カフェインはダイエットに使える?脂肪燃焼の仕組みと減量期の活用法を13研究で整理
「コーヒーを飲んでから走ると確かに体が軽い気がする」「でも体重計の数字は動かない」「結局カフェインで本当に減量できるの?」。結論は、カフェインは脂肪を分解しやすくする道具で、運動と合わせて初めて意味が出る。減量期の使い方しだいで、効きも消えます。
筋トレ歴12年・トレーナー歴8年・2017年サマースタイルアワード減量期出場の私が、13本の研究と1,000名以上の指導現場での体感から、カフェインを「減量の道具」として正しく使う方法を整理しました。
※本記事は健康成人の運動者を対象とした学術研究の紹介です。妊娠中・授乳中の方、子ども、高齢の方、心疾患・不整脈・高血圧・不安障害・糖尿病・経口避妊薬を服用中の方は対象外で、必ず医師にご相談ください。カフェインは減量効果を保証する成分ではなく、運動と食事管理の補助としての位置づけです。
※減量期での使い方に入る前に、カフェインの運動効果や量・タイミングの基本を確認したい方は、先に カフェイン×筋トレ完全ガイド|効果・量・タイミング・副作用 をご覧ください。
カフェインが脂肪を分解しやすくする仕組み【脂肪酸化亢進・基礎代謝3〜11%】
カフェインの「減量への関わり方」は、ふんわりした話ではなく具体的なしくみで説明できます。脂肪細胞のスイッチを押し、安静時でも代謝をわずかに引き上げる、という2つの作用が研究で確認されています。
カフェインは脂肪細胞の分解スイッチを押す
カフェインは脳内の眠気物質(アデノシン)の受容体をブロックすることで知られていますが、同じしくみが脂肪細胞でも働きます。アデノシン受容体がふさがれるとアドレナリンの作用が強まり、脂肪細胞内の分解酵素(リパーゼ)が活性化。中性脂肪が「遊離脂肪酸」という燃やしやすい形に分解されて血液中に放出されます。
ここまではあくまで「分解しやすくなる」までの話で、出てきた遊離脂肪酸は使わなければ脂肪細胞に戻ります。運動と組み合わせて初めて、分解した脂肪が実際にエネルギーとして使われる。これがカフェイン×運動の基本ロジックです。
安静時でも代謝が3〜11%上がる(Astrup 1990・Dulloo 1989)
「動かなくても代謝が上がるのか」については、古典的だが質の高い研究が複数あります。健康成人を対象にした比較試験(Astrup 1990)では、100mg・200mg・400mgの3用量で代謝率の上がり方が用量依存に増えることが確認されました。100mgでも安静時の代謝はわずかに上がり、200mgでは明確な上昇、400mgではさらに大きい上昇が出るというパターンです。
痩せ型と元肥満型の被験者を比較した研究(Dulloo 1989)では、100mgのカフェインを2時間ごとに繰り返し飲ませることで、痩せ型では1日あたり約150kcal、元肥満型では約79kcalのエネルギー消費の上乗せが報告されました。同じ量でも、元肥満型のグループでは上乗せ量が約半分にとどまっています。
もう一本の古典(Acheson 1980)では、体重1kgあたり8mgという比較的多めのカフェインで代謝率の上昇が確認された一方、肥満群では脂肪を燃やす割合の変化はほとんど見られませんでした。「代謝率は上がるが脂肪を燃やす割合は人によって違う」という、後述する個人差の話につながります。
カフェインの脂肪代謝への効果は中程度(Conger 2023)
2023年に発表された包括的な体系的レビュー(Conger 2023)は、94件の研究・延べ984名のデータをまとめた現時点で最大規模の分析です。脂肪代謝に対するカフェインの効果は全体として中程度で、運動中よりも安静時のほうがやや大きいと報告されました。
注目すべきは性別・体力レベル・カフェインの常用習慣による差がほぼなかった点です。「女性には効きにくい」「アスリートはもう効かない」といった俗説は、この大規模な分析では支持されませんでした。誰が飲んでも、脂肪を燃やす方向に中程度の押し上げが期待できるという結論です。
運動と組み合わせて初めて意味が出る理由【脂肪酸化メタの実数】
安静時の代謝アップは1日数十〜150kcal程度で、これだけで体重を動かすのは現実的ではありません。カフェインの本領は、運動中の脂肪燃焼を底上げするところにあります。複数の研究をまとめた分析で、はっきりした実数が出ています。
運動中の脂肪燃焼が3mg/kgから明確に上がる(Collado-Mateo 2020)
運動中の脂肪を燃やす割合に対するカフェインの効果をまとめた分析(Collado-Mateo 2020)では、19件の研究を統合した結果、運動前のカフェイン摂取で運動中に脂肪を燃やす量が大きく増えることが確認されました。効果の大きさは「中〜大程度」で、効果が出る最低ラインは体重1kgあたり3mg、運動の30〜90分前です。
研究の多くは有酸素運動(自転車エルゴメーター・トレッドミル)で実施されています。運動中の主なエネルギー源を「脂肪寄り」にシフトさせる、というのがこの分析の核心です。
食後の運動でも効くが6mg/kg超で効果が消える(Fernández-Sánchez 2024)
「ファスト有酸素じゃなくても効くのか」という疑問に答えたのが、2024年に発表された食後運動の体系的レビュー(Fernández-Sánchez 2024)です。228名・18件の研究を統合した結果、食後でもカフェインの脂肪燃焼促進は確認されました。
ただし用量で結果が分かれます。体重1kgあたり6mg未満の量では明確な押し上げが出た一方、6mg以上ではその効果がほぼ消えてしまうと報告されています。「多く飲めば効く」ではなく、むしろ多すぎると効かなくなるのが食後運動の特徴です。後述する3mg/kgで十分という話と一貫しています。
有酸素運動と筋トレ、どちらに効きやすい?
Collado-Mateo 2020で集められた研究の大半は有酸素運動を対象にしています。運動中の脂肪を燃やす割合への直接的な効果は、有酸素運動で確立。筋トレ単独で「運動中の脂肪燃焼割合」を測った研究は限られますが、運動全体の消費カロリーを底上げする方向の効果は期待できます。
- 有酸素運動(ジョギング・自転車・水泳):運動中の脂肪燃焼の押し上げが研究で確立。減量期の中〜長時間カーディオで効きやすい
- 筋トレ:運動中の脂肪燃焼割合への直接データは少ないが、強度・パワーの押し上げで総消費カロリーが増えやすい
- HIIT・サーキット:強度と脂肪利用が同時に乗るため、カフェインの恩恵を受けやすい
2017年のサマースタイルアワード減量期で、朝6時のファスト有酸素を週4回入れていました。カフェインを飲まずに走る日と、起床直後に200mg入れて30分後に走る日を比べると、同じ40分のジョギングでも体感の汗の出方・走り終わったあとの空腹感の戻りが明らかに違ったのを覚えています。あくまで主観ですが、Collado-Mateo 2020の結果と矛盾しない体感でした。指導している方々の中でも、ファスト有酸素にカフェインを乗せた日のほうが「軽く感じた」という声は多いです。
減量期に効く量は「体重×3mg」で十分・6mg超は伸びない
「多く飲めば多く減量できる」と考えがちですが、減量期の脂肪燃焼に関しては3mg/kgでも6mg/kgでも結果は変わらない。むしろ多すぎると効きが消えるのが、近年の比較試験でわかっています。
3mg/kgも6mg/kgも脂肪酸化はほぼ同等(Gutiérrez-Hellín 2023)
18名で運動中の脂肪を燃やす量を3mg/kgと6mg/kgで直接比較した試験(Gutiérrez-Hellín 2023)では、どちらの用量でも運動中の脂肪燃焼量はほぼ同じ(毎分0.40g前後)でした。「3mg/kgより6mg/kgのほうが脂肪を燃やす効果が強い」というデータは出ませんでした。
偽薬と比べれば3mg/kgの時点で明確な押し上げが出ているので、減量期の脂肪燃焼狙いなら3mg/kgが最少有効量で天井近くの量と考えてよい結果です。
6mg/kg超ではむしろ効果が消える(Fernández-Sánchez 2024)
食後運動の分析(Fernández-Sánchez 2024)では、6mg/kg以上で効果がほぼゼロまで下がることが報告されています。空腹かどうかでも反応は変わりますが、「上限ギリギリまで飲めば効く」という発想は脂肪燃焼に関しては誤り。多すぎると、副作用だけが増えて期待した効果は得られません。
体重別の減量期目安(3mg/kg基準)
減量期に「脂肪燃焼を底上げしたい」目的なら、まず3mg/kgから入るのが効率的です。
- 50kg:150mg(コーヒー約1.5〜2杯)
- 60kg:180mg(コーヒー約2杯)
- 70kg:210mg(コーヒー約2杯+α)
- 80kg:240mg(コーヒー約2.5〜3杯)
- 90kg:270mg(コーヒー約3杯)
1日合計で400mgを超えないようにし、運動前に集中させて摂るのが減量期の基本設計です。
用量比較で「2倍」の差は付くが、上限超推奨ではない(Tabrizi 2019)
カフェイン摂取量と体重・体脂肪減少の関係をまとめた分析(Tabrizi 2019)では、用量を2倍にすると、体重で約22%・BMIで約17%・体脂肪率で約28%、減少幅が相対的に大きくなると報告されました。一見「多く飲んだほうが減量する」と読めますが、これは安全域内(おおむね3〜6mg/kg)での比較であり、9mg/kgなどの高用量を勧めるデータではありません。
体重70kgで言えば、3mg/kg=210mgを6mg/kg=420mgまで増やすと相対的な減少幅が大きくなる、という話です。Fernández-Sánchez 2024で示された通り、6mg/kgを超えると効きが消えるため、3〜6mg/kgの範囲内で自分の効きと副作用のバランスを見極めるのが現実的です。
私自身、体重70kgで減量期に「300mg×2回(朝有酸素前と夕方トレ前)」を試した時期があります。1日合計600mgで、夕方からの動悸と睡眠の浅さがはっきり出てしまい、200mg+100mg(朝多め・午後少なめ)に減らしてからのほうが、有酸素中の体感も睡眠も両立できた記憶があります。多ければいいわけではない、を身をもって学んだ場面でした。
タイミング:朝のファスト有酸素か、夕方の有酸素か
「いつ飲むのがいちばん脂肪を燃やすか」は、実は朝と夕方で結果が違います。減量期はライフスタイルに合わせて使い分けるのが現実的です。
朝で+10.7%・夕方で+29.0%(Ramírez-Maldonado 2021)
同じ人で朝と夕方の両方を試した質の高い比較試験(Ramírez-Maldonado 2021、15名)では、3mg/kgのカフェインを朝(午前8〜10時)と夕方(午後5〜7時)に摂って運動を行わせ、運動中の最大脂肪燃焼量を比較しました。結果は朝で偽薬比+10.7%、夕方で+29.0%の押し上げです。
注目すべきは、カフェインを使わない場合の脂肪燃焼量自体が、夕方のほうが朝より高かった点です。「夕方の運動はそもそも脂肪を燃やしやすく、そこにカフェインを加えるとさらに伸びる」という結果でした。朝のファスト有酸素にこだわる必要はなく、夕方有酸素+カフェインも合理的という根拠です。
朝のファスト有酸素プロトコル
朝の空腹有酸素にカフェインを乗せる場合の標準的な組み立てはこうなります。
- 起床直後:水500mlとカフェイン150〜200mg(体重×3mg)
- 30〜45分後:低〜中強度の有酸素運動を40〜60分(心拍数の最大値の60〜70%程度)
- 運動中:水分のみ、固形物は摂らない(ファスト維持)
- 運動後:プロテインまたは食事を1時間以内に
空腹+カフェインで頭がふらつく方や血糖コントロールに敏感な方は、必ず低〜中強度に留め、無理をしないでください。糖尿病・低血糖体質の方は対象外です。
夕方トレ派は午後早めに摂って睡眠を守る
夕方の運動でカフェインを使う場合、注意したいのが半減期です。半減期は健康成人で約5時間なので、17時に200mg飲むと、22時時点でも100mgが体内に残っている計算になります。これが睡眠の質を下げる原因です。
夕方有酸素を選ぶなら、運動の60分前までに摂取を終え、できれば16時前に最後のカフェインを切るのが現実的なライン。半減期からの逆算と就寝何時間前まで飲んでよいかの詳細設計は カフェインは何時間効く?運動前のベストタイミングと寝る前の最終ライン で扱っています。
減量期は朝6時のファスト有酸素前に200mg、午後の筋トレ前(14〜15時)に150mgで合計350mgというのが、自分にとっての完成形でした。それ以上後ろの時間にカフェインを入れると、寝つきが悪くなって翌日のトレ強度が落ちる悪循環。1,000名以上の指導現場でも、夕方以降のカフェインを切るだけで「減量期の睡眠の質が改善した」と報告する方が多いです。減量期の鍵は「運動より睡眠と食事」と痛感する場面が何度もありました。
【一方で】カフェイン単体では減量できない3つの理由
ここまで脂肪燃焼への効果を整理してきましたが、「カフェインを飲めば自動的に減量できる」は誤りです。最新研究で示されている3つの限界を、減量期に入る前に必ず理解しておいてください。
1. 食欲抑制は弱く一過性(Schubert 2017・Panek-Shirley 2018)
「コーヒーを飲むと食欲が落ちる」というイメージがありますが、研究データはそれほど強くありません。食欲とカフェインの関係をまとめたレビュー(Schubert 2017)が示したのは、カフェインの食欲抑制が出るのは食事の0.5〜4時間前に摂った場合のみという限定的な結果です。3〜4.5時間より前に摂っても食事量への影響はないと報告されています。
成人50名(男女)を対象にしたクロスオーバー試験(Panek-Shirley 2018)では、1mg/kgのカフェインを摂取した場合、朝食の摂取量が約10%減少(650 vs 721 kcal)しました。ただし3mg/kgではむしろ差が出ず、1日全体の総摂取カロリーには差がなかったと報告されています。「朝のコーヒーで朝食が減っても、その分昼夜で食べるので合計は変わらない」のが現実です。
2. 連用で運動効果が消える(耐性)
毎日カフェインを飲み続けると、運動効果は鈍ります。これは「気合の問題」ではなく、脳の受容体が増えて効きにくくなる物理的な変化です。3mg/kg/日を毎日続けた比較試験では、15日を過ぎたあたりから運動効果が徐々に弱まり、最終的には偽薬と差がなくなる方向に進むことが報告されています(Lara 2019)。
減量期に毎日大量に飲むより、重要トレ日や有酸素日に絞って使う「メリハリ運用」のほうが、長期的には効きを保てます。
3. 肥満タイプでは脂肪燃焼が増えにくい(Acheson 1980・Dulloo 1989)
体質によってカフェインの脂肪燃焼への効きは変わります。Acheson 1980では、肥満群は代謝率自体は上がっても脂肪を燃やす割合の変化がほとんど見られなかったと報告されています。Dulloo 1989でも、元肥満型グループの追加エネルギー消費は痩せ型の約半分(150kcal対79kcal)でした。
「カフェインを飲んでもあまり減量効果が感じられない」のは、努力不足ではなく体質の話である可能性があります。その場合は、運動量と食事管理で減量を進めながら、カフェインは「運動パフォーマンスの押し上げ役」として割り切るのが現実的です。
私の経験でも、減量期12週目あたりで「同じ200mgでも以前ほど効かない」場面に何度か直面しました。1週間カフェインを完全カットして再開すると、効きが戻ってくる感覚があります。これは耐性形成と一致するパターンで、メリハリ運用の重要性を体感した出来事でした。
減量期にカフェインを安全に使う4原則
ここまでの研究データを実用ルールに落とし込むと、減量期のカフェインは次の4つを守れば「補助役」として機能します。
原則1:量は体重×3mg、1日合計400mg未満を厳守
脂肪燃焼狙いなら3mg/kgで十分で、6mg/kgを超えると効果が消えます(Fernández-Sánchez 2024、Gutiérrez-Hellín 2023)。体重70kgなら200〜210mgが運動前の標準量。1日合計でも400mgを超えないように、コーヒー・プレワークアウトサプリ・エナジードリンクの合算でカウントしてください。1日上限と体重別早見表の詳細は カフェインの1日摂取量は何mg?体重別の早見表で運動者の最適量を解説 に整理しています。
原則2:時間は午後早めまで・夕方以降は完全カット
半減期5時間を考えると、16時以降のカフェインは就寝時刻の睡眠の質を確実に下げます。減量期は回復が命なので、夕方以降は完全カットが基本。夕方トレ派でも、運動の60分前までに摂取を終え、それ以降は追加しないでください。
原則3:重要トレ日だけ使うメリハリ運用で耐性形成を遅らせる
毎日400mgを取り続けると、4週ほどで運動効果が偽薬と差がなくなります。「毎日のコーヒーは1〜2杯まで・運動日だけ運動前に150〜200mg追加する」程度のメリハリ運用が、効きを長持ちさせる現実解です。
原則4:空腹×大量カフェインの低血糖・動悸に注意
朝のファスト有酸素+カフェインは効きやすい一方で、空腹時の高用量カフェインは血糖の急変動や動悸が出やすい組み合わせです。とくに糖尿病・低血糖体質・血糖変動に敏感な方は対象外なので、必ず医師に相談してください。
よくある質問
Q. カフェインだけ飲んで運動しなくても減量できますか?
難しいです。Dulloo 1989のように安静時でも代謝はわずかに上がりますが、痩せ型で1日150kcal、元肥満型で79kcal程度の上乗せです。これだけで体重を動かすには時間がかかりすぎますし、Conger 2023の分析でも「運動と組み合わせた場合のほうが脂肪代謝への効果が確立している」のが結論です。カフェインは運動の効果を底上げする道具と割り切ったほうが現実的です。
Q. ブラックコーヒーが減量に良いと聞きますが本当ですか?
ブラックコーヒーのカフェインは1杯60〜90mgで、減量期の運動前ドリンクとして手軽です。砂糖・ミルク・シロップを加えるとあっさり100kcalを超え、減量期にはマイナス。「ブラックで2杯(合計120〜180mg)を運動の30〜60分前」あたりが、カフェイン量と摂取カロリーのバランスがいい使い方です。
Q. ファスト有酸素のカフェインで低血糖になりませんか?
健康な方では一般的にリスクは限定的ですが、糖尿病・低血糖体質・血糖変動に敏感な方は対象外です。空腹+カフェイン+運動が重なると交感神経の活動が高まり、人によっては手の震え・冷や汗・めまいが出ることがあります。これらの症状が出た場合は即座に運動を中止し、糖質を補給してください。持病がある方は必ず主治医に相談してから取り入れてください。
Q. 減量期にプロテインとカフェインの併用は問題ない?
明確な吸収阻害の研究はありません。同時摂取しても問題ない、というのが現状の理解です。運動前にカフェイン+水・運動後にプロテインのように分けるのが自然で、時間差を意識的に作る必要はありません。
Q. グリーンコーヒー・カテキン入りサプリは減量に効きますか?
カフェインに加えてカテキンや緑茶ポリフェノールを足したサプリは、複数の研究で体重・腹囲の小さな減少が報告されています。緑茶カテキンとカフェインを組み合わせた分析(Phung 2010)では、体重で平均約−1.38kg、腹囲で平均約−1.93cmの減少が報告されました。ただし臨床的に意味のある変化と言えるかは限定的で、また各研究のばらつきも大きい。「サプリで減量できる」と過信せず、運動・食事の補助役として位置付けるのが安全です。
Q. 減量期のカフェインで「痩せ体質」になれますか?
いいえ。カフェインは脂肪を分解しやすくする補助役で、体質そのものを変える成分ではありません。Conger 2023の大規模分析でも、効果量は中程度であり、運動と食事管理が抜けた状態で体重が減るデータはありません。減量の本体はあくまでカロリーバランスと運動で、カフェインはその効率を底上げする道具と理解してください。
まとめ
- カフェインは脂肪細胞の分解スイッチを押す:アドレナリン経由でリパーゼを活性化、遊離脂肪酸が放出される。運動と組み合わせて初めてエネルギーとして使われる
- 安静時代謝も3〜11%上がるが効果は限定的:1日上乗せは痩せ型で約150kcal、元肥満型で約79kcal(Astrup 1990、Dulloo 1989)
- カフェインの脂肪代謝への効果は中程度:94研究984名の大規模分析。性別・体力・常用習慣で差なし(Conger 2023)
- 運動中の脂肪燃焼は3mg/kgから明確に上がる:19研究の分析で中〜大の押し上げ(Collado-Mateo 2020)
- 食後運動でも効くが6mg/kg超は効果が消える:18研究228名で6mg未満は明確に押し上げ、6mg以上は効果ほぼゼロ(Fernández-Sánchez 2024)
- 3mg/kgも6mg/kgも脂肪燃焼はほぼ同等:減量期は3mg/kgで天井近い(Gutiérrez-Hellín 2023)
- 夕方の有酸素のほうが脂肪燃焼自体が高く、カフェインの上乗せも+29.0%と大きい:朝は+10.7%(Ramírez-Maldonado 2021)
- 食欲抑制は弱く一過性で、1日合計カロリーには影響しない(Schubert 2017、Panek-Shirley 2018)
- 用量を増やすと相対的な減少幅は大きくなるが、上限超は推奨されない:3〜6mg/kgの範囲内で(Tabrizi 2019)
- 肥満タイプでは脂肪燃焼への効きが半減〜消失する:努力不足ではなく体質の問題(Acheson 1980、Dulloo 1989)
- 全体像を俯瞰するには:効果・量・タイミング・副作用・体質差・併用ルールを横断的にまとめた カフェイン×筋トレ完全ガイド|効果・量・タイミング・副作用 で、本記事の位置づけも見えてくる
カフェインは「飲むだけで痩せ体質になるサプリ」ではなく、運動と食事管理の効率を底上げする補助役です。3mg/kgを運動前に、午後早めまでに、メリハリで使う。この4原則を守れば、減量期の道具として確実に機能してくれます。
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本文で参照した関連記事を、優先度の高い順に並べました。
- カフェインの効果・量・タイミング・副作用を運動者向けに総まとめ → カフェイン×筋トレ完全ガイド|効果・量・タイミング・副作用
- 朝のファスト有酸素タイミングと半減期5時間からの逆算 → カフェインは何時間効く?運動前のベストタイミングと寝る前の最終ライン
- 体重別の量と1日400mg・9mg/kg頭打ちの根拠 → カフェインの1日摂取量は何mg?体重別の早見表で運動者の最適量を解説
参考文献
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この記事を書いた人
フィット
- 2014年7月 筋トレスタート(歴10年)
- 2018年5月 パーソナルトレーナースタート(歴7年)
- 2019年6月 社内で最速級の速さで店長へ就任
- 2020年4月 フリーランスパーソナルトレーナーとして独立
- 2022年7月 株式会社FITONLINE設立
- 2026年3月 FitOnline Labを開発。2,000以上のフィットネス関連論文を査読。
- 2026年6月 FitOnlineで試飲したプロテイン24ブランド・235フレーバー
- パーソナルトレーナーとして最高月収150万円達成
- 実際に飲んで試してきたプロテインの種類50種類以上、サプリメント30種以上
- ANYTIME、JOYFIT、FASTGYM、ゴールドジム、FIT PLACE、東急スポーツオアシスなど計10以上の大手ジム利用経験あり
- 通算1,000名以上のお客様へカウンセリング・セッション
- お客様の最高減量幅34kg
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