プロテインで腹痛になる原因と対処法|飲み方・選び方で防ぐコツ

プロテインで腹痛になる原因と対処法|飲み方・選び方で防ぐコツ

プロテインを飲んだあと、お腹が痛くなったり、下痢や張りが出たりした経験はありませんか? 腹痛・下痢の原因は「乳糖不耐症」「一度に飲む量」「人工甘味料」「運動直後の一気飲み」「ソイのレクチン」「腸内環境」など複数あり、原因に合わせた対処で改善することが多いです。この記事では、検索結果でよく扱われるテーマを網羅し、プロテインで腹痛・下痢になりやすい理由、飲み方・選び方(WPIとWPCの違い、消化酵素入りなど)、病院に行く目安まで、学術的な知見を交えながら解説します。

本記事は、プロテイン摂取後の腹痛に関して詳しく解説します。腹痛の原因や対処法まで、科学的根拠に基づいた情報をお届けしますが、症状の改善やプロテイン利用の効果を約束するものではございません。参考までにご覧ください。また必ず個人の体質や体調に合わせて調整して頂き、体調が優れないときはお医者様にご相談ください。

プロテインで腹痛・下痢になりやすい主な原因

腹痛や下痢を防ぐには、まず「なぜ痛くなるか」を押さえることが大切です。検索結果でよく取り上げられる主な原因は次のとおりです。

乳糖(ラクトース)不耐症・消化しづらさ

乳糖不耐症は、乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が少ないために、乳糖を含む食品を摂ったあと腹痛・腹部膨満・下痢・ガスなどの消化器症状が出る病態です。Fassioらの論文(2018)によると、乳糖不耐症は「乳糖摂取後に痛み、腹部膨満、鼓腸、下痢が生じる症候群」と定義され、大腸での乳糖の発酵や浸透圧の変化が症状のメカニズムとして説明されています。ホエイプロテインには乳糖が含まれる製品が多く、牛乳でお腹を壊しやすい人は同様の症状が出やすいため注意が必要です。Goosenbergらの論文(2025)によると、乳糖不耐症の管理には乳糖含有量の制限や乳糖フリー製品の選択が推奨されています。

一度に飲む量が多すぎる

一度に大量のタンパク質を摂ると、消化管への負担が増し、腹痛や腹部不快感の原因になりやすくなります。Wu(2016)のレビューによると、健常成人では体重1kgあたり1日2gまでのタンパク質摂取が長期で安全とされ、それを超える慢性的な高タンパク摂取は消化器系などに異常をきたす可能性が指摘されています。また、Gorissenらの研究(2020)によると、タンパク質の種類・摂取量・年齢が消化・吸収の速度に影響し、摂取量が増えると血中アミノ酸の出現パターンも変わることが報告されています。1回あたり20〜30g程度を目安に、必要に応じて分割して飲むと消化管への負担を減らしやすくなります。

人工甘味料(ソルビトール・キシリトールなど)の影響

糖質オフ・カロリーオフのプロテインには、ソルビトールやキシリトールなどの糖アルコール(ポリオール)が使われることがあります。Mäkinen(2016)のレビューによると、ペントース・ヘキソース型のポリオールや二糖ポリオールは、摂取量が多くなると浸透圧性の下痢を引き起こすことがあり、腸管での吸収が遅いことがその一因とされています。IslamとSakaguchi(2006)の研究によると、ソルビトールの小腸での吸収不全が浸透圧性下痢の主因であり、吸収と腸管内の水分量が逆相関することが示されています。LenhartとChey(2017)の系統的レビューによると、ポリオールは健常者・IBS患者の双方で、用量依存的に腹部不快感・鼓腸・緩下作用を引き起こしうるとまとめられています。摂りすぎに注意し、甘味料の種類や量を成分表示で確認することが有効です。

空腹時や冷たい状態で一気に飲む

空腹時に冷たいプロテインを一気に飲むと、胃腸への物理的・温度的な刺激が強くなり、腹痛や張りを感じることがあります。食事と一緒に摂る、あるいは食後に摂ることで胃内容物が希釈され、胃の運動も整いやすくなります。常温〜ぬるめの液体で溶かし、少しずつ時間をかけて飲むと、消化管への負担を抑えやすくなります。

運動直後の一気飲み

運動直後にプロテインを一気に飲むと、胃腸への血流がまだ回復していないタイミングで負担がかかり、腹痛や下痢につながることがあります。クールダウンしてから飲む、あるいは少量に分けて飲むと負担を減らしやすくなります。

ソイプロテインのレクチン・大豆が合わない場合

ソイ(大豆)プロテインにはレクチンなどが含まれており、体質によっては腸を刺激し、腹痛や下痢・便秘の原因になることがあります。大豆製品でお腹を壊しやすい人は、ホエイ(WPI)やエンドウ豆・米由来の植物性プロテインを試す選択肢もあります。

カゼインプロテインが合わない場合

牛乳由来のカゼインは消化がゆっくりで、体質によっては胃もたれや腹部不快感の原因になることがあります。ホエイや植物性プロテインに変えると改善する場合があります。

腸内環境の乱れ

もともと腸内環境が乱れていると、プロテインのタンパク質や乳糖・甘味料の影響を受けやすく、腹痛・下痢・便秘になりやすいことがあります。食物繊維や発酵食品などで腸内環境を整えつつ、プロテインの量や種類を調整するとよいでしょう。

消化酵素の不足

タンパク質を分解する消化酵素が不足している場合、未消化のタンパク質が腸に届き、ガスや腹部不快感の原因になることがあります。消化酵素入りのプロテインを選ぶ、あるいは一度の量を減らして負担を軽くする方法があります。

食物繊維・難消化性成分の摂りすぎ

プロテインに食物繊維や難消化性デキストリンなどが添加されている製品では、摂取量が多いと腸の運動が活発になり、腹痛やガスが増えることがあります。Whelanら(2018)のレビューによると、発酵性のオリゴ糖・二糖・単糖・ポリオール(FODMAP)の制限が、過敏性腸症候群(IBS)などの腹部症状の改善に有効であることが示されています。食物繊維や難消化性成分の「摂りすぎ」が症状につながる場合もあるため、体調に合わせて量や製品を調整するとよいでしょう。

プロテインの腹痛原因まとめ

プロテインの腹痛を防ぐ・和らげる方法

原因に合わせて、次のような工夫で腹痛を防いだり和らげたりできます。

飲む量を減らす・分割して飲む

1回の量を減らし(例:スプーン1杯分〜20g程度)、1日で複数回に分けて飲むと、消化管への負担を軽減しやすくなります。Gorissenらの研究(2020)によると、タンパク質の摂取量が消化・吸収の動態に影響することが示されており、一度に飲む量を減らすだけでも症状が改善するケースは少なくありません。

水の量を多めにして薄めて飲む

濃い状態で飲むと浸透圧が高くなり、消化管への負担が増えることがあります。表示よりやや多めの水で溶かし、少しずつ飲む習慣にすると、腹痛を防ぎやすくなります。

常温〜ぬるめで、一気に飲まない

冷たいまま一気に飲むと胃腸への刺激が強くなりがちです。常温やぬるめの水で溶かし、時間をかけて飲むと負担を抑えやすく、空腹時は特にその工夫が有効です。

食事と一緒、または食後に飲む

完全な空腹時より、軽い食事のあとや食事と一緒に飲むと、胃内容物が希釈され、胃の運動も落ち着きやすいため、腹痛を防ぎやすくなります。Fassioらの論文(2018)によると、乳糖不耐症の人でも乳糖を他の栄養素と一緒に摂ることで耐容閾値が上がる可能性が言及されています。

乳糖が苦手な人はホエイ以外・乳糖分解タイプを選ぶ

牛乳でお腹を壊しやすい場合は、乳糖が少ないホエイプロテイン(WPI・アイソレート、乳糖分解タイプ)や、ソイ・エンドウ豆・エッグなど乳糖を含まない植物性プロテインを検討するとよいでしょう。Goosenbergらの論文(2025)によると、乳糖不耐症の管理として乳糖含有量の制限や乳糖フリー製品の利用が推奨されています。

人工甘味料の少ない・無添加に近い製品を選ぶ

甘味料でお腹を壊しやすい場合は、成分表でソルビトール・キシリトール・還元麦芽糖(マルチトール)などの有無と量を確認し、少ない製品や無添加に近いものを選ぶとよいでしょう。LenhartとChey(2017)の系統的レビューによると、ポリオールの吸収不全は用量依存的であり、複数のポリオールを同時に摂ると吸収不全が強くなりうることが報告されています。

腸内環境を整える

腸内環境が整っていると、プロテインによる腹部不快感を感じにくくなることがあります。発酵食品や食物繊維を食事に取り入れ、必要に応じてプロバイオティクス(善玉菌)やプレバイオティクス(善玉菌のエサになる成分)を検討する方法もあります。あくまで補助として、体質に合わせて調整してください。

運動後は落ち着いてから・少量に分けて飲む

運動直後は胃腸への血流が少ないため、プロテインはクールダウンしてから飲むと負担を減らせます。一気に飲まず、少量に分けるか、食後・間食として摂るタイミングにすると腹痛を防ぎやすくなります。

腹痛になりにくいプロテインの選び方

「お腹を壊しにくいプロテインがいい」という場合の選び方のポイントです。

WPI(ホエイアイソレート)とWPC(濃縮)の違いを知る

ホエイプロテインには、乳糖が少ない「WPI(ホエイプロテインアイソレート)」と、乳糖が残りやすい「WPC(ホエイプロテインコンセントレート)」があります。乳糖不耐症や牛乳でお腹を壊しやすい人は、WPIや「アイソレート」「乳糖分解」の表示がある製品を選ぶと腹痛を避けやすくなります。

乳糖が少ない・分解されている製品を選ぶ

ホエイプロテインを選ぶ場合は、「WPI」「アイソレート」「乳糖分解」などの表示がある製品を候補にすると、乳糖による腹痛を避けやすくなります。植物性プロテイン(ソイ・エンドウ豆・米など)は乳糖を含まないため、乳糖不耐症の人にも選択肢になります。Fassioらの論文(2018)によると、乳糖不耐症の治療として乳糖の食事制限や乳糖を含まない製品の利用が基本とされています。

添加物・甘味料の種類と量を確認する

成分表で人工甘味料・食物繊維・難消化性成分の有無と量を確認しましょう。Mäkinen(2016)のレビューによると、キシリトールはヘキシトールや二糖ポリオールより耐容性が高く、エリスリトールは分子が小さいため他のポリオールでみられるような消化器反応を起こしにくいとされています。過去に腹痛の原因になった成分があれば、それを避けた製品を選ぶと安心です。

消化酵素入り・腸に配慮した製品を検討する

消化酵素(プロテアーゼなど)が添加されたプロテインは、タンパク質の消化を助け、腹部負担を軽くしたい人向けの選択肢です。腸内環境に配慮した成分が配合された製品もあり、体質に合うか少量から試すとよいでしょう。

まずは少量から試す

新しいプロテインは、表示量より少なめから始め、お腹の調子を見ながら量を増やすとよいでしょう。タンパク質の種類・用量・個人差が消化・吸収に影響することは、Gorissenらの研究(2020)でも支持されています。体質に合うかどうかは製品ごとに異なるため、少量からの試用がおすすめです。

こんなときは病院へ|受診の目安

次のような場合は、自己判断せず医療機関の受診を検討してください。

プロテインをやめても腹痛が続く

プロテインを飲むのを止めても痛みや下痢が続く、あるいは悪化する場合は、乳糖不耐症や甘味料以外の消化器疾患が隠れている可能性があります。Goosenbergらの論文(2025)によると、乳糖不耐症と他の消化器疾患の鑑別が重要とされており、症状が続くときは医師の診察を受けることが勧められます。

激しい痛み・血便・発熱・脱水

激しい腹痛、血便、高熱、ぐったりする・水分が取れないなどの脱水症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。感染症や炎症性の疾患など、緊急の対応が必要な場合もあります。

アレルギーが疑われる場合

プロテインを飲むたびに腹痛に加えてじんましん・呼吸しづらさ・のどの違和感などが出る場合は、食物アレルギーを疑い、医療機関で相談してください。乳製品アレルギーと乳糖不耐症は別の病態であり、適切な診断と管理のためにも受診が望ましいです。

プロテインの腹痛についてよくある質問

プロテインはお腹に悪い?

プロテインそのものが「お腹に悪い」わけではありません。乳糖・摂取量・甘味料・飲み方などが体質に合わないときに、腹痛になりやすいと考えられます。Wu(2016)のレビューによると、適正量のタンパク質摂取は健常者で安全とされ、体質と飲み方に合わせれば多くの人は問題なく続けられます。

牛乳で溶かすと腹痛になりやすい?

乳糖不耐症の人は、牛乳で溶かすと乳糖の摂取量が増えるため腹痛になりやすいです。Fassioらの論文(2018)によると、乳糖不耐症の症状は摂取する乳糖の量や残存ラクターゼ活性などに依存するとされています。水で溶かす、あるいは乳糖が少ないホエイ(WPI・アイソレート)や植物性プロテインにすると、改善することが多いです。

植物性プロテインなら腹痛にならない?

植物性プロテインは乳糖を含まないため、乳糖不耐症の人には有利です。一方で、製品によっては食物繊維や糖アルコール(ポリオール)が添加されており、大豆レクチンが合わない人もいます。LenhartとChey(2017)の系統的レビューによると、ポリオールは健常者・IBS患者の双方で用量依存的に症状を引き起こしうると報告されています。体質によるため、少量から試すことが大切です。

プロテインを飲んで下痢だと意味がない?

下痢が続くと、摂ったタンパク質が十分に吸収されずに排出されてしまう可能性はあります。ただし「少し緩い」程度なら、ある程度は吸収されていることが多いです。症状がつらいときは、量を減らす・種類を変える・食後に飲むなどで改善を図り、続く場合は医療機関に相談してください。

それでも体に合うプロテインが見つからない場合は?

いろいろ試しても腹痛や下痢が続く場合は、いったんプロテインをやめ、食事からタンパク質(肉・魚・卵・豆類など)をしっかり摂る方法も有効です。プロテインはあくまで補助であり、食事をメインにした栄養摂取で問題ありません。体質に合う製品が見つかるまで試行錯誤が必要な場合もあります。

まとめ

プロテインで腹痛・下痢になりやすい主な原因は、乳糖不耐症、一度に飲む量の多さ、人工甘味料(糖アルコール)、空腹時・運動直後の冷たい一気飲み、ソイのレクチンやカゼインが合わない場合、腸内環境の乱れ、消化酵素の不足、食物繊維などの添加物です。本記事で紹介した対処法や選び方は、末尾に挙げた学術研究の知見に基づいています。対処法としては「1回の量を減らして分割」「多めの水で薄める」「常温で少しずつ」「食後や食事と一緒に飲む」「運動後は落ち着いてから」「腸内環境を整える」が有効です。牛乳でお腹を壊しやすい人はWPI(ホエイアイソレート)や乳糖分解タイプ・植物性プロテインを選び、甘味料で調子を崩す人は成分表を確認し、消化酵素入り製品も選択肢です。いろいろ試しても合わない場合は食事からタンパク質を摂る方法も有効です。プロテインをやめても痛みが続く、激しい痛み・血便・発熱がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

参考文献

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