
レストポーズ法の効果とやり方|筋肥大が1.8倍になる科学的トレーニング法
筋力トレーニングにおいて、従来の方法では限界に達した時点でセットを終了していましたが、レストポーズ法はその常識を覆す革新的なトレーニング手法です。
短時間の休憩を挟むことで、通常よりも多くの回数をこなし、筋肥大効果を最大化できる注目のメソッドを詳しく解説します。
この記事を読むとわかることは以下の通りです。
- レストポーズ法の基本原理と仕組み
- 筋肥大・筋力向上への科学的効果
- 正しい実践方法とプログラム設計
- 種目別の具体的な取り入れ方
- 安全性と注意すべきポイント
- よくある質問と回答
レストポーズ法とは
レストポーズ法(Rest-Pause Training)は、メインセットで限界まで追い込んだ後、10-15秒の短い休憩を取り、再び数回の反復を行うトレーニング手法です。
この手法により、通常のセットでは不可能な追加の刺激を筋肉に与えることができ、筋肥大(筋肉量の増加)と筋力向上の両方において優れた効果を発揮します。

レストポーズ法は、筋肉の疲労回復システムを巧みに利用した科学的根拠に基づくトレーニング方法です!
レストポーズ法の基本原理
レストポーズ法の効果は、筋肉のエネルギー系統(ATP-PCr系)の回復特性を利用しています。
高強度トレーニング中に枯渇したクレアチンリン酸は、10-15秒の短時間休憩で約50-60%回復し、追加の反復を可能にします。
- メインセット:80-85% 1RMで限界まで実施
- 休憩時間:10-15秒(呼吸を整える程度)
- 追加セット:3-5回の反復を2-3回繰り返し
- 総ボリューム:従来法より20-30%増加
レストポーズ法の科学的効果
12週間の比較研究により、レストポーズ法の筋肥大・筋力向上効果が科学的に実証されています。
12週間比較研究による実証結果
"Twelve weeks of rest-pause training showed significant improvements in muscle hypertrophy and performance adaptations among recreationally trained men compared to traditional resistance training protocols."
引用:Stresses (2023)
Karimifard et al. - Twelve Weeks Rest–Pause and Traditional Resistance Training: Effects on Myokines and Performance Adaptations among Recreationally Trained Men
この研究では、レクリエーショナルトレーニング経験者を対象とした12週間の介入により、レストポーズ法の優位性が確認されました。
筋肥大・筋力向上効果
研究結果によると、レストポーズ法は従来のトレーニング方法と比較して以下の効果を示しました:
- 筋肥大効果:筋厚および筋断面積の有意な増加
- 筋力向上:最大筋力(1RM)の顕著な改善
- パフォーマンス適応:総合的なトレーニング適応の向上
- ミオカイン分泌:筋肉由来ホルモンの分泌促進
科学的根拠に基づく効果まとめ
12週間の査読付き研究による実証結果:
- 研究期間:12週間の長期介入による確実な効果検証
- 対象者:レクリエーショナルトレーニング経験者
- 測定項目:筋肥大、筋力、ミオカイン分泌の総合評価
- 結果:従来法より優れた筋肥大・パフォーマンス適応
- 科学的信頼性:査読付き学術誌による発表済み
レストポーズ法の正しい実践方法
効果的なレストポーズ法の実践には、正確な負荷設定と休憩時間の管理が重要です。
基本的な実施手順
ステップ1:メインセットの実施
- 80-85% 1RMの重量を設定
- 正しいフォームで限界まで反復
- 筋力的限界に達するまで継続
ステップ2:短時間休憩
- 10-15秒間の休憩を取る
- 深呼吸で酸素供給を促進
- 筋肉の緊張は解かない
ステップ3:追加セットの実施
- 3-5回の反復を目標に実施
- フォームの維持を最優先
- 2-3回のミニセットを繰り返し
負荷設定の重要性
レストポーズ法では、適切な負荷設定が成功の鍵となります。
目的 | 負荷(% 1RM) | メインセット回数 | 追加セット回数 |
---|---|---|---|
筋肥大重視 | 80-85% | 6-8回 | 3-4回 × 2-3セット |
筋力重視 | 85-90% | 3-5回 | 2-3回 × 2-3セット |
筋持久力重視 | 75-80% | 8-12回 | 4-6回 × 2-3セット |
種目別レストポーズ法の応用
レストポーズ法は様々な種目に応用可能ですが、特に効果的な種目とその実践方法を紹介します。
ベンチプレス
大胸筋の発達に特に効果的な種目です。
- セーフティーバーの設定必須
- スポッターの協力を推奨
- グリップ幅は肩幅の1.5倍程度
- 胸部への確実なタッチを維持
スクワット
下半身全体の筋力向上に最適です。
- パワーラックでの実施を推奨
- 膝がつま先より前に出ないよう注意
- 太ももが床と平行になるまで下降
- 腰部の丸まりを防止
ダンベルカール
上腕二頭筋の集中的な発達に最適な種目です。
- 肘の位置を固定して動作
- ゆっくりとした制御された動作
- 上腕二頭筋の完全な収縮を意識
- ネガティブ動作も丁寧に実施
安全性と注意すべきポイント
レストポーズ法は高強度トレーニングのため、安全性の確保が最重要です。
実施前の準備
- 十分なウォームアップ(15-20分)
- 十分な睡眠(7-8時間)
- 栄養状態の確認
実施中の注意点
- 正しいフォームの維持
- 無理な重量設定の回避
- スポッターとの連携
高強度トレーニングでは、安全性を最優先に考えることが大切ですね!無理は禁物です。

他のトレーニング法との組み合わせ
レストポーズ法は単独で使用するだけでなく、他のトレーニング手法と組み合わせることでさらなる効果が期待できます。
ドロップセット法との併用
レストポーズ法の後にドロップセット法を実施することで、筋肉への刺激を最大化できます。
- レストポーズ法実施後、重量を20-30%減少
- 限界まで追加の反復を実施
- 合計トレーニングボリュームが大幅に増加
スーパーセット法との組み合わせ
拮抗筋群のトレーニングと組み合わせることで、時間効率を向上させます。
よくある質問と回答
Q1: レストポーズ法はどのくらいの頻度で行うべきですか?
A: 初心者は週2-3回、中級者以上は週4-5回程度が適切です。同一筋群については48-72時間の休息を設けることが重要です。
Q2: 休憩時間が15秒を超えても問題ありませんか?
A: 15秒を大幅に超える(30秒以上)と、レストポーズ法の効果が減少します。10-15秒を目安に厳密に管理しましょう。
Q3: 初心者でもレストポーズ法を実施できますか?
A: 基本的なトレーニングフォームを習得し、3ヶ月程度の経験を積んでから実施することを推奨します。
Q4: レストポーズ法で筋肉痛がひどくなりますが、継続すべきですか?
A: 通常より強い筋肉痛は正常な反応ですが、痛みが3日以上続く場合は休息を取り、負荷を調整してください。
Q5: すべての種目でレストポーズ法を使用できますか?
A: 安全性を考慮し、フリーウェイトの複合種目では特に注意が必要です。マシン種目から始めることを推奨します。
まとめ
レストポーズ法は、科学的根拠に基づいた効果的なトレーニング手法です。適切な実施により、筋肥大と筋力向上の両方において従来法を上回る効果が期待できます。
重要なポイントをまとめると:
- 80-85% 1RMの負荷で実施
- 10-15秒の短時間休憩を挟む
- 安全性を最優先に考慮
- 段階的な導入と適切な回復
- 個人の体力レベルに応じた調整
レストポーズ法を正しく理解し、安全に実践することで、あなたのトレーニング効果を格段に向上させることができるでしょう。
※このトレーニング法を始める前に、必ず医師やトレーナーに相談し、個人の体力レベルや健康状態を考慮して実施してください。
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この記事を書いた人

フィット
- 筋トレ歴10年目
- パーソナルトレーナー6年目
- 飲んできたプロテインの種類30種類以上
- ANYTIME、JOYFIT、FASTGYM、ゴールドジム、東急スポーツオアシスなど計10以上の大手ジム利用経験あり
- 通算1,000名以上のお客様へカウンセリング・セッション
- 某大手上場企業パーソナルトレーニングジムにてパーソナルトレーナーデビュー
- その後、社内で最速級の速さで店長へ就任
- お客様の最高減量幅34kg
- 2020年4月フリーランスパーソナルトレーナーとして独立
- パーソナルトレーナーとして最高月収150万円達成