筋トレ中にプロテインを飲むべき?結論:最中はNG、前後ならおすすめ
ジムでセット間の休憩中にプロテインを飲んでいる人を見かけたことはありませんか?実は、そのタイミングは間違っている可能性が高いのです。本記事ではプロテインを飲むタイミングのうち、筋トレ中・前後に特化して、筋トレの最中にプロテインを飲むと胃もたれや吐き気を引き起こす理由と、いつ飲むべきかを解説します。科学的根拠に基づいた正しい飲み方で、筋トレ効果を最大化しましょう。
※「筋トレ中の前に、プロテインの種類や飲むタイミングの全体像をおさらいしたい」という方は、先に プロテインの種類とは?ホエイ・ソイなど全7種類の特徴をわかりやすく解説 と プロテインはいつ飲むのが効果的?【目的別】最適なタイミング完全ガイド をご覧ください。
結論|筋トレの「最中」にプロテインは飲まない方がよい
なぜ筋トレ中は避けるべき?
筋トレの最中(セット間や運動中)にプロテインを飲むことは、科学的にも実務的にも推奨されません。その主な理由は2つあります。
1つ目は、胃腸への負担です。運動中は、血液が筋肉や心臓、皮膚などに優先的に送られるため、消化管(胃や腸)への血流が大きく減少します。実際、Gatorade Sports Science Instituteの報告によれば、運動中のプロテイン・脂質・食物繊維・乳製品の摂取は、胃腸症状(吐き気、腹痛、下痢など)のリスクを高めるとされています。プロテインは消化に時間がかかるため、運動中に飲むと胃もたれや吐き気を引き起こしやすいのです。
2つ目は、パフォーマンスへの影響です。消化にエネルギーを使うと、本来トレーニングに集中すべき血流やエネルギーが消化に割かれてしまいます。筋トレの質が落ち、狙った効果が得にくくなる可能性があります。
「筋トレ中」と「前後」の違い
混同しやすいポイントを整理しておきましょう。「筋トレ中」とは、実際にセットをこなしている最中や、セット間の休息中のことです。一方「筋トレの前後」とは、トレーニング開始の30分〜1時間前、あるいは終了後30分〜2時間以内といった、運動前後の時間帯を指します。
つまり、「筋トレ中にプロテイン」=運動している最中の摂取は避けるべきで、「筋トレの前後にプロテイン」=運動前後のタイミングで飲むのが正解、ということです。
「筋トレ中に飲む」と勘違いされやすい理由
BCAAやEAAとの混同
「筋トレ中にプロテインを飲む」というイメージが広がっている背景には、BCAA(分岐鎖アミノ酸)やEAA(必須アミノ酸)との混同があると考えられます。BCAAやEAAは、ジムでセット間に飲む光景がよく見られ、それらとプロテインを同一視している方も少なくありません。
BCAAはロイシン・イソロイシン・バリンの3種類、EAAは体内で合成できない9種類の必須アミノ酸の総称です。いずれも分子量が小さく、プロテイン(タンパク質)より消化負担が軽いため、筋トレ中の摂取には比較的向いています。一方、プロテインは複数のアミノ酸が結合したタンパク質であり、消化・分解に時間がかかります。筋トレ中に飲むなら、BCAAやEAAの方が適していると言えるのです。
BCAA/EAAが筋トレ中に適している理由
BCAAやEAAが筋トレ中に適している理由は、主に3つあります。EAAとプロテインの違い・使い分けは EAAとプロテインの違いを徹底比較!どっちがいい?選び方ガイド で詳しく解説しています。
1つ目は、消化負担が軽いことです。BCAAやEAAはすでにアミノ酸の形で存在するため、プロテインのように消化・分解の過程を経る必要がありません。運動中に消化管への血流が減る中でも、スムーズに吸収され、胃腸への負担が少ないのです。
2つ目は、疲労感の軽減やパフォーマンス維持への効果です。特にBCAAに含まれるロイシンは、筋タンパク質合成を刺激するだけでなく、長時間の運動における疲労感を軽減する可能性が示唆されています。また、運動中に筋肉が分解されるのを抑える働きも期待できます。
3つ目は、即座に血中アミノ酸濃度を上げられることです。プロテインは消化に時間がかかりますが、BCAAやEAAは摂取後すぐに血液中に取り込まれ、トレーニング中の筋肉に素早く届きます。セット間の短い休息時間でも、効率的にアミノ酸を補給できるのです。
EAAとBCAAの違いと選び方
筋トレ中にアミノ酸を補給する際、EAAとBCAAのどちらを選ぶべきか迷う方もいるでしょう。結論から言うと、EAAの方がより包括的な効果が期待できると考えられます。
BCAAはロイシン・イソロイシン・バリンの3種類のみですが、EAAはBCAAを含む9種類の必須アミノ酸すべてを含んでいます。つまり、EAAを選べばBCAAの効果も得られつつ、それ以外の必須アミノ酸(ヒスチジン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン)も同時に補給できます。
特に、ロイシンは筋タンパク質合成を刺激する重要なアミノ酸ですが、他の必須アミノ酸も筋タンパク質合成には必要です。EAAを選ぶことで、よりバランスの取れたアミノ酸補給が可能になり、筋トレ中の筋肉分解抑制やトレーニング後の回復促進により効果的とされています。
一方、BCAAはEAAより価格が安い傾向があり、コストパフォーマンスを重視する方には適しています。ただし、筋トレ中のアミノ酸補給を目的とするなら、EAAを選ぶ方がより効率的と言えるでしょう。摂取量の目安は、BCAAなら5〜10g、EAAなら10〜15g程度です。
プロテインとBCAA/EAAの使い分け
使い分けのポイントを整理します。
- 筋トレの最中:BCAAやEAAが適している(消化負担が軽く、胃腸への影響が少ない。特にEAAは必須アミノ酸をバランスよく補給できる)
- 筋トレの前後:プロテインが適している(筋タンパク質合成に必要なアミノ酸をまとめて補給できる)
ReidyとRasmussenの総説によると、筋タンパク質合成の促進において、1日の総タンパク質摂取量がプロテインのタイミングや種類以上に重要とされています。つまり、BCAA/EAAを筋トレ中に飲むことにこだわるより、1日のうちに十分なタンパク質を食事とプロテインで確保することが大切です。ただし、長時間のトレーニングや、筋トレ中にアミノ酸を補給したい場合は、BCAAやEAAが有効な選択肢となります。
長時間トレーニングの場合
筋トレが1〜2時間以上続く長時間のセッションでは、「途中で何か飲みたい」と感じることもあるでしょう。その場合は、プロテインではなくBCAAやEAAを選んでください。消化に時間がかかるプロテインは、長時間の運動中には胃腸に負担をかけやすいためです。特にEAAは、必須アミノ酸をバランスよく含むため、長時間のトレーニング中の筋肉分解抑制や疲労軽減により効果的とされています。また、水分補給も忘れずに行いましょう。筋トレは基本的に1時間前後のセッションであることが多いため、多くのケースでは筋トレ中にプロテインやBCAAを飲む必要はなく、前後のプロテイン摂取だけで十分です。
筋トレの「前」にプロテインを飲むメリット
筋トレ前に飲むと得られる効果
筋トレ前にプロテインを飲むと、血中アミノ酸濃度が上がり、トレーニング中の筋肉分解を抑えやすくなります。空腹のまま運動すると、エネルギー源として筋肉中のタンパク質が分解されるリスクが高まりますが、事前にプロテインを摂取しておくことで、その動きを緩和できます。また、筋タンパク質合成の準備が整うことから、トレーニング後の回復にもプラスになると考えられています。
興味深いのは、筋トレ前と筋トレ後のプロテイン摂取を比較した研究です。Schoenfeldらの論文によると、25gのプロテインを筋トレ直前に飲む群と、直後に飲む群で10週間の筋トレを行ったところ、筋力・筋肥大・体組成のいずれも有意な差はなく、前でも後でも同様の効果が得られると報告されています。つまり「筋トレ後30分以内に飲まないと手遅れ」といった「アナボリックウィンドウ」は、以前考えられていたほど狭くないということです。
トレーニング前のおすすめタイミング
筋トレ前にプロテインを飲む場合は、開始の30分〜1時間前が目安です。消化に時間がかかるため、直前に飲むとトレーニング中に胃に残り、気持ち悪くなることがあります。一方、2〜3時間前に飲んでしまうと、トレーニング開始時にはすでに血中アミノ酸濃度が下がっている可能性があります。30分〜1時間前であれば、消化もある程度進みつつ、アミノ酸が血液中に届きやすいタイミングと言えます。
筋トレ前のプロテインの選び方
筋トレ前には、消化が速く胃に優しいものを選びましょう。ホエイプロテインは吸収が速く、筋トレ前の摂取に向いています。ソイプロテインは消化がやや遅いため、胃腸が弱い方は避けた方が無難です。牛乳で溶かすと腹持ちは良くなりますが、消化時間も長くなるため、トレーニング直前の摂取では水で溶かす方がおすすめです。
筋トレの「後」にプロテインを飲むメリット
筋トレ後に飲むと得られる効果
筋トレ後は、筋肉の修復・合成を促すためにプロテインを摂取するのが有効です。トレーニングによって筋肉には微細な損傷が生じ、それを修復する過程で筋肥大が起こります。その際、十分なアミノ酸があることで筋タンパク質合成がスムーズに進み、回復と成長が早まります。従来は「筋トレ後30分〜1時間以内」がゴールデンタイムと言われてきましたが、先述のSchoenfeldらの研究や、CasusoとGoossensによるプロテイン摂取タイミングのシステマティックレビューによれば、この窓はそれほど狭くないと考えられています。ただし、遅くとも2時間以内には摂取しておくのが安心です。
トレーニング後のおすすめタイミング
筋トレ後のプロテイン摂取は、終了後30分〜2時間以内を目安にしましょう。できれば30分〜1時間以内が理想的です。また、一度に大量に飲むよりも、回復期を通じて適度な間隔で分散して摂る方が効果的とする研究もあります。Aretaらの研究によると、筋トレ後の12時間の回復期において、20gのホエイプロテインを3時間ごとに摂取するパターンが、少量を頻繁に摂る場合や大量をまとめて摂る場合より筋タンパク質合成を有意に高めたと報告されています。とはいえ、忙しい日常では「筋トレ後に1回しっかり飲む」だけでも十分に効果は期待できます。
筋トレ後のプロテインの選び方
筋トレ後には、吸収の速いホエイプロテインがおすすめです。必須アミノ酸がバランスよく含まれており、特にロイシンの含有量が高いものが筋タンパク質合成を刺激しやすいとされています。ReidyとRasmussenの総説によれば、1回あたりロイシンを2g以上含む用量であれば、プロテインの種類による筋力・筋量への効果に大きな差はないとされています。量の目安は体重1kgあたり約0.3g、つまり体重60kgの人なら20g前後です。
筋トレの前後|プロテインを飲むタイミングまとめ
目的別・種類別の詳しい摂取タイミングは プロテインはいつ飲むのが効果的?【目的別】最適なタイミング完全ガイド で解説しています。
タイミング別の整理
ここまでの内容をまとめます。
- 筋トレ30分〜1時間前:プロテイン○ 筋タンパク質合成の準備ができ、筋肉分解の抑制にもつながる
- 筋トレ最中:プロテイン× 胃腸への負担が大きく、パフォーマンスにも悪影響。BCAA/EAAなら検討可
- 筋トレ後30分〜2時間:プロテイン○ 筋肉の修復・合成を促進する効果が期待できる
筋トレ前と筋トレ後、どちらを優先するか迷ったら、Schoenfeldらの研究によると、科学的にはどちらでも効果は同程度とされています。自分のスケジュールに合わせて、飲みやすいタイミングを選んで問題ありません。
忙しい人向け|最低限押さえたいタイミング
「前と後、両方なんて無理」という方は、筋トレ後のプロテイン摂取を優先してください。筋トレで損傷した筋肉の修復・合成をサポートするには、終了後30分〜2時間以内の摂取が効果的です。前の摂取を省略しても、1日の総タンパク質量をしっかり確保していれば、筋肥大や筋力向上への影響は限定的だと考えられています。まずは「筋トレ後、1杯のプロテイン」を習慣化することから始めましょう。
よくある質問
Q. 筋トレ中にプロテインを飲んでも大丈夫?
A. おすすめしません。運動中は消化管への血流が減り、プロテインのような消化に時間がかかるものを摂ると、胃もたれや吐き気を引き起こしやすいとされています。筋トレ中に飲みたい場合は、BCAAやEAAを検討してください。
Q. 「筋トレ中」と「筋トレ前後」の違いは?
A. 「筋トレ中」はセットをこなしている最中やセット間の休息時、「筋トレ前後」はトレーニング開始の30分〜1時間前、または終了後30分〜2時間以内の時間帯を指します。プロテインは筋トレの前後に飲むのが正解です。
Q. 筋トレ中に飲むならBCAAの方がいい?
A. はい。筋トレの最中に飲むなら、BCAAやEAAがプロテインより適しています。消化負担が軽く、胃腸への影響が少ないためです。プロテインは筋トレの前または後に飲みましょう。
Q. 筋トレ前と筋トレ後、どちらが重要?
A. Schoenfeldらの研究によると、科学的にはどちらでも筋力・筋肥大への効果は同程度とされています。忙しい場合は筋トレ後の摂取を優先し、時間に余裕があれば前後の両方で摂るのが理想的です。
Q. 筋トレ後は30分以内に飲むべき?
A. 30分〜1時間以内が理想的ですが、それほど厳格に考える必要はありません。研究では、筋トレ前後のプロテイン摂取で効果に大きな差がないことや、アナボリックウィンドウが以前考えられていたほど狭くないことが示されています。終了後2時間以内であれば十分に効果が期待できます。
まとめ
筋トレとプロテインのタイミングについて、結論をまとめます。
- 筋トレの最中はプロテインを飲まない方がよい(胃腸への負担、パフォーマンスへの悪影響)
- 筋トレの前後でプロテインを飲むのがおすすめ(前30分〜1時間前、後30分〜2時間以内)
- 筋トレ前と筋トレ後のどちらを優先しても効果は同程度で、迷ったら筋トレ後を優先してよい
- 筋トレ中に何か飲みたい場合はBCAAやEAAを選ぶ
- 1日の総タンパク質摂取量を確保することが、プロテインのタイミング以上に重要
「筋トレ中にプロテイン」という光景は、BCAAやEAAとの混同から広がっていると考えられます。プロテインは筋トレの前後で飲み、筋トレ中は水やBCAA/EAAで水分・アミノ酸を補給する。この使い分けを意識すると、より効率的に筋肉づくりをサポートできます。
【次に読むべきおすすめ記事】
筋トレ中のプロテインの是非を押さえたら、種類の全体像・飲むタイミング・EAAとの使い分け・目的別おすすめもあわせてチェックすると、トレーニングと栄養の組み合わせがより明確になります。以下の記事で解説しています。
- プロテインの種類の全体像を知りたい方は → プロテインの種類とは?ホエイ・ソイなど全7種類の特徴をわかりやすく解説
- いつ飲むのが効果的か知りたい方は → プロテインはいつ飲むのが効果的?【目的別】最適なタイミング完全ガイド
- 運動しない日・休息日の飲み方を知りたい方は → プロテインは運動しない日も飲むべき?休息日の必要性と効果的な飲み方
- EAAとプロテインの使い分けを知りたい方は → EAAとプロテインの違いを徹底比較!どっちがいい?選び方ガイド
参考文献
-
Schoenfeld BJ, Aragon AA, Wilborn C, et al. Pre- versus post-exercise protein intake has similar effects on muscular adaptations. PeerJ. 2017;5:e2825.
https://peerj.com/articles/2825/ -
Prado de Oliveira E. Nutritional Recommendations to Avoid Gastrointestinal Distress During Exercise. Gatorade Sports Science Institute. 2013; SSE #114.
https://www.gssiweb.org/sports-science-exchange/article/sse-114-nutritional-recommendations-to-avoid-gastrointestinal-distress-during-exercise -
Areta JL, Burke LM, Ross ML, et al. Timing and distribution of protein ingestion during prolonged recovery from resistance exercise alters myofibrillar protein synthesis. J Physiol. 2013;591(9):2319-2331.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3650697/ -
Casuso RA, Goossens L. Does Protein Ingestion Timing Affect Exercise-Induced Adaptations? A Systematic Review with Meta-Analysis. Nutrients. 2025;17(13):2070.
https://www.mdpi.com/2072-6643/17/13/2070 -
Reidy PT, Rasmussen BB. Role of Ingested Amino Acids and Protein in the Promotion of Resistance Exercise-Induced Muscle Protein Anabolism. J Nutr. 2016;146(2):155-183.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4725426/
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この記事を書いた人
フィット
- 2014年7月 筋トレスタート(歴10年)
- 2018年5月 パーソナルトレーナースタート(歴7年)
- 2019年6月 社内で最速級の速さで店長へ就任
- 2020年4月 フリーランスパーソナルトレーナーとして独立
- 2022年7月 株式会社FITONLINE設立
- 2026年3月 FitOnline Labを開発。2,000以上のフィットネス関連論文を査読。
- 2026年7月 FitOnlineで試飲したプロテイン28ブランド・276フレーバー
- パーソナルトレーナーとして最高月収150万円達成
- 実際に飲んで試してきたプロテインの種類50種類以上、サプリメント30種以上
- ANYTIME、JOYFIT、FASTGYM、ゴールドジム、FIT PLACE、東急スポーツオアシスなど計10以上の大手ジム利用経験あり
- 通算1,000名以上のお客様へカウンセリング・セッション
- お客様の最高減量幅34kg
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