されずカフェインの恩恵だけを受け取れます。
【次に読むべきおすすめ記事】
本文で深く参照した関連記事を、優先度の高い順に並べました。
- カフェインの効果・量・タイミング・副作用を運動者向けに総まとめ → カフェイン×筋トレ完全ガイド|効果・量・タイミング・副作用
- 遺伝子型・受容体多型で副作用の出やすさが変わる仕組み → カフェインが効かない・効きすぎるのはなぜ?体質と遺伝子で決まる個人差を解説
- 体重別の量と1日400mg・9mg/kg頭打ちの根拠 → カフェインの1日摂取量は何mg?体重別の早見表で運動者の最適量を解説
参考文献
この記事の内容も、数千件のフィットネス論文を人の手で一つずつ読み解いた研究データベースに基づいています。同じデータベースを直接検索できる「FitOnline Lab」なら、あなた自身の気になるテーマも調べられます。
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この記事を書いた人
フィット
- 2014年7月 筋トレスタート(歴10年)
- 2018年5月 パーソナルトレーナースタート(歴7年)
- 2019年6月 社内で最速級の速さで店長へ就任
- 2020年4月 フリーランスパーソナルトレーナーとして独立
- 2022年7月 株式会社FITONLINE設立
- 2026年3月 FitOnline Labを開発。2,000以上のフィットネス関連論文を査読。
- 2026年6月 FitOnlineで試飲したプロテイン24ブランド・235フレーバー
- パーソナルトレーナーとして最高月収150万円達成
- 実際に飲んで試してきたプロテインの種類50種類以上、サプリメント30種以上
- ANYTIME、JOYFIT、FASTGYM、ゴールドジム、FIT PLACE、東急スポーツオアシスなど計10以上の大手ジム利用経験あり
- 通算1,000名以上のお客様へカウンセリング・セッション
- お客様の最高減量幅34kg
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