
EAAとプロテインの違いを徹底比較!あなたに最適な選び方ガイド
フィットネスやボディメイクに取り組む中で、「EAA」と「プロテイン」という言葉を耳にする機会が増えていませんか?どちらも筋肉作りに重要な栄養素として注目されていますが、「結局どちらを選べば良いの?」「両方必要なの?」という疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
実際、サプリメント売り場に行くと、似たような効果を謳う商品が並んでいて、どれを選んだら良いか迷ってしまいますよね。価格も違えば、飲み方も違う。そして何より、本当に効果があるのかどうかが気になるところです。
この記事では、パーソナルトレーナーとして7年間、1,000名以上のクライアントを指導してきた経験と、30種類以上のプロテインを実際に試してきた知識をもとに、EAAとプロテインの違いを分かりやすく解説いたします。
あなたの目的や体質、ライフスタイルに合わせた最適な選び方がきっと見つかるはずです。
EAAとプロテインの基本的な違い
筋トレやボディメイクを行っている方なら、一度は「EAA」と「プロテイン」という単語を聞いたことがあるでしょう。しかし、この2つの違いを正確に説明できる方は意外と少ないのが現状です。
私自身、パーソナルトレーナーとして7年間活動し、30種類以上のプロテインを実際に試してきた経験から、EAAとプロテインの使い分けについて詳しく解説していきます。
EAAとは?必須アミノ酸の重要性
EAA(Essential Amino Acids)とは、体内で合成できない9種類の必須アミノ酸のことを指します。
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
- スレオニン
- メチオニン
- フェニルアラニン
- トリプトファン
- リジン
- ヒスチジン
これらのアミノ酸は、筋肉の合成に直接的に関わる重要な栄養素です。特に、バリン・ロイシン・イソロイシンの3つはBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれ、筋肉の分解抑制と合成促進において重要な役割を果たします。
プロテインとは?タンパク質の基本
プロテインは、英語で「タンパク質」を意味し、一般的にはタンパク質を効率的に摂取するためのサプリメントを指します。
プロテインの主な種類:
種類 | 特徴 | 吸収速度 |
---|---|---|
ホエイプロテイン | 牛乳由来、必須アミノ酸が豊富 | 速い(1-2時間) |
カゼインプロテイン | 牛乳由来、ゆっくり吸収 | 遅い(6-8時間) |
ソイプロテイン | 大豆由来、植物性 | 中程度(3-4時間) |
EAAとプロテインの決定的な違い
1. 消化・吸収の違い
これは非常に重要なポイントです。プロテインは摂取後、胃で消化され、小腸でアミノ酸に分解されてから吸収されます。一方、EAAはすでにアミノ酸の状態なので、消化過程を経ずに直接吸収されます。
EAAとプロテインサプリメントの主な違いは吸収速度です。EAAは消化を必要とせず、15-30分以内に直接血流に吸収される一方、プロテインは消化過程が必要なため1-2時間程度の時間を要します。

フィット
実際のトレーニング現場で感じるのは、EAAの方が摂取後すぐに効果を実感しやすいということです。特にトレーニング中の疲労軽減効果は明らかに違いますね。
2. 筋肉合成への影響
筋タンパク質の合成において、両者は異なるアプローチを取ります:
EAAの場合
- 必須アミノ酸9種類がバランス良く配合
- 筋肉合成のシグナルを直接的に刺激
- 特にロイシンが筋肉合成の引き金となる
プロテインの場合
- 必須アミノ酸に加え、非必須アミノ酸も含む
- 総合的な栄養補給が可能
- 長時間にわたって血中アミノ酸濃度を維持
使い分けのポイント:実践的な活用法
EAAが効果的なタイミング
- トレーニング中:筋肉の分解抑制と疲労軽減
- 起床直後:夜間の筋肉分解をすぐに止める
- 空腹時:胃に負担をかけずにアミノ酸補給
- 有酸素運動前後:筋肉量の維持
- 消化不良がある時:胃酸分泌低下時の栄養補給
- 炎症を抑えたい時:抗炎症作用による回復促進
プロテインが効果的なタイミング
- トレーニング後30分以内:ゴールデンタイムでの筋肉合成
- 就寝前:カゼインプロテインで夜間の栄養補給
- 間食として:満腹感を得ながらタンパク質補給
- 食事でのタンパク質不足時:総合的な栄養バランス調整
- コストを抑えたい時:経済的な長期継続
スポーツ別・目的別の選び方
パワーアスリート(筋トレ・スプリント)の場合
筋力や瞬発力を重視するアスリートにとって、両方とも有効な選択肢です。高強度トレーニングによる筋肉ダメージが大きいため、十分なアミノ酸供給が重要です。
- EAA:長時間のトレーニング中でも胃もたれしない
- プロテイン:トレーニング後の総合的な栄養補給
持久力アスリート(マラソン・サイクリング)の場合
持久力スポーツでは、運動中の血流が消化器官から筋肉に移動するため、消化の負担が大きな問題となります。
- 運動中の胃もたれや腹部不快感を避けたい
- 筋肉の分解を最小限に抑えたい
- 素早いエネルギー補給が必要
このような理由から、持久力アスリートにはEAAが特に推奨されます。
30歳以上の方・サルコペニア予防
年齢と共に消化能力が低下し、胃酸分泌の減少により食事からのタンパク質吸収効率が下がります。30歳以降は年間0.5%の筋肉量が減少するため、効率的な栄養補給が重要です。

フィット
実際、40代以降のクライアントの方には、まずEAAから始めることをおすすめしています。消化の負担が少なく、効果を実感しやすいからです。
炎症管理・回復重視の場合
激しいトレーニングや怪我からの回復、慢性的な炎症を抱えている方には、EAAの抗炎症作用が特に有効です。炎症を抑えながら筋肉の回復を促進できるため、質の高い回復が期待できます。
価格と成分の比較
コストパフォーマンスの観点
項目 | EAA | プロテイン |
---|---|---|
1回あたりのコスト | 約100-200円 | 約50-100円 |
アミノ酸スコア | 100(必須アミノ酸のみ) | 100(完全タンパク質) |
カロリー | 約30-50kcal | 約100-150kcal |
飲みやすさ | 苦味があることが多い | 味のバリエーション豊富 |
私のクライアント1,000名以上の経験から言えることは、初心者はまずプロテインから始めるのがおすすめということです。理由は、コストパフォーマンスが良く、味も飲みやすいものが多いからです。
よくある質問と回答
Q1. EAAとプロテインは一緒に飲んでも良いの?
A. はい、問題ありません。実際、トレーニング後にEAAで即効性を狙い、30分後にプロテインで持続的な効果を狙うという方法も効果的です。ただし、コストが高くなるので、目的と予算を考慮して判断してください。
Q2. どちらか一つしか選べないなら?
A. 一般的な筋トレ初心者であればプロテインをおすすめします。コストパフォーマンスが良く、総合的な栄養補給ができるからです。上級者やより細かい栄養管理をしたい方はEAAの併用を検討してください。
Q3. EAAの苦味が苦手です...
A. 確かにEAAは苦味があります。私のおすすめは、炭酸水で割る方法です。苦味が緩和され、トレーニング中の水分補給も兼ねられます。また、最近は味が改良された商品も増えているので、複数試してみてください。
Q4. 年齢によって選び方は変わりますか?
A. はい、年齢は重要な要素です。40歳以降は胃酸分泌が減少し、タンパク質の消化能力が低下します。そのため、消化の必要がないEAAの方が効率的です。また、サルコペニア(筋肉減少症)の予防の観点でも、EAAの迅速な吸収は大きなメリットとなります。
Q5. 胃腸が弱い人はどちらが良いですか?
A. 胃腸が弱い方には間違いなくEAAをおすすめします。消化過程を経ないため胃への負担が非常に少なく、胃もたれや腹部不快感を感じることがほとんどありません。特に食欲不振時や消化不良時でも安心して摂取できます。
Q6. 女性と男性で使い分けは必要ですか?
A. 基本的な選び方は性別による大きな違いはありません。ただし、女性の場合は月経による鉄分不足で消化能力が低下することがあるため、そのような時期にはEAAが有効です。また、カロリーを抑えたいダイエット中の女性にもEAAの低カロリー性は魅力的です。
まとめ:目的に応じた使い分けが重要
EAAとプロテインの違いを理解した上で、あなたの目的に応じて使い分けることが最も重要です。
- 即効性を求める場合:EAA
- コストパフォーマンスを重視:プロテイン
- トレーニング中の栄養補給:EAA
- 食事の置き換えや間食:プロテイン
- 消化に不安がある場合:EAA
私自身、パーソナルトレーナーとして多くのクライアントを指導してきた経験から言えることは、まずは基本のプロテインをしっかりと摂取習慣をつけることが最優先だということです。
その上で、より細かい栄養管理やパフォーマンス向上を目指す場合に、EAAの併用を検討してみてください。何事も基本が大切です。
サプリメントは良い食事を補完するものであり、置き換えるものではありません。フィットネスの旅の基盤は、一貫した栄養と運動です。
皆さんのボディメイクが成功することを心から応援しています。質問や相談があれば、いつでもお気軽にお声がけください。
参考文献
-
Devries MC, Phillips SM. Supplemental protein in support of muscle mass and health: advantage whey. J Food Sci.
2015 Mar;80 Suppl 1:A8-A15.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25757896/ -
Wolfe RR. Branched-chain amino acids and muscle protein synthesis in humans: myth or reality? J Int Soc Sports
Nutr. 2017 Aug 22;14:30.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28852372/ -
Ispoglou T, White H, Preston T, et al. Double-blind, placebo-controlled pilot trial of L-Leucine-enriched
amino-acid mixtures on body composition and physical performance in men and women aged 65-75 years. Eur J Clin
Nutr. 2016 Feb;70(2):182-8.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26395522/
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この記事を書いた人

フィット
- 2014年7月 筋トレスタート(歴10年)
- 2018年5月 パーソナルトレーナースタート(歴7年)
- 2019年6月 社内で最速級の速さで店長へ就任
- 2020年4月フリーランスパーソナルトレーナーとして独立
- 2022年7月 株式会社FITONLINE設立
- パーソナルトレーナーとして最高月収150万円達成
- 飲んできたプロテインの種類30種類以上
- ANYTIME、JOYFIT、FASTGYM、ゴールドジム、FIT PLACE、東急スポーツオアシスなど計10以上の大手ジム利用経験あり
- 通算1,000名以上のお客様へカウンセリング・セッション
- お客様の最高減量幅34kg
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