カフェインとアルコール|飲酒翌日のトレ・エナドリ+酒のリスクを整理
「飲み会の翌朝、コーヒー入れてジム行っていい?」「エナドリ+ハイボールで動悸がした」「迎え酒のコーヒーは効く?」運動する人がアルコールで悩む3つの典型です。
じつは、カフェインで「酔いが醒める」のは脳の錯覚だけで、客観的な運動能力は戻りません。判断のコツは別にあります。
筋トレ歴12年・トレーナー歴8年、会食翌朝のトレを10年運用してきた立場から、ヒト対象研究14本を読み込んで現場の運用ルールに落とし込みました。
※本記事は健康な成人の運動者を対象とした学術研究の紹介を目的とし、医療行為や治療を推奨するものではありません。アルコール依存症が疑われる方、未成年、妊娠中・授乳中、肝疾患・循環器疾患で服薬中の方は本記事の対象外です。飲酒・運動に関する個別の判断は必ず医師にご相談ください。
※アルコール併用の話に入る前に、カフェインの運動効果や量・タイミングの基本をおさらいしたい方は、先に カフェイン×筋トレ完全ガイド|効果・量・タイミング・副作用 をご覧ください。
カフェインとアルコールが運動者にとって特殊な組み合わせになる理由
カフェインとアルコールは、家庭でもバーでも一緒に飲まれてきた身近な組み合わせです。ところが運動者の視点で見ると、両者は真逆の方向に脳と体を引っ張る薬理作用を持っています。ここを理解しないまま「酔い覚ましのコーヒー」「飲み会の前後にエナドリ」と運用すると、客観的な運動能力が落ちたまま脳だけが「絶好調」と勘違いしてしまうのです。
覚醒系と抑制系の真逆コンビ
カフェインは中枢神経を覚醒させ、眠気のもとになるアデノシンの働きを邪魔します。一方、アルコールは中枢神経を抑制し、判断力・運動協調・反応速度を低下させます。両者を一緒に摂ると「脳は起きているのに、体は酔っている」というちぐはぐな状態が生まれます。これがエナジードリンク+酒(米国疾病対策センターことCDCはAmEDと呼んでいます)が問題視される最大の理由です。
運動者で特に注意すべき3つの理由
- 翌日のトレ強度を読み違える:脱水や筋力低下が残っていてもカフェインで「いける気がする」と錯覚し、ケガの引き金になる
- 循環器負担が重畳しやすい:エナドリ単体でも血圧が上がる中、アルコールの利尿・脱水と組み合わさると心拍負担が増す
- 筋肉の合成(筋タンパク合成)が阻害される:飲酒後の筋肉作りは数十%単位で落ちるため、カフェインで覚醒させても回復は戻らない
本記事では、米国疾病対策センターも警告しているこの組み合わせを、運動者の現場感覚に落とし込んで14本のヒト対象研究で整理します。
「カフェインで酔いが醒める」は神話【複数比較試験で否定】
結論から言います。カフェインで酔いは醒めません。飲んだ本人の「自覚」は確かに改善しますが、血中アルコール濃度(BAC)も、選択反応時間も、運動の協調性も、プラセボ(偽薬)水準には戻らないことが複数の比較試験で確認されています。脳が「もう大丈夫」と感じるだけで、体は酔ったままなのです。
9件の研究をまとめた分析でも酔いマスキング効果なし
カフェインとアルコール併用の自覚酩酊への影響を9つの研究でまとめた分析(Benson 2014)では、カフェイン2.0〜5.5mg/kgとアルコール0.29〜1.068g/kgを組み合わせても、自覚的な酔いの軽減効果は統計的に有意ではありませんでした。高用量・低用量どちらの解析でも結果は同じで、「カフェインで酔いを打ち消せる」という民間信仰には科学的裏付けがありません。
客観的な運動能力は改善しない
健康男性26名を対象にした比較試験(Ferreira 2006)では、アルコール0.6または1.0g/kgを単独で、またはエナジードリンクと併用で摂取した後の運動能力を測定しました。結果は明確で、エナドリ併用で頭痛や口渇など主観的な不快感は和らいだものの、運動協調性・反応時間・呼気のアルコール濃度はアルコール単独群と差がありませんでした。「気分は楽」になっても、運転やトレに必要な能力は戻っていない、という現実です。
カフェイン200〜400mgでも選択反応時間は戻らない
成人15名を対象にした二重盲検の比較試験(Liguori 2001)では、カフェイン0/200/400mgとアルコール0.6g/kgを組み合わせ、運動と注意の能力を細かく測りました。ブレーキ反応のような単純な反応は改善したものの、選択反応時間と立位の体動揺はカフェインでは戻らず、プラセボ水準には届きませんでした。「カフェインを増やせばいい」という量の問題ではないのです。
大学生127名の大規模試験でも結論は同じ
大学生〜若年者127名を対象にした2×2デザインの比較試験(Howland 2011)では、目標血中アルコール濃度0.12%まで飲ませた上でカフェイン入りビールと通常ビールを比較しました。注意・運動の能力障害はカフェインの添加で改善しませんでした。サンプル数が大きい研究でも結論は変わらず、「カフェインで酔いを打ち消す」アプローチは無効です。
62件の研究レビューが結論:覚醒は上がるが客観指標は変わらない
62本の研究を統合したレビュー(McKetin 2015)でも、エナドリと酒の併用で覚醒感や疲労感のマスキングは起こる一方、血中アルコール濃度や客観的な酩酊度は変わらないことが確認されています。さらに併用群では飲酒量と関連被害(ケガ・トラブル)が増える傾向まで報告されており、覚醒のマスキングはむしろ「飲み過ぎを助長する」方向に作用しています。
エナジードリンク+酒(AmED)が運動者に特に危険な3つの理由
エナジードリンクと蒸留酒を割って飲むスタイルは、若い世代を中心に広がっています。複数研究をまとめた疫学レビュー(De Giorgi 2022)では、大学生での全体有病率は約37%と報告されており、近年は減少傾向にあるものの依然として一般的な飲み方です。ただし運動者にとっては、覚醒のマスキングが特に高くつきます。
理由1:行動抑制(ブレーキ)の障害が消えない
大学生56名を対象にした比較試験(Marczinski 2011)では、アルコール0.65g/kgとエナジードリンク3.57ml/kgを併用しても、「やってはいけないこと」を止める脳の働き(行動抑制)の障害はそのまま残ったと報告されています。覚醒感だけは増していたため、本人は「自分は大丈夫」と感じていた点が特に問題です。エナドリで気合が入った気がしても、ブレーキは効いていません。
理由2:運動協調・二重課題は改善しない
健康成人18名を対象にした別の比較試験(Marczinski 2012)でも、4条件(酒のみ/エナドリのみ/併用/偽薬)を比較した結果、運動協調と二重課題(複数のことを同時に処理する能力)の障害は併用群でも改善しませんでした。一方で精神的疲労感だけが下がり、「疲れていない感覚」と「実際の運動能力低下」のズレが拡大します。トレ前のスポッター役にも、運転にも、危険な状態です。
理由3:習慣群は元々大量飲酒・行動リスクが高い
エナドリ+酒の常用者5,212名と通常飲酒者12,568名を比較した分析(Verster 2016)では、習慣群のほうが総飲酒量が多い傾向が示されています。さらに青年・若年成人を対象にした17件の研究レビュー(Speroni 2023)では、エナドリ+酒の使用が攻撃行動・暴力被害/加害と有意に関連することが報告されています。「エナドリ+酒に手を出す層は、もともと飲み過ぎ・トラブルが多い」という疫学的な事実は、本人の意思とは別に統計として現れています。
誠実な反対意見:因果まで断定はできない
一方で、複数研究をまとめた最新の分析(Verster 2018)では、エナドリ+酒と酒のみを比較しても自覚的な酔い・リスク行動・総飲酒量に有意差は出なかったと報告されています。つまり「エナドリを混ぜると必ず飲み過ぎる」という単純な因果は、現時点では証明されていません。とはいえ覚醒のマスキングが客観的な運動能力低下を見えにくくする点は、複数の比較試験で一致しているため、運動者の運用としては避けるのが現実的です。
担当していた格闘技クライアントが大会前日に「エナドリ+ハイボールでテンション上げた」と来店し、心拍数150台で動悸を訴えたことがありました。Marczinski 2011/2012 が示すように、覚醒は上がっても運動協調は戻りません。試合は4日後に延期、翌週のトレ強度を3割落として再構築する運用に切り替えたところ、本番では普段どおりのキレが戻りました。エナドリ+酒は「気合が入った気がする」だけで、体は確実に削られている。これは10年見てきた現場感覚と研究データが完全に一致します。
エナジードリンク単体の循環器影響と飲酒翌日カフェの慎重論
エナジードリンクは「カフェイン入り飲料」と一括りにされがちですが、循環器への作用は通常のコーヒーよりやや強めです。アルコールが残っている状態で重ねると、循環器負担が無視できなくなります。
収縮期血圧が平均4.71mmHg上昇
エナジードリンクの急性影響を17件の比較試験でまとめた分析(Gualberto 2024)では、摂取後に収縮期血圧が平均4.71mmHg、拡張期が4.51mmHg上昇することが確認されています。一方で安静時心拍数とQTc(心電図の指標)は有意に変わらなかったとも正直に報告されています。健康な人なら一過性で済む範囲ですが、アルコールの脱水・血管拡張・利尿と組み合わさるシーンでは、脱水状態でいきなり血圧が上がる方向に振られる点に注意が必要です。
飲酒翌日にエナドリでトレ前覚醒を狙うのは非推奨
飲酒翌日の朝は、利尿でカリウム・ナトリウムが抜け、軽度の脱水と電解質バランスの乱れが残っていることがほとんどです。ここに循環器負担の大きいエナジードリンクを入れると、安静時血圧の上昇と運動による血圧上昇が重なります。翌日のカフェイン補給は通常のコーヒーまたは緑茶で、しかも普段の半量〜2/3に抑えるのが安全な運用です。副作用の機序を細かく追いたい方は カフェインの副作用|動悸・血圧上昇・過剰摂取の安全ライン徹底解説 を併読してください。
飲酒は運動後の筋肉作りと筋力をどれだけ落とすか
「カフェインで覚醒させればトレできる」と考える前に、知っておくべき事実があります。飲酒は運動後の筋肉作り(筋タンパク合成)を24〜37%阻害し、最大筋力を翌々日まで落とすことが、運動者を対象にした比較試験で確認されています。覚醒では取り戻せない領域です。
飲酒で筋肉の合成が24〜37%減る
活動的な男性8名を対象にしたクロスオーバー比較試験(Parr 2014)では、筋トレと持久運動を組み合わせた後にアルコール1.5g/kg(体重70kgで約105g、ビール換算で大瓶3本以上)を摂取しました。結果、アルコール+プロテインで筋タンパク合成が24%、アルコール+糖質では37%低下しました。プロテインを併用しても、飲酒の影響を完全には打ち消せていません。
偏心運動後アルコールで36時間後の最大筋力が34〜40%低下
健康男性11名を対象にしたクロスオーバー試験(Barnes 2010)では、偏心運動(ネガティブを強調したトレ)の後にアルコール1g/kgまたは等カロリーのオレンジジュースを飲ませ、36時間後の最大筋力を測定しました。プラセボ群の筋力低下が等尺性12%/短縮性28%/伸張性19%に留まったのに対し、アルコール群では34〜40%まで低下しました。「飲んだ翌日にトレすればいい」ではなく、「飲んだ翌々日まで筋出力は戻りきらない」のが現実です。
カフェインで覚醒しても合成も筋力も戻らない
ここがいちばん重要なポイントです。覚醒系のカフェインを入れても、筋タンパク合成の阻害も、最大筋力の低下も薬理学的に取り戻せません。脳の「やる気」と体の「実力」が乖離した状態で重い重量を扱うのは、ケガとフォーム崩壊のリスクが上がるだけです。飲酒翌日の運用は「強度を落とす前提」で組むのが鉄則になります。
飲酒翌日のカフェイン×運動:判断フローと運用プロトコル
ここまでの研究を踏まえ、運動者専用の判断フローを示します。飲んだ量・経過時間・体感の3軸で組み合わせると、現場でも迷いません。私自身、会食翌朝のトレを10年運用してきた経験から、酒0.6g/kgを超えた翌日はカフェイン半量+強度70%で固定しています。これで怪我はゼロです。
ステップ1:血中アルコール濃度がゼロに戻ったか確認
標準的なアルコール代謝速度の目安は、1単位(純アルコール約20g=ビール中瓶1本/日本酒1合)あたり3〜4時間とされています。前夜23時にビール大瓶3本+日本酒1合(純アルコール約80g)を飲んだ場合、ゼロに戻るのは翌朝11〜13時。朝9時のジム入りでは、まだ血中にアルコールが残っている計算になります。代謝速度には個人差が大きく、体重・性別・体調・遺伝的体質で変動するため、あくまで概算として捉えてください。Liguori 2001が示すように、この状態でカフェインを足しても運動能力はプラセボ水準に戻りません。
ステップ2:水分・電解質を先に
飲酒翌日は利尿で軽度の脱水状態です。カフェインの利尿作用が重なるとさらに脱水が進むため、コーヒーより先に水500mlと電解質(経口補水液または塩タブ)を入れます。ここを省くと、トレ中の動悸・めまいが出やすくなります。
ステップ3:カフェインは普段の半量〜2/3
普段3〜6mg/kgで運用している方は、飲酒翌日は1.5〜3mg/kg(体重70kgで105〜210mg、ドリップコーヒー1〜2杯)に抑えます。Gualberto 2024が示す血圧上昇への配慮と、覚醒で運動能力を錯覚するリスクを下げるためです。エナジードリンクは選択肢から外し、コーヒーまたは緑茶にしてください。量と体重比mg/kgの考え方は カフェインの1日摂取量は何mg?体重別の早見表で運動者の最適量を解説 に詳しくまとめています。
ステップ4:強度は70%、ボリュームも2/3
Parr 2014・Barnes 2010の数値を踏まえ、飲酒翌日のトレは強度70%(普段5×5なら4×6〜5×8で重量を80%程度)、総ボリュームを2/3に落とします。私の現場運用では、ベンチプレス・スクワット・デッドリフトのような高重量種目は外し、マシン中心のパンプアップ+有酸素20分に切り替えるのが定番です。「翌々日まで筋出力は戻らない」前提で組むと、ケガ予防と回復の両立がしやすくなります。
ステップ5:タイミングは半減期も考える
カフェインの半減期は通常5時間前後です。飲酒翌日は脱水と肝代謝全体の負荷が残っているため、半減期が普段より長めに感じられる場合があります。夕方以降のカフェインは控えめにし、夜の睡眠を優先してください。半減期とタイミングの基本ルールは カフェインは何時間効く?運動前のベストタイミングと寝る前の最終ライン を参照してください。
やってはいけない3パターン
研究データと現場経験を統合すると、運動者が絶対に避けるべきパターンは次の3つに集約されます。
パターン1:プレワークアウトサプリ+飲酒
プレワークアウトサプリは1スクープでカフェイン150〜400mg(一般的には200〜350mg、海外製で最大400mg)含むことが多く、これを夕食前に使った後の飲酒は循環器負担が一気に上がります。Gualberto 2024の血圧上昇とアルコールの血管拡張が衝突し、動悸・不整脈感のリスクが高まります。プレワーク使用日は飲酒を避けるのが原則です。サプリの併用ルールは カフェインの飲み合わせ|クレアチン・プロテイン・BCAAと一緒に飲んでいい? に詳細をまとめています。
パターン2:宿酔朝の濃いコーヒー+高強度トレ
「迎え酒のコーヒーで覚醒させて高強度トレ」は、研究データで全否定されている運用です。Liguori 2001・Howland 2011が示すように、選択反応時間と運動協調はカフェインで戻らず、Barnes 2010が示すように最大筋力は34〜40%低下したままです。覚醒は上がる、実力は落ちている、という最もケガをしやすい状態を作ります。
パターン3:エナジードリンク+焼酎ハイ/ハイボール
米国疾病対策センターも警告している組み合わせです。Marczinski 2011/2012が示す行動抑制の障害、Verster 2016/Speroni 2023が示す関連リスクの増加が重なります。運動者にとっては翌日のトレ強度を読み違える最大要因。会食でテンションを上げたい場合は、ノンアルコールカクテル+通常のコーヒーで代替するか、酒を飲むならエナドリと混ぜず単独で飲んでください。
よくある質問
Q. 迎え酒のコーヒーは効きますか?
効きません。Liguori 2001の比較試験では、カフェイン200/400mgとアルコール0.6g/kgを組み合わせても、選択反応時間と立位の体動揺はプラセボ水準に戻らず、ブレーキのような単純反応のみが部分的に改善しただけでした。Howland 2011の127名規模の試験でも結論は同じです。「気分は楽になる」が「能力は戻らない」のがカフェインの限界。宿酔の朝は水分補給と栄養補給を優先してください。
Q. ノンアルコールビール+コーヒーは大丈夫ですか?
大丈夫です。ノンアルコール飲料はアルコール度数0.00%表示であれば血中アルコール濃度は上がらず、本記事で議論しているリスクの大半は発生しません。ただし「微アルコール」(0.5%程度)製品は微量とはいえアルコールが含まれるため、運転や高強度トレ前は避けるのが無難です。
Q. エナドリ+焼酎ハイで動悸が出ました。次はどうすれば?
まず、その日のうちにアルコールとカフェインを追加で入れないでください。動悸が15分以上続く、胸痛・冷や汗を伴う場合は救急受診が必要です。落ち着いたら水と電解質を補給し、翌日のトレは中止または超低強度(散歩・ストレッチのみ)に切り替えます。Gualberto 2024とMarczinski 2012の研究を踏まえると、エナドリ+酒の組み合わせは今後避けるのが現実的です。動悸が繰り返し起こる方は、カフェインが効きすぎる体質の可能性もあるため カフェインが効かない・効きすぎるのはなぜ?体質と遺伝子で決まる個人差を解説 もご覧ください。
Q. 飲酒翌朝のプレワークアウトサプリは飲んでいいですか?
避けてください。プレワーク1スクープのカフェイン量(150〜400mg)は、飲酒翌日の脱水・血圧上昇と組み合わせるには重すぎます。どうしてもトレ前に活を入れたい場合は、コーヒー1杯(カフェイン80〜100mg程度)に留め、強度を70%に落としてください。普段プレワークを使っている方こそ、飲酒翌日は「半量+低強度」の運用が安全です。
Q. 休肝日にカフェインは控えるべき?
控える必要はありません。休肝日はアルコール代謝の負担を抜く日であり、カフェイン代謝とは別系統(CYP1A2という肝臓の酵素)です。普段どおりの運用で問題ありません。むしろ睡眠の質を高めたい方は、休肝日こそ夕方以降のカフェインを控えると深い睡眠を取りやすくなります。
Q. 二日酔いトレで脱水になりやすいのはなぜ?
アルコールは抗利尿ホルモンを抑制するため、飲んだ量以上の水分が尿として排出されます。翌朝は軽度の脱水+電解質バランスの乱れが残っており、ここにカフェインの利尿作用が重なるとさらに進みます。トレ前に水500ml+電解質を先に入れる運用が必須です。コーヒーは水分補給の代わりにはなりません。
まとめ
- カフェインで「酔いが醒める」は神話:自覚覚醒は上がるが、血中アルコール濃度・選択反応時間・運動協調は改善しない(Benson 2014、Ferreira 2006、Liguori 2001、Howland 2011、McKetin 2015)
- エナドリ+酒は覚醒マスキングだけ起こる:行動抑制・運動協調の客観障害は併用でも残る(Marczinski 2011/2012)
- エナドリ+酒の常用群は元々多飲傾向:攻撃行動・関連被害との関連も報告されている(Verster 2016、Speroni 2023)
- 因果まで断定はできない誠実な反論もある:自覚酔い・総飲酒量で有意差なしの分析もある(Verster 2018)
- エナジードリンク単体で血圧が平均4.71mmHg上昇:飲酒翌日の脱水状態で重ねるのはリスク(Gualberto 2024)
- 飲酒は筋肉の合成を24〜37%阻害:プロテイン併用でも完全には打ち消せない(Parr 2014)
- 偏心運動後アルコールで最大筋力が34〜40%低下:飲酒翌日のトレ強度は70%が安全(Barnes 2010)
- 飲酒翌日の運用5ステップ:血中アルコール濃度ゼロまで待つ/水と電解質先行/カフェインは半量〜2/3/強度70%・ボリューム2/3/夕方以降は控えめ
- 全体像を俯瞰するには:効果・量・タイミング・副作用・体質差・併用ルールを横断的にまとめた カフェイン×筋トレ完全ガイド|効果・量・タイミング・副作用 で、本記事の位置づけも見えてくる
カフェインとアルコールは、家庭で最も頻繁に同居する2つの薬理活性物質です。研究データを見渡すと「打ち消せる組み合わせ」ではなく「重ねるとリスクが見えにくくなる組み合わせ」だと分かります。完全禁酒を勧める意図はありません。飲んだ翌日のトレを諦める必要もありません。覚醒で錯覚しないこと、強度を落とすこと、水分を先に入れること。この3つを守れば、飲み会と運動はちゃんと両立できます。
【次に読むべきおすすめ記事】
本文で深く参照した関連記事を、優先度の高い順に並べました。
- カフェインの効果・量・タイミング・副作用を運動者向けに総まとめ → カフェイン×筋トレ完全ガイド|効果・量・タイミング・副作用
- 動悸・血圧上昇・過剰摂取への時系列対処と感受性差 → カフェインの副作用|動悸・血圧上昇・過剰摂取の安全ライン徹底解説
- クレアチン・プロテイン・薬・プレワークとの併用ルール → カフェインの飲み合わせ|クレアチン・プロテイン・BCAAと一緒に飲んでいい?
参考文献
FitOnlineでは数千件のフィットネス関連論文を解析し、その内容をひとつずつ人間が確認したうえでデータベース化しています。このデータベースからあなたの疑問や悩みに直接答える検索エンジン「FitOnline Lab」もご活用ください。
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この記事を書いた人
フィット
- 2014年7月 筋トレスタート(歴12年)
- 2018年5月 パーソナルトレーナースタート(歴8年)
- 2019年6月 社内で最速級の速さで店長へ就任
- 2020年4月 フリーランスパーソナルトレーナーとして独立
- 2022年7月 株式会社FITONLINE設立
- 2026年3月 FitOnline Labを開発。2,000以上のフィットネス関連論文を査読。
- 2026年7月 FitOnlineで試飲したプロテイン33ブランド・301フレーバー
- パーソナルトレーナーとして最高月収150万円達成
- 実際に飲んで試してきたサプリメント30種以上
- ANYTIME、JOYFIT、FASTGYM、ゴールドジム、FIT PLACE、東急スポーツオアシスなど計10以上の大手ジム利用経験あり
- 通算1,000名以上のお客様へカウンセリング・セッション
- お客様の最高減量幅34kg
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