HMBを飲み続けた結果|1週間〜1年で何が起きるか時系列で正直に解説
「2週間飲んでも何も変わらない…」「3ヶ月続けたけど本当に効いてる?」HMBの効果は時期と属性で全く違う波形を描きます。15研究の時系列データと、指導の現場で見たクライアントのリアルから、いつ何が起きるかを正直に明かします。
筋トレ歴12年・トレーナー指導歴8年、口コミでは語られない「期間別の本当の体感」を15本の論文と照合してまとめました。
※本記事は学術研究の紹介を目的としたもので、医療行為や治療を推奨するものではありません。持病をお持ちの方、薬剤を服用中の方、妊娠中・授乳中の方、18歳未満の方は必ず主治医にご相談のうえご判断ください。
効果・飲み方・副作用・選び方など、HMBの全体像を先につかみたい方は HMBとは?効果の条件と選び方を最新エビデンスと現場視点で総まとめ【保存版】 にまとめています。
結論|HMBを飲み続けた時系列の早見表【1週/3週/2ヶ月/3ヶ月/半年〜1年】
最初に結論を、期間×属性のマトリクスで示します。HMBの「飲み続けた結果」は、飲んだ期間と飲んでいる人の属性で大きく変わります。同じ3ヶ月でも、70歳の親世代と熟練トレーニーでは観測される変化が別物です。
期間別に何が起きるかの早見
- 1〜2週目:体組成は変わらない。筋肉痛の引きが少し早く感じる人がいる程度。研究では尿中の筋分解マーカーが下がり始める時期(Nissen 1996)
- 3〜4週目:未訓練者・初心者で除脂肪体重に最初の兆しが見え始める分岐点。熟練者は体感ゼロが普通(Nissen 1996、Jowko 2001)
- 8〜12週目:属性差が一気に広がる時期。高齢者・サルコペニアでは握力や歩行速度に明確な改善、訓練済み男性は下半身筋力のみ伸びる傾向(Vukovich 2001、Yang 2023、Thomson 2009)
- 3〜6ヶ月:高齢者は持続的な改善、熟練トレーニーはプラトーへ。運動を併用すると運動が主役になりHMBの上乗せは見えにくくなる(Stout 2013、Rathmacher 2020)
- 半年〜1年:12ヶ月の長期摂取でも安全性が確認されている時期。ただし「効くか」は別問題で、効果が出ていない属性ではプラトーが続く(Rathmacher 2020、Rathmacher 2025)
撤退ラインの目安
3ヶ月飲んで挙上重量・回数・体組成のいずれにも客観的な変化がなければ、その人にはHMBが効きにくい属性と考えるのが妥当です。研究で効果が出ているケースの大半は8〜12週で何らかの数値が動いています。「もう少し続ければ効くかも」と半年・1年と続けても、効きにくい属性ではプラトーから抜け出さないのが実情です。
【1〜2週目】筋肉痛の引きは少し早くなる、体組成は変わらない時期
飲み始めて最初の2週間は、体組成も筋力もほぼ変わらないのが正常です。「2週間飲んでも何も実感がない」と不安になる声が多いですが、研究データから見ても2週で目に見える変化が出る方が稀です。
2週で起きるのは「筋分解の指標」が下がり始めること
HMB研究の原点である3週間の比較試験(Nissen 1996 Study 1、男性41名)を見てみます。HMB摂取群では尿中の3-メチルヒスチジン(筋肉が分解されたときに尿に出る指標)が偽薬群よりはっきり減少し、筋ダメージを示す血中の酵素も下がりました。挙上重量も研究全体で増加傾向を示しています。
ただしこれらは血液・尿の検査で初めて分かる変化で、鏡で見たり体重計に乗ったりしても本人には体感できないレベルです。「飲んでるけど何も変わらない」と感じるのは、この時期としては当たり前の反応と理解してください。
主観で気づきやすいのは「筋肉痛の引き」
とはいえ、ハードに筋トレをしている方の一部は「翌日の筋肉痛が和らいだ気がする」と報告することがあります。HMBには筋タンパクの分解を抑える働きがあるため、運動後の筋ダメージがやや軽減される機序は説明可能です。ただし主観の体感差なので、過度な期待は禁物です。
HMBを始めて2週目のクライアントから「最初の変化って筋肉痛の引きの早さなんですね」と言われたことが何度もあります。鏡や体重では何も見えないけれど、ベンチプレスの翌々日に胸の張りがいつもより楽だった、という細かい体感の話です。あくまで主観ですが、Nissen 1996が示した筋分解マーカーの減少と方向性は一致するので、私はこの段階の体感を否定せずに「いい兆候かも」と受け止めるようにしています。
【3〜4週目】未訓練者で除脂肪体重に最初の兆しが見える境界線
3〜4週目は「効果いつから」の答えになる時期です。未訓練者・初心者では除脂肪体重に最初の兆しが見え始める一方、熟練者は依然として変化を感じない、という属性差がここから始まります。
3週で除脂肪体重が動き始める研究データ
Nissen 1996 Study 2(男性28名、7週間)では、HMB群の除脂肪体重が2週目および4〜6週目にはっきり増加しました。摂取の早い段階から数値が動き始めることを示した、代表的なデータです。
4群比較の比較試験(Jowko 2001、男性40名、3週間)でも、偽薬と比べて除脂肪体重が、HMB単独で約+0.39kg、クレアチン単独で約+0.92kg、HMB+クレアチン併用で約+1.54kg増加と報告されています。3週間という短期間でも、HMBで小幅ながら体組成が動く可能性が示唆されました。
ただし熟練者では3週では何も変わらない
同じ3〜4週でも、トレーニング経験者を対象にした研究では別の景色が見えます。9件の研究・394名の若年男性を訓練経験で分けた統合分析(Rowlands 2009、平均介入5±2週)では、未訓練者の下半身筋力が約+9.9%伸びた一方、訓練済みではほぼ変化なしという結果でした。
つまり「3週で変化が出る」のは初心者・未訓練者の話で、すでに筋トレを半年以上続けている方は、3〜4週ではまだ何も観測されないのが普通です。「友達は3週で変わったのに自分は変わらない」と焦る必要はなく、属性の違いが時系列に出ているだけと理解してください。
「効果いつから」の現実的な答え
研究データから「効果いつから」の問いに正直に答えると、こうなります。
- 未訓練者・筋トレ初心者:3〜4週で除脂肪体重や下半身筋力に小幅な動きが出る可能性
- 訓練済み(半年〜数年):3〜4週ではほぼ何も観測されない。8〜12週まで判断保留
- 高齢者:8週前後から握力や歩行速度に変化が出始める研究が多い
【8〜12週目】属性で差が大きく広がる分岐点
8〜12週目は、属性による差が一気に広がる時期です。高齢者・サルコペニアでは目に見える機能改善が報告される一方、訓練済み男性は下半身筋力のみ伸びる、という分岐点になります。
高齢者では8週で筋トレの効果が大きく上乗せされる
70歳の高齢者31名を対象にした8週間の比較試験(Vukovich 2001)では、HMB群で除脂肪体重が約+0.8kg、偽薬群では約−0.2kgと、両群の差で約1kgの違いが報告されました。皮下脂肪も、HMB群で偽薬群より大きく減少しています。高齢者にとっての「8週で1kg」は機能維持の意味で大きな数字です。
サルコペニアの12週で握力と歩行速度が改善
60歳以上のサルコペニア34名を対象にした12週間の比較試験(Yang 2023)では、HMB群で握力・歩行速度・5回起立のタイム・筋質のいずれも改善と報告されました。日常生活で実感できるレベルの機能改善です。「立ち上がりが楽になった」「歩くのが速くなった」と本人が気づくのは、この時期に該当します。高齢者・サルコペニア領域の効果量や介護現場での使い方は HMBは高齢者の筋肉に効く?寝たきり・サルコペニア対策を研究で解説 で詳述しています。
訓練済み男性は下半身筋力のみ伸びるパターン
一方、訓練済みの若年男性22名を対象にした9週間の比較試験(Thomson 2009)では、結果がこうなりました。
- レッグエクステンション1RM:約+9.1%の上乗せ(実質的な伸び)
- ベンチプレス1RM:約−1.9%(差なし〜やや低下)
- 平均筋力:約+1.6%(ごくわずかで意味のある差ではない)
- 除脂肪体重:約+0.2%(ごくわずか)
つまり訓練済みでは、下半身の特定種目だけ伸びて、上半身や体組成はほぼ動かないという偏ったパターンが出やすい。訓練経験者の方が「3ヶ月飲んでスクワットは少し伸びた気がするけど、ベンチも体重も変わらない」と感じるのは、研究データからも筋が通った話です。
3ヶ月続けたクライアントから「数値はちょっと動いてるんですけど、鏡ではまだ全然分からないです」と言われるあるあるパターンがあります。これは本当によくある反応で、研究で報告される効果サイズが「小〜中程度」であることを考えると、鏡で見て一目で分かるレベルの変化を3ヶ月で求めるのは現実的ではありません。私は「鏡で分からないのが普通。トレ記録の数値を3ヶ月前と比べてみよう」と返すようにしています。
【3〜6ヶ月】高齢者は持続的に改善、熟練者はプラトーへ
3〜6ヶ月の中期になると、属性による分岐がさらにはっきりします。高齢者では持続的な改善が続く一方、訓練済みの方はこの時期にプラトー(停滞)に入りやすくなります。
運動なし12週時点で筋質が約+20.8%
65歳以上を対象にした24週間の比較試験(Stout 2013、HMBカルシウム塩 6g/日)では、前半12週(運動なし期)の時点で膝伸展の筋力が約+8.8%、筋質が約+20.8%、総除脂肪体重が約+2.2%と報告されました。運動を併用しなくてもHMB単独で機能維持に寄与する結果です。
ただし後半12週(運動併用期)では、運動が主役になってHMBの上乗せ効果は見えにくくなりました。運動を併用するほど「HMBがどれだけ寄与したか」は分けて評価しにくくなるのが、この時期以降の研究の難しさです。
6ヶ月時点で除脂肪体重に両群の明確な差
60歳以上のビタミンD不足者117名を対象にした12ヶ月の長期試験(Rathmacher 2020)の6ヶ月時点では、HMB+ビタミンDの非運動群で除脂肪体重が約+0.44kg、コントロール群では約−0.33kgと、両群の差で0.77kgの違いが報告されました。半年単位で「失わない側」に立てる差です。
熟練トレーニーは6ヶ月飲んでも変化が止まる現実
一方、訓練済みを対象にした研究を時系列で並べると、3〜6ヶ月でプラトーに入るパターンが目立ちます。Sanchez-Martinez 2018の競技アスリート193名を対象にした統合分析では、ベンチプレス・レッグプレス・除脂肪体重のいずれにも偽薬との差はゼロに近く、Jakubowski 2020の若年成人を対象にした統合分析でも同様の結論でした。
つまり熟練者は「3ヶ月で動かなければ、半年・1年と続けても動きにくい」のが正直な傾向です。半年続けて何も変わらないなら、いったん見切る判断も合理的です。
【半年〜1年】長期摂取の安全性と「効果プラトー」
半年から1年の長期摂取については、安全性は確認されているが、効くかは別問題というのが現時点の総括です。長期使用に踏み切る前に、ここを整理しておきます。
12ヶ月の最長時系列データ
HMB摂取の最長時系列データは、Rathmacher 2020の12ヶ月試験です。60歳以上のビタミンD不足者117名を対象に、3ヶ月・6ヶ月・9ヶ月・12ヶ月の4時点で評価が行われました。HMB+ビタミンDの非運動群では、6ヶ月時点で除脂肪体重がコントロール群より明確に維持される結果が得られています。
研究全体で「12ヶ月の摂取で重篤な有害事象は報告されなかった」点が、長期安全性の根拠の一つになっています。
ISSN 2025は1年までの慢性使用を安全と結論
国際スポーツ栄養学会の2025年公式見解(Rathmacher 2025)は、HMBの慢性使用について「1年までの長期使用は安全」「効果は研究期間が長いほど増加する傾向(>6週間)」と結論しています。推奨用量は体重1kgあたり38mg/日で、体重80kgなら約3gが目安です。
つまり「長期で安全だが、効くかは別問題」という二段構えの整理が、現時点の妥当な見方になります。
半年〜1年で効いていない人は何が起きているか
長期摂取で効果が出ていない方は、属性的に「効きにくい層」に当てはまっているケースが大半です。次の章でそのパターンを整理します。
【一方で】飲み続けても効かなかった人によくある4つの原因
「半年・1年と続けたけど何も変わらない」という方には、ほぼ共通して当てはまる原因があります。研究データから見えてくる4つのパターンを正直に整理します。
原因1:タンパク質を1.6g/kg/日以上摂れていてHMBの上乗せが消えている
アスリート208名・7試験を統合した分析(Holland 2022)では、興味深い傾向が示されました。除脂肪体重に小さな増加傾向が見られた一方、タンパク質摂取量が体重1kgあたり1.6g未満のときほど、HMBの効果が出やすかったのです。
逆に言えば、すでにタンパク質を1日2g/kg程度しっかり摂っている方では、HMBの追加効果はほぼ消えるという話です。プロテインで土台が満たされていれば、HMBが埋める余地が小さくなる、と理解すれば筋が通ります。
原因2:訓練経験6ヶ月以上の熟練者で効果サイズが小さい
競技アスリート193名・6試験を統合した分析(Sanchez-Martinez 2018)と、若年成人248〜302名・11試験を統合した分析(Jakubowski 2020)では、筋力・体組成のいずれにも偽薬との明確な差はなしという結論が出ています。トレーニング経験を半年以上積んだ層では、HMBの効果は研究上ほぼ確認されません。
「初心者の頃は効いていたのに、続けるうちに効果を感じなくなった」と感じる方は、自身が「効きにくい層」に移行した可能性があります。
原因3:用量不足または分割せず一括摂取
ISSN 2025の推奨は体重1kgあたり38mg/日(体重80kgなら約3g)です。1日1〜2gで済ませている方や、3gをまとめて1回で飲んでいる方は、研究で効果を示したプロトコル(1日3gを3回分割が基本)から外れている可能性があります。
原因4:筋トレ強度・頻度が不足
HMBの効果を示した研究は、ほぼすべて「レジスタンストレーニング併用」を前提としています。筋トレ自体が週1回・低強度といった状態では、HMBの上乗せ余地そのものが小さくなります。「飲むだけで筋肉」のサプリではない、という基本に立ち返ることが必要です。
「3ヶ月続けたけど効かない」と相談に来たクライアント3名の食事を聞き取ったとき、全員が体重1kg×2g以上のタンパク質をすでに摂っていたという経験があります。Holland 2022が示す通り、土台が満たされていればHMBの上乗せは見えにくい。逆に「プロテインまだ慣れなくて」という減量末期の方には数値の維持が観察できたケースもあり、属性差を肌で感じた局面でした。あくまで主観ですが、研究データの方向性とよく一致します。
【正直に】その効果実感は本物?思い込み(プラセボ効果)と期待値のワナ
口コミブログで「HMBを飲み続けて劇的に変わりました」という体験談を見かけますが、研究データの効果サイズは「小〜中程度」が現実です。期待値を整えるための正直な話を書いておきます。
統合レビューで効果サイズは小〜中程度
11件の分析・41データセットを束ねた総合レビュー(Bideshki 2025)では、筋量・筋力・除脂肪量の効果サイズはおよそ0.21〜0.27程度。これは数字として「小〜中程度」と分類される範囲で、鏡で一目で分かるような劇的な変化を期待する数字ではありません。
体重や脂肪量については明確な変化が確認されていません。つまり「HMBを飲み続けて痩せた」というブログ体験談は、HMBの作用というより食事制限や運動量の変化による効果である可能性が高いと考えるのが妥当です。
主観の体感と客観指標の乖離
「鏡で見て分かる」「明らかに引き締まった」というレベルの変化は、研究で報告される効果サイズからは想定しにくい現象です。主観で感じる変化の99%は、本人の食事改善・トレーニング強化・睡眠改善などのHMB以外の要因を含んでいる可能性を疑うのが誠実です。
客観指標(体組成計の測定値、握力計、挙上重量、回数)で記録を残し、3ヶ月前と比べてどれだけ動いたかを見るのが、HMBの効果を現実的に評価する方法です。
大きすぎる効果を報告した研究への注意
HMB-FAを12週投与した比較試験(Wilson 2014)では、除脂肪体重が約+7.4kg(偽薬群+2.1kg)と他の研究と桁違いに大きい結果が報告されました。後発の系統的レビューでは、この研究の効果サイズが極端で、研究方法への疑問も指摘されています。「HMBで7kg増えた」という話を見たら、Wilson 2014を出典にしている可能性を疑うのが安全です。
トレーナーが見た現場のリアル|指導8年でHMB長期利用者を観察した所感
研究の話だけでは伝わらない部分を、トレーナー指導歴8年の現場感覚で補足します。あくまで個人の観察ベースなので一般化はできませんが、研究データの方向性とよく一致する経験です。
効いた群:高齢の親世代と減量末期
明確に「飲んで良かった」という反応が返ってきたのは、次の2グループでした。
- 高齢の親世代(60代後半〜70代):「立ち上がりが楽になった」「散歩のペースが上がった」という体感報告。Yang 2023やStout 2013が示す機能改善と方向性が一致
- 減量末期で食事量を絞っている方:体組成計の除脂肪体重の維持が観察できたケースあり。Holland 2022の「タンパク質1.6g/kg未満で効きやすい」傾向と整合。減量末期での具体的な使い方や女性のダイエット文脈は HMBで痩せる?ダイエット効果と正しい使い方を12研究で解説 で詳述
- 入院・骨折後など短期間動けない時期の高齢者:10日間の安静臥床試験(Deutz 2013)でも、HMB群は除脂肪体重がほぼ維持されたのに対し、コントロール群は約2kgも低下しました。動けない期間ほどHMBの「分解にブレーキ」効果が現れやすい属性です。介護・入院文脈の詳細は HMBは高齢者の筋肉に効く?寝たきり・サルコペニア対策を研究で解説 で整理しています
効かなかった群:現役トレーニーでタンパク質を十分摂る方
逆に「半年飲んだけど何も変わらなかった」と返ってきたのは、ほぼ全員が現役トレーニーで、タンパク質を体重1kgあたり2g前後しっかり摂っているタイプでした。Sanchez-Martinez 2018やJakubowski 2020が示すアスリート・若年成人での「効果なし」の結論と、現場の感覚が一致します。
指導8年でHMBを3ヶ月以上続けた方を観察してきて、いちばん感じるのは「効く・効かないが属性で綺麗に分かれる」ことです。万能サプリではないけど、効く層には間違いなく効く。逆に効かない層にはどれだけ続けても変わらない。あくまで個人の体感の集合ですが、研究データの結論とこれほど一致するサプリも珍しいと感じています。
よくある質問
Q. HMBは何ヶ月で見切りをつければいい?
研究タイムラインから見ると、効果が出るケースの大半は8〜12週で何らかの数値(挙上重量・回数・除脂肪体重・歩行速度など)が動いています。3ヶ月飲んで客観指標に変化がなければ、その人にはHMBが効きにくい属性と判断する方が合理的です。半年・1年と続ければ違うかもしれない、と期待するより、原因を「タンパク質摂取量」「トレ強度」「自分の訓練経験」から見直す方が建設的です。
Q. 一度やめて再開しても効果は出る?
HMBは血中半減期が約2.5時間と短く、体内に蓄積するタイプの成分ではありません。やめれば数日で血中濃度はほぼゼロに戻り、再開すれば数週間で再び効果が観察できる定常状態に戻ります。再開で効果が消えるという報告はありません。ただし定常状態に達するまで2〜3週は必要なので、再開直後の数日で判断しないようにしてください。
Q. 「飲み続けてハゲた・太った」の噂は本当?
HMBの摂取で脱毛・体重増加を支持するヒト対象研究は、現時点で見つかりません。Rathmacher 2020の12ヶ月試験でも、Rathmacher 2025の安全性総括でも、長期摂取での重篤な有害事象は報告されていません。「飲んだら太った」と感じた方は、体組成計の除脂肪体重と脂肪量を分けて確認してみてください。除脂肪体重が増えていれば「筋量増加」、脂肪量が増えていれば「カロリー収支がプラスになっていただけ」の可能性が高いです。
Q. 休薬期間(サイクル使用)は必要?
ISSN 2025の公式見解は1年連続使用の安全性を確認しており、サイクル使用の必要性を支持する根拠は現時点でありません。クレアチンと違って体内に蓄積する成分でもないため、休薬期間を意図的に設ける科学的な意味は薄いと理解してください。コスト面で休む選択肢はあっても、健康上の理由で休む必要はありません。
Q. やめたら筋肉は落ちる?
HMBで増えた筋量は、トレーニングと十分なタンパク質があれば維持されます。HMBをやめても、筋トレを続けて体重1kgあたり1.6g以上のタンパク質を摂っていれば、急激な減少は起きません。HMBは「筋量を作る材料」ではなく「分解にブレーキをかけ合成を少し後押しする」役割なので、土台のトレーニングと栄養が維持されていれば、HMBがなくなっても筋量が崩れる理由はありません。
まとめ|HMBを飲み続けるか判断するための3つの軸
- 1〜2週は何も変わらないのが正常:体組成は動かず、研究で確認できるのは尿中の筋分解マーカーの低下程度(Nissen 1996)
- 3〜4週は属性で分岐が始まる:未訓練者は除脂肪体重に小幅な動き、熟練者は依然として変化なし(Nissen 1996、Jowko 2001、Rowlands 2009)
- 8〜12週で属性差が一気に広がる:高齢者・サルコペニアで握力・歩行速度に明確な改善、訓練済み男性は下半身筋力のみ伸びる傾向(Vukovich 2001、Yang 2023、Thomson 2009)
- 3〜6ヶ月で熟練者はプラトーへ:高齢者は持続的改善が続く一方、訓練済みは半年でも変化が止まりやすい(Stout 2013、Rathmacher 2020)
- 半年〜1年は安全性が確認されているが効くかは別:12ヶ月の長期摂取で重篤な有害事象なし、ISSN 2025も1年安全と結論(Rathmacher 2020、Rathmacher 2025)
- 効果サイズは小〜中程度が現実:劇的な変化を期待しない。鏡で分からない変化が99%、客観指標で記録を残して評価(Bideshki 2025)
- 3ヶ月で見切るのが合理的な撤退ライン:3ヶ月で何の変化もなければ「効きにくい属性」の可能性大、無理に半年・1年続ける意味は薄い
- 全体像を俯瞰するには:効果・飲み方・副作用・選び方・属性別の使い分けを9つのテーマで総まとめした HMBとは?効果の条件と選び方を最新エビデンスと現場視点で総まとめ【保存版】 で、本記事の位置づけも見えてくる
HMBを飲み続けるかどうかは、最終的に次の3つの軸で判断するのが現実的です。
- 軸1:自分の属性が研究の効きやすい層か。高齢者・サルコペニア・寝たきり期・初心者・減量末期かどうか
- 軸2:タンパク質を体重1kgあたり1.6g以上摂っていないか。摂れていればHMBの上乗せは小さい
- 軸3:3ヶ月で何らかの客観指標(挙上重量・回数・体組成)に変化があるか。なければ続ける科学的な意味は薄い
「飲み続けた結果」の口コミに振り回される前に、まず自分が「効きやすい属性」かを冷静に判定してください。該当しないなら、素直に予算をプロテインや食事改善に回すほうが、結果的に近道になります。
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参考文献
この記事の内容も、数千件のフィットネス論文を人の手で一つずつ読み解いた研究データベースに基づいています。同じデータベースを直接検索できる「FitOnline Lab」なら、あなた自身の気になるテーマも調べられます。
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この記事を書いた人
フィット
- 2014年7月 筋トレスタート(歴10年)
- 2018年5月 パーソナルトレーナースタート(歴7年)
- 2019年6月 社内で最速級の速さで店長へ就任
- 2020年4月 フリーランスパーソナルトレーナーとして独立
- 2022年7月 株式会社FITONLINE設立
- 2026年3月 FitOnline Labを開発。2,000以上のフィットネス関連論文を査読。
- 2026年6月 FitOnlineで試飲したプロテイン24ブランド・235フレーバー
- パーソナルトレーナーとして最高月収150万円達成
- 実際に飲んで試してきたプロテインの種類50種類以上、サプリメント30種以上
- ANYTIME、JOYFIT、FASTGYM、ゴールドジム、FIT PLACE、東急スポーツオアシスなど計10以上の大手ジム利用経験あり
- 通算1,000名以上のお客様へカウンセリング・セッション
- お客様の最高減量幅34kg
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