WPIとWPCの違いを300種以上飲み比べたトレーナーが解説|あなたに合うのはどっち?

WPIとWPCの違いを300種以上飲み比べたトレーナーが解説|あなたに合うのはどっち?

「WPIとWPC、結局どっちを買えばいいの?」「プロテインを飲むとお腹がゆるくなる気がする、、、」プロテイン選びで、こんな悩みを感じたことはありませんか?この記事では、WPIとWPCの本当の違いと、あなたが選ぶべき1つを、WPCとWPIを10年以上使い分け、300種類以上を飲み比べてきた経験を踏まえて結論からお伝えします。

筆者は筋トレ歴12年・トレーナー歴8年。クライアントの栄養・サプリ指導はもちろん、自分自身のボディメイクや減量でも数えきれないほどのプロテインを使い込んできました。実は軽いホエイ特有の乳糖不耐症があり、だからこそWPCとWPIの両方を10年以上飲み比べ、その違いと使い分けを身をもって確かめてきました。本記事は、筆者自身が体で確かめてきた経験、当メディアFitOnlineでWPC・WPI・ソイなど累計300種類以上を試飲してきた実績、そして最新の研究論文にもとづく信頼性という、3拍子をそろえてまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

【結論】WPIとWPCの違いは30秒でわかる

細かい話に入る前に、まず結論からお伝えします。WPIとWPCの違いを一言でいうと、WPI(アイソレート)はより精製されてタンパク質の純度が高く、乳糖・脂質・糖質が少ないタイプWPC(コンセントレート)は精製がゆるやかで、乳糖や脂質が残るぶん価格が安く、コクのある味わいが特徴です。成分やカロリーを細かく管理したい人や乳糖に弱い人はWPI、コスパや味を重視したい人はWPCが基本の選び方になります。

違い早見表|成分・乳糖・価格・味で一目比較

代表的なホエイプロテイン1食(約30g)あたりの目安をまとめました。実際の数値は製品によって変わるので、あくまで傾向として見てください。

比較項目 WPC(コンセントレート) WPI(アイソレート)
タンパク質含有率 約70〜80% 約90%以上
1食あたりタンパク質 20〜24g 25〜27g
乳糖 比較的多く残る ごく少ない
脂質・糖質 やや多め(各2〜5g) ごく少ない(各1g前後以下)
味の傾向 ミルク感・コクが出やすい さっぱりして後味が軽い
価格の目安(1kgあたり) 約4,000〜5,500円 約5,500〜7,000円
向いている人 コスパ重視・増量中・牛乳でお腹を壊さない人 成分・カロリーを細かく管理したい人・乳糖に弱い人

30秒診断|あなたに合うのはどっち?

次のうち、自分に当てはまる方を選んでみてください。

  • WPIが向いている人:牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする/減量中で脂質・糖質を1gでも削りたい/飲んだあとのお腹の張りやおならが気になる
  • WPCが向いている人:とにかくコスパよく続けたい/増量中でカロリーもしっかり摂りたい/甘くてコクのある味が好き

どちらとも言えず迷うなら、まずは安くて続けやすいWPCから始めて、お腹の調子が気になるようならWPIに切り替えるのがおすすめです。

実は私自身も軽い乳糖不耐で、普段はWPIを基本に飲んでいます。WPCを飲むときは、いつもより水分を少し多めにして、ゆっくり飲むのがコツ。これだけでお腹の張りがだいぶ違いますよ。

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この後で、それぞれの違いと選び方をくわしく解説していきます。

WPI・WPCとは?それぞれの特徴を解説

ここからは、WPCとWPIがそれぞれどんなプロテインなのかを、あらためて特徴ごとに解説します。名前は似ていますが、成り立ちと得意なことがはっきり違います。

WPC(ホエイプロテインコンセントレート)とは

WPC(Whey Protein Concentrate)は、牛乳の乳清(ホエイ)をろ過してタンパク質を濃縮したタイプです。タンパク質含有率は約70〜80%で、乳糖や脂質もほどよく残っています。市販のホエイプロテインの多くはこのWPCで、もっとも標準的で手に取りやすいタイプといえます。

  • メリット:価格が安く続けやすい/乳成分由来のコクがあり味のバリエーションが豊富/増量期は脂質・糖質もエネルギーとして活きる
  • デメリット:乳糖が多めに残るので、乳糖に弱い人はお腹を壊しやすい/WPIより1食あたりのタンパク質量はやや少なめ

WPI(ホエイプロテインアイソレート)とは

WPI(Whey Protein Isolate)は、WPCをさらに高度にろ過・精製してタンパク質含有率90%以上まで高めたタイプです。追加のろ過工程によって、乳糖や脂質が大きく取り除かれています。高タンパクで、脂質・糖質・乳糖が少ないのが最大の特徴です。

  • メリット:1食あたりのタンパク質量が多い/脂質・糖質・乳糖が少ない/乳糖に弱い人でも飲みやすく、減量中や栄養管理を細かくしたいときに向く
  • デメリット:WPCより価格が高め/乳糖や脂質が少ないぶん、味がさっぱりして物足りなく感じる人もいる

(補足)WPHとは?WPC・WPIとの違い

WPH(Whey Protein Hydrolysate)は、ホエイのタンパク質をあらかじめ酵素などで細かく分解(加水分解)したタイプです。消化・吸収がさらに速く、お腹にやさしいとされますが、そのぶん価格は高めで、WPI・WPCほど一般的ではありません。

本記事の主役はWPCとWPIなので、ここでは軽く触れるだけにとどめます。WPHのくわしい特徴と選び方は、 WPH(加水分解ホエイ)プロテインとは?最速吸収の効果と注意点を解説 にまとめています。

WPIとWPCの違いを項目別に徹底比較

成分の違い(タンパク質量・脂質・糖質・乳糖・カロリー)

WPCとWPIの成分の違いは、「精製(ろ過)をどこまで進めているか」から生まれます。WPC(コンセントレート)は牛乳の乳清をろ過して濃縮したタイプで、乳業分野のレビュー(Smithers)によるとタンパク質含有率は約70〜80%。残りは乳糖・脂質・ミネラルなどです。いっぽうWPI(アイソレート)は、そこからさらにろ過を重ねて含有率90%以上まで高めたタイプで、乳糖や脂質が大きく取り除かれています。

この差は、1食あたりの数字にそのまま表れます。同じ約30gでも、WPIのほうがタンパク質量が多く、脂質・糖質・カロリーは少なめ。減量中など「同じカロリーでできるだけタンパク質を摂りたい」ときにはWPIが有利です。逆にWPCは、多少の脂質・糖質があることが、増量期には「エネルギー源」として役立つ場面もあります。

LYFTプロテイン WPCとWPIの栄養素の違い

イメージしやすいように、同じブランドの同じフレーバーで比べてみましょう。上の画像は、国産ブランドのLYFT(リフト)のチョコレート味を、WPC版とWPI版で並べた栄養成分表示です。どちらも同じ900gのチョコ味ですが、1食(30g)あたりの中身はこれだけ違います。

  • WPC チョコレート:たんぱく質 21.6g/脂質 2.2g/炭水化物 3.6g/119kcal(表示上の含有率75.8%)
  • WPI チョコレート:たんぱく質 25.8g/脂質 0.7g/炭水化物 1.6g/115kcal(表示上の含有率91.4%)

同じチョコ味でも、WPI版のほうがたんぱく質は約4g多く、脂質は3分の1以下、炭水化物も半分以下。「精製を進めると成分がどう変わるか」が、そのまま数字に表れているのがわかります。LYFTの全13種の飲み比べと選び方は、 LYFT(リフト)プロテインWPC8種・WPI5種を徹底比較!おすすめランキングと選び方完全ガイド でくわしく紹介しています。

なお、カッコ内の含有率には注意点があります。パッケージをよく見ると「製品無水物あたり」と小さく書かれており、これは水分を除いて計算した数字です。実際の1食30gで計算すると、WPCが72.0%、WPIが86.0%。表示の数字より低くなるのが普通なので、ここは後半のチェック術でくわしく説明します。

具体的な数値の目安は、前半の早見表を参考にしてください。ただし実際の値はフレーバーやメーカーで変わるので、最終的にはパッケージ裏の栄養成分表示を確認するのが確実です。

味・香り・溶けやすさの違い【300種飲み比べの実感】

味の違いを一言でいうと「濃さ」です。300種類以上を飲み比べてきて、甘さやコクが強いのは、どう考えてもWPCだと感じます。乳糖や脂質が残っているぶん、ミルクのような甘みとコクがしっかり出るからです。「甘い=おいしい」と感じる人なら、WPCを選んでまず間違いありません。

この違いは、チョコレートフレーバーで例えると一番わかりやすいです。これまで50種類近いチョコ系フレーバーを飲んできましたが、WPCのチョコは、甘く濃厚な「チョコレートドリンク」そのものという商品が多め。いっぽうでWPIのチョコは、チョコというより「ココアドリンク」に近い、すっきりした味わいです。この濃さの差こそ、WPCとWPIの味の違いだと感じています。

どちらがおいしいかは、好みや年齢でも変わります。甘いほどうれしいなら断然WPCですが、とくにトレーニング直後は、甘ったるいプロテインよりWPIの程よい甘さがちょうどいいと感じる人も少なくないはずです。

実は私も20代前半のころは、とにかく甘いプロテインばかり選んでいました。それが30代になると、WPIの程よい甘さがちょうどいいと感じるように。年齢や飲むシーンで「おいしい」の基準は変わるので、ぜひ両方試してみてくださいね。

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溶けやすさについては、WPI・WPCというタイプの差よりも、商品ごとの差の方が大きいのが正直なところです。最近はどちらも改良が進み、シェイカーで振ればしっかり溶ける商品がほとんど。溶けやすさで選ぶなら、タイプよりも実際のレビューを参考にした方が失敗しません。実際に飲み比べたフレーバーごとの評価は、 本当に美味しいプロテインおすすめランキング|味別で厳選 でランキングにまとめています。

価格・コスパの違い

価格は、同じブランド・シリーズならWPIのほうが1kgあたり1,000〜2,000円ほど高くなるのが一般的です。精製の工程が増えるぶん、どうしてもコストが上がるためです。先ほどのLYFTでも、同じフレーバーでWPI版のほうがWPC版よりやや高めに設定されています。

ただし、見かけの値段だけで「WPCが得」と決めるのは早計です。WPIはタンパク質の含有率が高いので、タンパク質1gあたりの単価で計算すると、価格差は思ったより小さくなることがあります。「1袋の値段」ではなく「タンパク質1gあたりいくらか」で比べると、本当のコスパが見えてきます。

出費をとにかく抑えたい人や、家族みんなで大量に飲む人はWPCが有利。減量期に余計なカロリーを削りたい人や、乳糖に弱い人は、WPIに投資する価値があります。

体質への影響(お腹がゆるくなる・乳糖不耐症・おなら)

プロテインを飲むとお腹がゴロゴロする、ガスやおならが増える、下痢っぽくなる。こうした不調の多くは、WPCに残っている乳糖が原因のことがあります。牛乳を飲むとお腹を壊しやすい「乳糖不耐」の人は乳糖をうまく分解できず、プロテインでも同じような症状が出やすいのです。

その点、WPIはろ過段階で乳糖が大きく取り除かれているため、乳糖に弱い人でも比較的おだやかに飲めることが多いです。「プロテインでお腹を壊すからやめた」という人こそ、一度WPIを試す価値があります。

目的・体質別|あなたに合うのはどっち?

ここからは、体質と目的に分けて「結局どっちを買えばいいのか」をはっきり結論づけていきます。順番が大事なので、まずは体質の話から読んでください。

乳糖不耐症・お腹が弱い人に向いているのは?

いちばん最初に確認してほしいのが、体質です。WPCを飲むとお腹を下す人、体の不調を感じる人は、迷わずWPIを選んでください。ここに関しては、コスパも味も関係ありません。選択の余地はないと思ってもらって大丈夫です。

目安になるのは、次のような症状です。

  • 牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする、下してしまう
  • プロテインを飲んだあと、お腹が張ったりガスが増えたりする
  • 飲んだ日に限って、なんとなく体が重い・調子が悪い

こうした不調をがまんしながら飲み続けても、いいことは何もありません。お腹が痛くなるプロテインは、どれだけ安くても結局は続かないからです。栄養を摂るために飲んでいるのに、体調を崩していては本末転倒。ここは価格差を気にせず、WPIに投資すべき場面です。

それでもまだ不調が出るなら、原因が乳糖ではなく、乳のタンパク質そのものや甘味料のほうにある可能性もあります。その場合はソイプロテインなど、乳を使わない植物性のプロテインに切り替えるのが確実です。

ただし、症状がお腹が張る、少しゴロゴロする程度であれば、飲み方しだいでWPCとうまく付き合っていくこともできます。

私自身、乳糖の影響をはっきり感じるタイプです。WPCだとお腹が張ったりゴロゴロしたりしますが、WPIに変えるとその感覚がほとんどなくなります。ただ、張る程度の症状ならWPCとも付き合えます。水をいつもより少し多めにして、一気にではなくゆっくり飲む。これだけでもかなり違いますよ。

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逆にいえば、体質に問題がない人は、ここから先は自由に選んでかまいません。目的に合わせてWPCとWPIを比べていきましょう。

ダイエット・減量中ならどっち?

「減量中ならWPI」。世の中ではこう言われがちですが、FitOnlineの結論は違います。減量中は、WPCでもWPIでもどちらでもかまいません。

根拠は、先ほどのLYFTプロテインの数字です。WPCが119kcal、WPIが115kcalで、カロリーの差はたったの4kcal。「WPIに変えれば痩せる」という話ではまったくありません。この程度の差のために、高いほうを無理して買う必要はないのです。

それよりも減量中に大事なのは、できるだけストレスを減らして、自分に合った1つを飲み続けられることです。乳糖の問題がある人は先ほどのとおりWPI一択ですが、そうでないなら、つらい食事制限のなかで少しでもおいしいものを飲みたいという理由で、好きなWPCを選んでまったく問題ありません。続けられるほうが正解、というのがFitOnlineの立場です。

ただし例外もあります。WPC1杯で150kcalを超えるような製品は、脂質や糖質が多めに配合されていることがあります。この場合はWPIに乗り換えるというより、もっとシンプルな配合のWPCに変えるほうが、コストを抑えたまま解決できます。カロリーが気になったら、まずは同じWPCのなかで見直してみてください。

もうひとつ、減量が終盤に入ってきたときの考え方も付け加えておきます。この時期はプロテインの回数を減らす、あるいは一度やめて、できるだけ食事からタンパク質を摂るほうがうまくいきます。鶏むね肉や魚、卵といった食べ物は、かむ回数が多いぶん満足感が段違い。同じタンパク質量でも、空腹との戦いがぐっと楽になります。

自分自身の減量でも、「WPCだから落ちない」と感じたことは一度もありません。むしろ減量が進むほど意識は食事のほうに向いていって、WPCかWPIかはだんだん気にならなくなります。まずは食事のカロリー収支の精度を上げるのが先。WPIへの切り替えは、最後の詰めとして考えるくらいでちょうどいいですよ。

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筋肉量アップ・バルクアップならどっち?

増量期は、はっきりWPCです。

理由はシンプルで、筋肉を増やすには、消費カロリーを上回るカロリーを摂る必要があるからです。この時期に削るべきものは何ひとつありません。WPCに残っている脂質や糖質は、減量中なら削りたい相手ですが、増量中はそのままエネルギーとして味方になってくれます。わざわざ高いお金を払って、必要なカロリーをそぎ落としたWPIを選ぶ理由がないのです。

それどころか、もっとカロリーの高いWPCに切り替えるのも有効な手です。糖質や脂質を多めに配合した製品や、意図的にカロリーを高く設計された増量向けの製品もあります。「食が細くて食事だけではカロリーが足りない」という人ほど、この選択肢は効いてきます。1杯で稼げるカロリーが増えれば、それだけ食事のハードルが下がるからです。

さらに、WPCは1kgあたり1,000〜2,000円ほど安く続けられます。浮いた予算を、プロテインの量そのものや食事に回せるのも大きなメリット。増量期に効いてくるのはプロテインの純度ではなく、トレーニングの質と、毎日きちんとカロリーを積み上げられているかどうかです。

初心者・まずは1袋目ならどっちが無難?

はじめての1袋なら、まずはWPCからで問題ありません。価格が安く、味の種類も豊富。多くの人はWPCで何の不調も出ませんし、いきなり高いWPIを選ぶ理由はどこにもないからです。

ただし、ひとつだけ落とし穴があります。プロテインを飲んだ経験がないと、自分が乳糖に弱いかどうかを知らないことです。はっきりした牛乳アレルギーがある人なら自覚がありますが、軽い乳糖不耐は気づいていない人が本当に多い。知らずに1kgを買って、飲むたびにお腹を壊し、結局そのまま棚の奥へ。これがいちばんもったいないパターンです。

そこでおすすめしたいのが、買う前の簡易チェックです。やり方は簡単で、次のようなものを試してみるだけ。

  • コップ1杯の牛乳を飲んでみる
  • 市販のヨーグルトを食べてみる
  • コンビニで売っている小さなプロテインドリンクを1本飲んでみる

飲んだあと数時間、お腹の張りやゴロゴロ、ガスが出ないかを確かめます。数百円で、1kgを無駄にするリスクを消せると考えれば、これほど確実な投資はありません。何ともなければWPCへ、あやしい反応が出たなら最初からWPIへ。それだけで1袋目の失敗はほぼなくなります。

もうひとつ、初心者ほどいきなり大容量を買わないことも大切です。まずは1kg前後を1袋飲み切って、味・お腹の調子・続けやすさの3つを確かめる。この1袋が、自分の体質と好みを知るいちばん確実なテストになります。

そして初心者の方に何より大切なのは、プロテインを毎日飲む習慣をつくることです。どれだけ成分が優秀でも、おいしくなければ続きません。続けやすい味のプロテインを厳選したおすすめランキングは、 本当に美味しいプロテインおすすめランキング|味別で厳選 にまとめています。

WPIかWPCかを見分けるコツ|パッケージのここだけ見ればOK

自分に合うタイプが決まったら、あとは売り場やネットの商品ページで見分けるだけです。難しく考える必要はなく、見るべき場所はたった2か所。ここを押さえておけば、買い物で迷うことはなくなります。

まず確認するのは、パッケージ正面や商品名の表記です。「WPI」「アイソレート」「ISOLATE」という言葉が入っていれば、WPIで間違いありません。WPIは価格の高い上位ラインなので、メーカーは必ず売り文句として大きく書きます。逆にいえば、どこにも書かれていない製品は、ほぼWPCと考えてかまいません。

ただし「WPI配合」という書き方には注意が必要です。これはWPCとの混合タイプで、WPIがごくわずかしか入っていない場合もあります。

そこで確実なのが、成分表示から自分で計算する方法です。計算式はいたってシンプル。

  • タンパク質含有率(%)= 1食あたりのタンパク質量 ÷ 1食分の粉の量 × 100

先ほどのLYFTで計算してみましょう。WPCは1食30gでタンパク質21.6gなので、21.6 ÷ 30 × 100 で72.0%。WPIは25.8gなので、86.0%です。判定の目安は次のようになります。

  • 85%以上:WPI
  • 80%前後:WPIとWPCの混合タイプの可能性
  • 70%台:WPC

ここで「あれ?」と思った人もいるはずです。LYFTのパッケージにはWPCが75.8%、WPIが91.4%と書かれているのに、計算すると72.0%と86.0%。数字が合いません。

LYFTプロテイン WPCとWPIのパッケージ裏面 タンパク質含有率の表示

タネは、実際のパッケージに写っています。上の写真の「PROTEIN 91.4%」のすぐ横を見てください。小さな文字で「タンパク質含量(製品無水物当たり)」と書かれています。これは水分を除いた状態で計算した数字で、プロテインではよく使われる表示方法です。粉には数%の水分が含まれるため、この書き方をすると含有率は実際より高く出ます。さらに香料や甘味料が加われば、1食あたりの実質的な含有率はもう少し下がります。

メーカーがごまかしているわけではなく、ルールにのっとった正しい表示です。ただ「90%以上」という宣伝文句と、実際に口に入る1食分の中身は別物だということは、知っておいて損はありません。だからこそ、自分で計算する意味があります。スマホの電卓で10秒あればできるので、気になった製品はその場で確かめてみてください。

WPI・WPCのよくある疑問Q&A

最後に、WPIとWPCについてよく寄せられる疑問にまとめて答えていきます。

WPIとWPCは実は変わらない?

成分ははっきり違いますが、体づくりの結果という意味では「そこまで変わらない」というのが正直なところです。

タンパク質の含有率も乳糖の量も、数字で見れば明確に差があります。ただ、その差が体に表れるかというと、話は別です。1日にきちんとタンパク質を摂れていて、トレーニングも続けているなら、WPCだから筋肉がつかない、WPIだから体脂肪が落ちるといったことは起こりません。

これは研究でも確かめられています。運動している人を対象にした複数の試験をまとめたCastroら(2019年)の分析では、WPC・WPI・WPH(加水分解タイプ)のあいだで、除脂肪体重の増え方に明確な差は見られなかったと報告されています。「高いWPIでないと筋肉がつかない」ということはない、と考えて大丈夫です。

だからこそ、選ぶ基準は「効果」ではなく「お腹に合うか」「おいしく続けられるか」「無理なく買える値段か」の3つでいい。「実は変わらない」という言葉は、半分は正しいと考えています。

吸収速度はどれくらい違う?

WPIのほうがやや速いといわれますが、体感できるような差ではありません。

WPIは乳糖や脂質が少ないぶん、胃にとどまる時間が短く、そのぶん吸収も早いと考えられています。ただ、その差はせいぜい数十分ほど。トレーニング後にどちらを飲んだかで、筋肉のつき方が変わるようなレベルの話ではありません。

よく言われる「トレーニング後30分以内のゴールデンタイム」も、いまはそこまで神経質になる必要はないとされています。国際スポーツ栄養学会の指針(Jägerら, 2017年)でも、トレーニングによって体がタンパク質を使おうとする状態は24時間ほど続くと説明されています。数十分の吸収差を気にするより、1日を通してタンパク質が足りているかどうかのほうが、はるかに重要です。

WPIとWPCの混合タイプってどうなの?

価格と味のバランスを取りたいなら、選択肢として十分ありです。実際、市販のプロテインにはWPCとWPIを混ぜた製品が数多くあります。WPCのコクを残しながら、タンパク質の含有率を少し高められるのが強みです。

ただし、注意点が2つあります。ひとつは配合の比率が公開されていない製品が多いこと。「WPI配合」と書かれていても、実際にはごくわずかしか入っていない場合もあります。判断に迷ったら、パッケージ裏の栄養成分表示を見て、タンパク質含有率を自分で計算するのが確実です。

もうひとつは、乳糖不耐の人の解決策にはなりにくいことです。WPCが混ざっている以上、乳糖はそれなりに残ります。お腹の不調が理由でWPIを検討しているなら、中途半端に混合タイプを選ばず、WPI100%の製品を選んでください

WPIとWPCを混ぜて飲んでもいい?

まったく問題ありません。どちらも同じ牛乳由来のホエイプロテインなので、シェイカーの中で一緒にしても体に不都合が起きることはありません。

実際、袋の底に少しだけ残ったWPCと、新しく買ったWPIを合わせて飲む。こういう飲み方をしている人は多いはずです。WPIのさっぱりした味が物足りないときに、WPCを少し混ぜてコクを足すという使い方もできます。

ひとつだけ気をつけたいのが、乳糖に弱い人です。WPCを混ぜた時点で乳糖は入ってくるので、お腹の不調を避けたくてWPIにした人は、混ぜないほうが無難です。

1日何杯(何g)まで飲んで大丈夫?

多くの人は1日1〜2杯で十分です。「何杯までなら平気か」という上限を考えるより、食事で足りない分をプロテインで埋めるという順番で考えるほうが、ずっと実用的です。

国際スポーツ栄養学会の指針(Jägerら, 2017年)では、運動している人のタンパク質量として体重1kgあたり1.4〜2.0gが目安として示されています。体重70kgなら98〜140g。このうち食事から摂れている分を差し引いて、残りをプロテインで補う。それだけの話です。1食の肉や魚でだいたい20g前後は摂れるので、3食きちんと食べている人なら、プロテインは1〜2杯で足りる計算になります。

杯数を増やせば増やすほど良い、というものでもありません。飲みすぎればカロリーがかさみますし、一度にたくさん飲めばお腹が張る原因にもなります。1杯を1回で飲み切らず、時間をあけて分けて飲むだけでも、お腹への負担はかなり変わります。

迷ったらこの基準で選べばOK

最後に、WPIとWPCの選び方をもう一度だけ整理しておきます。

  • WPCでお腹を壊す人:迷わずWPI。ここに選択の余地はありません
  • そうでない人:減量中でも増量中でも、正直どちらでもかまいません
  • それでも迷うなら:まずは安いWPCを1kg。飲みながら自分の体で確かめるのがいちばん確実です

そして最後にもうひとつ。WPIかWPCかで悩む時間があるなら、1日のタンパク質量が足りているかを見直すほうが、体は確実に変わります。タイプの差は、その土台ができたうえでの微調整にすぎません。

筆者は筋トレ歴12年・トレーナー歴8年、これまで1000名を超える方の体づくりに関わってきました。自身も軽い乳糖不耐と付き合いながら、WPCとWPIを10年以上使い分けています。だからこそ言えるのは、いちばん良いプロテインは、あなたが毎日おいしく飲み続けられるものだということです。

続けやすい味を探している方は、実際に飲み比べた評価をまとめた 本当に美味しいプロテインおすすめランキング|味別で厳選 もあわせてご覧ください。ホエイ以外のソイやカゼインも含めて、プロテイン全体から選び直したい方は プロテインの種類とは?ホエイ・ソイなど全7種類の特徴をわかりやすく解説 が参考になります。

本当に美味しいプロテインおすすめランキング|味別で厳選

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プロテインの種類とは?ホエイ・ソイなど全7種類の特徴をわかりやすく解説

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参考文献

  1. Jäger R, Kerksick CM, Campbell BI, et al. International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. Journal of the International Society of Sports Nutrition. 2017;14:20.
    https://jissn.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12970-017-0177-8
  2. Smithers GW. Whey and whey proteins—from ‘gutter-to-gold’. International Dairy Journal. 2008;18(7):695–704.
    https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0958694608000344
  3. Castro LHA, de Araújo FHS, Olimpio MYM, et al. Comparative Meta-Analysis of the Effect of Concentrated, Hydrolyzed, and Isolated Whey Protein Supplementation on Body Composition of Physical Activity Practitioners. Nutrients. 2019;11(9):2047.
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6769754/

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